「エースではなくリーダー」誓ったあの日。10番堂安律が初のキャプテン就任「理想はみんなメッシみたいになりたいと思うけど…」
MF
イギリス遠征のチームキャプテンに任命された日本代表MF堂安律(フランクフルト)がキリンワールドチャレンジ第1戦・スコットランド戦の前日練習後、報道陣の取材に応じ、「何回も言っているし、多分もうみんな(報道陣)も書き飽きたと思うけど、特に変わらない。責任感、名誉は過去の日本代表の先輩たちを見ていくと緊張感があるけど、やることは変わらない」と率直な思いを語った。
北中米W杯前最後の活動となるイギリス遠征。森保一監督は、第2次体制でキャプテンを担ってきたMF遠藤航の不在を受け、信頼を置く背番号10にチームキャプテンという肩書きを託す決断をした。昨年10月、初めて遠藤が不在だった活動ではMF南野拓実が2試合ともにキャプテンマークを巻いていたが、これはあくまでもゲームキャプテンという位置付け。明らかに特別な信頼が込められた「キャプテン任命」だった。
森保監督はスコットランド戦の前日会見で、堂安をチームキャプテンに指名したことを明かしつつ、次のように理由を述べた。
「年齢で言えば谷口彰悟、(伊東)純也というベテランもいるし、キャップ数で一番多いのは今回の招集では純也が一番多い。ベテランとかキャップ数が多い選手を選ぶことも考えたが、私が東京五輪からA代表でも2期監督をさせてもらっている中、長く共に戦わせてもらった中で律のリーダーシップを見てきているし、チームづくりの部分もわかってくれていると思うのでキャプテンということで指名した」
2018年9月の第1次森保ジャパン初陣からA代表に初招集され、発足当初から主力として起用されてきた堂安。21年夏の東京五輪でも主力を担い、その後は一時序列を落とすこともあったが、22年カタールW杯では2ゴールの大活躍を果たした。ベスト16敗退に終わったクロアチア戦の翌日には、堂安は報道陣の前で印象的な決意を語っていた。
「ずっとエースになりたいと言ってきたけど、リーダーにならなくちゃいけないと思う。自分がリーダーになる覚悟を持って、本当に今日からやっていきたい」
その誓いはすぐに行動に移され、第2次森保ジャパンの3年半は堂安のリーダーシップとともにあった。
リーダーとしての萌芽が見られたのは24年1〜2月のアジア杯だった。グループリーグでは控えに回った堂安だったが、不遇に揺らぐ様子は見せず、ターンオーバー布陣が採用された第3戦インドネシア戦で先発起用されると、チームの停滞感を払拭するパフォーマンスを披露。その大会自体はベスト8敗退に終わったが、堂安の振る舞いという面で見れば、短期決戦で暗くなりがちな控え組の空気さえもポジティブに変える姿勢が際立った大会だった。
その後はチームが3-4-2-1の攻撃的3バック布陣に舵を切ったなか、堂安は守備のタスクも大きい右ウイングバックで主力に君臨した。森保監督は同年6月時点で「こんな上手い選手がこんなにハードワークするんだということを将来プロや日本代表を目指す少年、少女に見てもらえたらと思う」と堂安のパフォーマンスを絶賛していたが、その働きぶりはW杯最終予選でも変わらずに続き、史上最速でのW杯出場権決定という快挙への原動力となった。
そのような振る舞いを続けてきたからこそ、堂安のいう「やることは変わらない」との言葉にも大きな説得力が宿る。実際、今回の合宿初日にチームキャプテンを任命された際も「今回監督がこうやって選んでくれたのも、おそらく自分がキャプテンじゃなくてもそういう行動を普段からしているという自覚が芽生えてきていることを感じてくれているからだと思うし、W杯優勝のためならどの立場であっても全力でやりたい思いがあるので」と気負いはなかったようだ。
とはいえ大きく振る舞いを変えることはないものの、いまのチームに必要な振る舞いはしっかりと見極めてもいる。
「たくさんやることはあると思いますけど、現状でケガ人が多いというのを踏まえて、新しい若い選手が入っているという意味では、やっぱり新しく入ってきた彼らの力が必要になる。彼らがノビノビすることが一番日本代表の助けになると思いますし、僕が若い頃に入った時に先輩たちがそうしてくれたのもありますし。彼らのポテンシャルを先輩たちに気を使ってやるとかじゃなく、思い切って存分に出せるように。その中でチームが一つになれるような形が今の日本代表が成長する一番の近道で、今回やるべきことだと思いますし、さらに彼らの成長が僕らのことも奮い立たせるので、そういったことが重要かなと思っています」
そんな堂安が理想に掲げるリーダーとは「流れを変えられる選手」だという。
「オン・ザ・ボールでもオフ・ザ・ボールでも、オン・ザ・ピッチでもオフ・ザ・ピッチでも、どの状況であれチームの流れを変えられる選手だと思う。もちろん理想はみんなメッシみたいになりたいと思うけど、メッシにはなれないというのは自分自身理解している。じゃあどうやってチームのために、日本代表が強くなるために貢献できるかというのを自問自答しながらこの活動をやっていく必要があると思いますし、自分自身もさらに成長できる機会をもらえたと思うので、楽しみです」
あえて名前を挙げたFWリオネル・メッシは、前回のカタールW杯でアルゼンチンを優勝に導いた10番であり、チームキャプテン。リーダーとしての使命を高らかに宣言したあの日から3年あまり、堂安律は日本代表の「10番」「キャプテン」という2つの信頼を大きく背負い、他でもない堂安律のやり方で世界一への決意をあらためて示した。
(取材・文 竹内達也)
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北中米W杯前最後の活動となるイギリス遠征。森保一監督は、第2次体制でキャプテンを担ってきたMF遠藤航の不在を受け、信頼を置く背番号10にチームキャプテンという肩書きを託す決断をした。昨年10月、初めて遠藤が不在だった活動ではMF南野拓実が2試合ともにキャプテンマークを巻いていたが、これはあくまでもゲームキャプテンという位置付け。明らかに特別な信頼が込められた「キャプテン任命」だった。
森保監督はスコットランド戦の前日会見で、堂安をチームキャプテンに指名したことを明かしつつ、次のように理由を述べた。
「年齢で言えば谷口彰悟、(伊東)純也というベテランもいるし、キャップ数で一番多いのは今回の招集では純也が一番多い。ベテランとかキャップ数が多い選手を選ぶことも考えたが、私が東京五輪からA代表でも2期監督をさせてもらっている中、長く共に戦わせてもらった中で律のリーダーシップを見てきているし、チームづくりの部分もわかってくれていると思うのでキャプテンということで指名した」
2018年9月の第1次森保ジャパン初陣からA代表に初招集され、発足当初から主力として起用されてきた堂安。21年夏の東京五輪でも主力を担い、その後は一時序列を落とすこともあったが、22年カタールW杯では2ゴールの大活躍を果たした。ベスト16敗退に終わったクロアチア戦の翌日には、堂安は報道陣の前で印象的な決意を語っていた。
「ずっとエースになりたいと言ってきたけど、リーダーにならなくちゃいけないと思う。自分がリーダーになる覚悟を持って、本当に今日からやっていきたい」
その誓いはすぐに行動に移され、第2次森保ジャパンの3年半は堂安のリーダーシップとともにあった。
リーダーとしての萌芽が見られたのは24年1〜2月のアジア杯だった。グループリーグでは控えに回った堂安だったが、不遇に揺らぐ様子は見せず、ターンオーバー布陣が採用された第3戦インドネシア戦で先発起用されると、チームの停滞感を払拭するパフォーマンスを披露。その大会自体はベスト8敗退に終わったが、堂安の振る舞いという面で見れば、短期決戦で暗くなりがちな控え組の空気さえもポジティブに変える姿勢が際立った大会だった。
その後はチームが3-4-2-1の攻撃的3バック布陣に舵を切ったなか、堂安は守備のタスクも大きい右ウイングバックで主力に君臨した。森保監督は同年6月時点で「こんな上手い選手がこんなにハードワークするんだということを将来プロや日本代表を目指す少年、少女に見てもらえたらと思う」と堂安のパフォーマンスを絶賛していたが、その働きぶりはW杯最終予選でも変わらずに続き、史上最速でのW杯出場権決定という快挙への原動力となった。
そのような振る舞いを続けてきたからこそ、堂安のいう「やることは変わらない」との言葉にも大きな説得力が宿る。実際、今回の合宿初日にチームキャプテンを任命された際も「今回監督がこうやって選んでくれたのも、おそらく自分がキャプテンじゃなくてもそういう行動を普段からしているという自覚が芽生えてきていることを感じてくれているからだと思うし、W杯優勝のためならどの立場であっても全力でやりたい思いがあるので」と気負いはなかったようだ。
とはいえ大きく振る舞いを変えることはないものの、いまのチームに必要な振る舞いはしっかりと見極めてもいる。
「たくさんやることはあると思いますけど、現状でケガ人が多いというのを踏まえて、新しい若い選手が入っているという意味では、やっぱり新しく入ってきた彼らの力が必要になる。彼らがノビノビすることが一番日本代表の助けになると思いますし、僕が若い頃に入った時に先輩たちがそうしてくれたのもありますし。彼らのポテンシャルを先輩たちに気を使ってやるとかじゃなく、思い切って存分に出せるように。その中でチームが一つになれるような形が今の日本代表が成長する一番の近道で、今回やるべきことだと思いますし、さらに彼らの成長が僕らのことも奮い立たせるので、そういったことが重要かなと思っています」
そんな堂安が理想に掲げるリーダーとは「流れを変えられる選手」だという。
「オン・ザ・ボールでもオフ・ザ・ボールでも、オン・ザ・ピッチでもオフ・ザ・ピッチでも、どの状況であれチームの流れを変えられる選手だと思う。もちろん理想はみんなメッシみたいになりたいと思うけど、メッシにはなれないというのは自分自身理解している。じゃあどうやってチームのために、日本代表が強くなるために貢献できるかというのを自問自答しながらこの活動をやっていく必要があると思いますし、自分自身もさらに成長できる機会をもらえたと思うので、楽しみです」
あえて名前を挙げたFWリオネル・メッシは、前回のカタールW杯でアルゼンチンを優勝に導いた10番であり、チームキャプテン。リーダーとしての使命を高らかに宣言したあの日から3年あまり、堂安律は日本代表の「10番」「キャプテン」という2つの信頼を大きく背負い、他でもない堂安律のやり方で世界一への決意をあらためて示した。
(取材・文 竹内達也)
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