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北中米W杯で試されるコンディション管理とケガ人の回復…松本良一フィジカルコーチ「人生で一番最高の舞台はそれなりのストレスがかかる」

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松本良一フィジカルコーチ

 日本代表松本良一フィジカルコーチが21日、報道陣の取材に応じ、大会初戦まで1か月を切った北中米ワールドカップ期間中のコンディション管理について展望を語った。

 福岡市北九州市出身の松本コーチは2012年から17年に森保一監督が率いた広島のフィジカルコーチを担当し、翌18年から東京五輪に臨むU-21日本代表のフィジカルコーチとして森保ジャパンに入閣。同年9月からはA代表兼任となり、東京五輪後はA代表専任として、選手のコンディション管理やフィジカルトレーニングを担当してきた。

 前回のカタール大会では全てのスタジアムが車で1時間圏内にあったため長距離移動がなかったのに対し、北中米W杯はタイムゾーンの異なる3か国での広域開催。気候の違いや長距離移動を念頭に置いた大会期間中のコンディション管理がより問われる大会となる。

 とはいえ、松本コーチにとっては2度目のW杯。前回の経験が活かせることは大いにあるという。

「選手にとって人生で一番最高の舞台になると思うし、人生で最高の舞台になるということはそれだけのストレスがかかってしまう。そのストレスをどう取り除いていくかは非常にコンディションに関わってくる。私の専門上、何をやれば疲労物質を取り除いたり、疲労から回復できるかという方法論はもちろん私自身持っているが、その方法論もプレッシャーであったり、ストレスが邪魔をすることが多くなるのがやはりW杯。何を優先したり、何をこの時点で入れられればいいかという判断は難しくなる。今はリカバリーの方法論は誰でも、Jリーグのコーチ、大学のコーチ、一般の人も持っているが、W杯という最高の舞台の、最高にストレスがかかるなかで何を優先すればいいかはそこに行かないとわからない部分もある。そこは一度経験をしているので、状況を見ていい判断をしたいということで準備をしている」(松本コーチ)

 選手のコンディション管理にあたっては、まずは試合の合間をどのように過ごすかが大きな鍵となる。日本代表は6月14日にダラスでグループリーグ初戦オランダ戦を行った後、20日にモンテレイで第2戦チュニジア戦、25日にダラスで第3戦スウェーデンを迎えるというスケジュール。1位か2位での通過となった場合は、ラウンド32(決勝トーナメント)は29日に組まれることから、試合間隔は中5日、中4日、中3日となる。

 過去の大会では中5日という長期インターバルはなかったが、48か国制になったがゆえの日程。松本コーチは「5日間ずっと練習していると選手はボールを蹴れるのでその内容ですごく楽しくなるかもしれないが、そこはバランスを見ること。また試合を行った後にはメディカルスタッフと選手の体をモニタリングしているので、オフを与えるのか、練習のボリュームを落とすのか、強度を落とすのか、バランスを取りながらスケジュールを組み立てること。また試合会場に入る日にちも決まっているので、移動から逆算してU19に選手たちと試合をするのかなど、うまく合わせながら対応していきたい」と述べ、トレーニングパートナーとして同行するU-19日本代表の選手にも協力してもらいながら練習効率を上げる構えを見せた。

 決勝トーナメントに向けた想定も進んでいる。今大会ではグループリーグ3位のうち上位8チームもラウンド32に進出できるという新たなレギュレーションが導入されている中、その場合、勝ち上がる組によってトーナメント表が決まるため、対戦相手や試合会場の決定はグループリーグ全日程終了まで待つという形になる。

 F組の日本が3位通過した場合、約83%の確率でI組首位とニューヨーク・ニュージャージーでの対戦。だが、他の開催地・組み合わせとなった場合のシミュレーションも必須となる。松本コーチによると、長距離移動のあるボストン(vsE組首位、約10.6%の確率)やバンクーバー(vsB組首位、約1.5%の確率)、標高2300m超の高地開催となるメキシコシティ(vsA組首位、約0.9%の確率)になることも想定を重ねているといい、「練習のスケジュールをどう組むかによって選手のコンディション、戦術の落とし込みに関わってくるので、非常に注意をしながら準備を進めていきたい」と述べた。

 日本代表は今月25日からW杯に向けた活動をスタートし、31日に国立競技場でアイスランドとの壮行試合を実施。本大会仕様のコンディション作りを進めていくだけでなく、現在負傷離脱中のMF遠藤航(リバプール)やMF鈴木唯人(フライブルク)、負傷からの復帰を目指すDF冨安健洋(アヤックス)らの状態を確認する作業も必要となる。

 松本コーチによると「ケガの状態はメディカルスタッフから共有されているので、どの時点で完全に回復して試合に出場できるのか、逆算してスケジュールを立てている」とすでにプラン済み。「アイスランド戦にどれだけ出られるか。アイスランド戦にもし出られない場合、モンテレイに行った時に試合を組んで何分出場できるかなどを逆算して計算しているので、その時の練習をどうするか、個人でやるのか、グループでやるのか、チーム全体で非常に高い強度の中で練習をやるのか。大体のメンバーは決まっているので、あとはどういうふうな回復力を選手が見せてくれるかというところでいろんなプランはある。サポートメンバーのU19の選手がいるので、その選手たちと一緒に練習をしたり、うまく活用していきたい」と展望を述べた。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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