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練習場問題で殺到するメキシコメディアに“日本の未来”語った久保建英「もしこの誰かがサッカーを続けるなら…」

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子どもたちにサインするMF久保建英(ソシエダ)

 北中米ワールドカップに向けてメキシコ・モンテレイで事前キャンプを行っている日本代表MF久保建英(ソシエダ)は6日の練習後、連日殺到するメキシコメディアの取材に再び応じ、今回の事前キャンプで初めて使用したティグレスのクラブ施設(「CET」)についてスペイン語で「良い設備だった。初めて使ったけど、良かったと思う」と端的に話した。

 現地で大きな注目を集めている日本代表の練習場問題。この日、チームは当初からキャンプ地として使用するはずだった「CET」を初めて使用する形となった。使用を回避する原因となったピッチの悪条件が一定程度解消されたことに加え、4〜5日の練習で代わりに借りたモンテレイのクラブ施設(「エル・バリアル」)が先方都合で使用できなかったためだった。

 2日夕に現地入りした日本代表は当初、3日夕からCETでトレーニングを始める予定だったが、3か月前の視察時よりもピッチ状態が悪化していたため、使用を見合わせることを決断。同日は急遽、午前練習に変えて地元の医大施設を使用したが、こちらもピッチが固くケガのリスクがあったため、4日夕の練習からは「エル・バリアル」に移っていた。

 久保は4日の練習後、前日3日に使用した医大施設の練習場と比較し、「エル・バリアル」のピッチ状態を高く評価。ところが現地ではティグレスとモンテレイのライバル関係もあり、「CET」のピッチに大きな批判が集まっていたこともあり、この発言を行った久保がいわゆる“代理戦争”を引き受ける形となっていた。

 そこで久保はこの日、再びメキシコメディアの前に立ち、ティグレスの初練習を終えて「良い設備だった」とコメントすることで、両キャンプ地に配慮を示した。さらに取材の最後には「グループリーグ第2戦の前日練習でどのピッチを使いたいか?」との質問を向けられ、「分からないけど、(試合をする)スタジアムで練習するよね?そのほうがリズムが掴めるし、グラウンドの状態も分かるから」とコメント。実は今大会、試合の前日練習でスタジアムを使用することはできない規定となっているのだが、ティグレスとモンテレイの対立構造に触れるのを避けた格好だ。

 久保がこれ以上練習場の話題に触れるのを好まない姿勢はメキシコメディアにも伝わったようで、話題は日本代表チームのことにも及んだ。

 メキシコメディアからの「日本のファンはこの世代に大きな期待を寄せているようだけど、この世代が日本サッカーにおける歴史的な存在になると思う?」との質問には、久保は「歴史を作れる日があるとしたら、今がそのチャンスだと思う」と軽快に返答。「ここ数年で最高のチームがあると思う。クオリティーもキャラクターも優れていて、全ての相手と張り合うことができる。できればもっと高いレベルに到達したい」と健闘を誓った。

 さらに「この日本代表は何が特別で、世界にどういった姿を示すことができる?」という質問には「さっきも言ったように僕たちはとても良いチームを持っている。僕たち日本は規律とクオリティーを持つ国だし、良いチームワークもある。みんなで助け合うし、誰かがうまくいかなくても他の人が助けてくれる。みんながお互いの背中を支え合っている。だからこれまでよりも遠くに進めると思う」とチームの団結力を誇った。

 また「日本代表はこの監督のもとで世界の強豪を倒しているが、どのように意識を切り替えてきたのか?」という質問には「選手たちがよくまとまっているのは監督が規律、時間厳守、リスペクトの精神をとても重視しているからだと思う。それが選手のキャラクターにもすごく合っているし、それは日本人の在り方としてサッカーに関わる人だけじゃなく日常の全てにおいてそうだよ。僕は尊敬や謙虚さの文化だと思っているけど、そのことを強く持っている監督だと思う」と森保一監督のことを称えていた。

 この日、練習場にはモンテレイの日本人補習校の子どもたち65人が見学に訪れ、練習の様子を見守っていた。メキシコメディアからは彼らについての質問も挙がり、久保はより“らしい”回答を繰り出した。

「今日は普段なら戦術練習をしっかりとする予定だったけど、監督はこの国の子どもたち、どの国にとってもそうだろうけど未来を担っていく子どもたちに、その国の代表選手たちが毎日どんなトレーニングをしているかを見せて、彼らに夢と希望を持ってもらいたいと思っている。そしてもしこの中の誰かがサッカーを続けるなら、いつか彼らと一緒に何かを成し遂げられるといいよね」

 この日、日本代表チームは練習冒頭で子どもたちとの交流会を行った後、オランダ戦への準備過程にあるミックス布陣で11対11のフォーメーション練習を実施。子どもたちは世界の舞台に備えるチームづくりの貴重な目撃者となった。こうした戦術練習をW杯直前に公開する国は世界的に珍しいかもしれないが、久保は日本サッカーに興味を持つメキシコメディアに対し、未来を作ることの大切さを現地の言葉で語りかけていた。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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