法政大20歳MF松村晃助がJ1デビュー! 劣等感、焦りからの脱却…愛する横浜FMを「勝たせる強い意志を持って」
[4.5 J1第9節 横浜FM 0-0 東京V 日産ス]
0-0で迎えた後半40分、勝負のかかったタイミングで出番は訪れた。横浜F・マリノスに特別指定選手として登録されている法政大MF松村晃助(20)がJ1第9節・東京V戦でJ1デビュー。同44分に積極的な仕掛けからシュートを放つなど、トップ下のポジションでチームに勢いをもたらした。
「試合終盤の時間帯でオープンになっている状況だったので結果にこだわって試合に入ったし、チームとして何がなんでも1点取って、チームの勝利に貢献するんだという強い意志を持って試合に入った」
舞台は小さい頃からアカデミーの選手として憧れを抱き、サポーターの一人として通っていた日産スタジアム。ただ、すでにプロ選手になることが決まっている立場として、憧れの場に立つという栄誉以上に、愛するクラブを勝たせるという役目を背負ってピッチに立った。
その闘志が表れたのは4分後だった。「狭いエリアでのファーストタッチ、ターンして前を向くところは得意としているプレーでもあるし、一つ出せたのは良かった」。MFジャン・クルードからの縦パスをバイタルエリアで受けると、鋭いターンからペナルティエリア内に持ち運び、右足一閃。しかし、シュートはDF谷口栄斗にブロックされた。
そのまま試合は0-0でタイムアップ。「小さい頃から足を運んでいた日産スタジアムでデビューすることができて率直に嬉しい気持ちと、チームを勝たせられなかったことで悔しい気持ちがある」。試合後、取材エリアで複雑な思いを明かした20歳は「点につなげるところが自分の課題。結果を残すところにもっともっとフォーカスしてやっていきたい」と力を込めた。
2004年生まれの松村は、23年のU-20W杯に出場した実績を持つMF。法政大3年進級を間近に控えた今年2月、小学3年生から高校まで在籍していた横浜FMに27年から加入することが決まり、今季からJリーグ公式戦に出場できる特別指定選手として登録されている。
Jリーグでのベンチ入りは開幕節・新潟戦、前節・名古屋戦に続いて3試合目で、この日が待望のJ1デビュー。翌日6日には本来、所属先の法政大が関東大学リーグ2部開幕節・関東学院大戦を控えていることから、大学での活動と引き換えに合流させてもらった横浜FMでの活動にかける思いを強く持っている。
「この時期にマリノスに参加させてもらっている以上は試合に出て活躍していかないといけないというのは自分の中ですごく考えているところ。その意志だったり試合に対する気持ちは変化してきているので、次の試合も出られるようにやっていくしかない」
「法政の活動がある中でマリノスに参加させてもらっているので、ここで感じたことをしっかり法政に還元していく責任がある。ここで自分が天狗になるのではなく、地に足をつけて自分が一番泥臭くやるくらいじゃないと成長できない。自分にしっかりベクトルを向けて頑張っていきたい」
そんな大学生活もここまでは順風満帆なものではなく、味わった葛藤もキャリアの大きな糧となっている。ルーキーイヤーの一昨季は代表活動と並行して戦った関東大学リーグ1部で17試合に出場し、うち12試合は先発出場だったが、2部に降格した昨季は代表活動なしで先発は10試合のみ。プレータイムが伸びずに悔しい経験をしていた。
しかし、そうした日々が転機となったという。「法政で試合に出られていない期間に自分がどうなりたいかということをいろいろと考えて、自分がどうやっていくかしかないというマインドになれた」。かつてはU-20日本代表で共に戦った同世代のDF高井幸大(川崎F)らの活躍に触れて「自分と同年代の選手がJの試合に出たり活躍しているのを見て、自分で劣等感を抱いたり焦りがあった」というが、「今は自分にベクトルを向けてやれている」と精神面で成長。そうした歩みが古巣内定につながっていた。
だからこそ、J1デビューを経ても「周りがどうとかではなく、自分のサッカー人生に目を向けてこれからもやっていけたら」と慢心するつもりはない。これまでJリーグで活躍する同世代を見上げてきた一方、大学進学組では早期のJデビューとなったが、ここからさらに基準を上げていく構え。まずは降格圏に沈む横浜FMの低迷脱却の力となるべく、「しっかりとチームの一員として、自分が結果を残してチームを勝たせる強い意志を持ってやっていきたい」と力を込めた。
(取材・文 竹内達也)
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●2025シーズンJリーグ特集
0-0で迎えた後半40分、勝負のかかったタイミングで出番は訪れた。横浜F・マリノスに特別指定選手として登録されている法政大MF松村晃助(20)がJ1第9節・東京V戦でJ1デビュー。同44分に積極的な仕掛けからシュートを放つなど、トップ下のポジションでチームに勢いをもたらした。
「試合終盤の時間帯でオープンになっている状況だったので結果にこだわって試合に入ったし、チームとして何がなんでも1点取って、チームの勝利に貢献するんだという強い意志を持って試合に入った」
舞台は小さい頃からアカデミーの選手として憧れを抱き、サポーターの一人として通っていた日産スタジアム。ただ、すでにプロ選手になることが決まっている立場として、憧れの場に立つという栄誉以上に、愛するクラブを勝たせるという役目を背負ってピッチに立った。
その闘志が表れたのは4分後だった。「狭いエリアでのファーストタッチ、ターンして前を向くところは得意としているプレーでもあるし、一つ出せたのは良かった」。MFジャン・クルードからの縦パスをバイタルエリアで受けると、鋭いターンからペナルティエリア内に持ち運び、右足一閃。しかし、シュートはDF谷口栄斗にブロックされた。
そのまま試合は0-0でタイムアップ。「小さい頃から足を運んでいた日産スタジアムでデビューすることができて率直に嬉しい気持ちと、チームを勝たせられなかったことで悔しい気持ちがある」。試合後、取材エリアで複雑な思いを明かした20歳は「点につなげるところが自分の課題。結果を残すところにもっともっとフォーカスしてやっていきたい」と力を込めた。
2004年生まれの松村は、23年のU-20W杯に出場した実績を持つMF。法政大3年進級を間近に控えた今年2月、小学3年生から高校まで在籍していた横浜FMに27年から加入することが決まり、今季からJリーグ公式戦に出場できる特別指定選手として登録されている。
Jリーグでのベンチ入りは開幕節・新潟戦、前節・名古屋戦に続いて3試合目で、この日が待望のJ1デビュー。翌日6日には本来、所属先の法政大が関東大学リーグ2部開幕節・関東学院大戦を控えていることから、大学での活動と引き換えに合流させてもらった横浜FMでの活動にかける思いを強く持っている。
「この時期にマリノスに参加させてもらっている以上は試合に出て活躍していかないといけないというのは自分の中ですごく考えているところ。その意志だったり試合に対する気持ちは変化してきているので、次の試合も出られるようにやっていくしかない」
「法政の活動がある中でマリノスに参加させてもらっているので、ここで感じたことをしっかり法政に還元していく責任がある。ここで自分が天狗になるのではなく、地に足をつけて自分が一番泥臭くやるくらいじゃないと成長できない。自分にしっかりベクトルを向けて頑張っていきたい」
そんな大学生活もここまでは順風満帆なものではなく、味わった葛藤もキャリアの大きな糧となっている。ルーキーイヤーの一昨季は代表活動と並行して戦った関東大学リーグ1部で17試合に出場し、うち12試合は先発出場だったが、2部に降格した昨季は代表活動なしで先発は10試合のみ。プレータイムが伸びずに悔しい経験をしていた。
しかし、そうした日々が転機となったという。「法政で試合に出られていない期間に自分がどうなりたいかということをいろいろと考えて、自分がどうやっていくかしかないというマインドになれた」。かつてはU-20日本代表で共に戦った同世代のDF高井幸大(川崎F)らの活躍に触れて「自分と同年代の選手がJの試合に出たり活躍しているのを見て、自分で劣等感を抱いたり焦りがあった」というが、「今は自分にベクトルを向けてやれている」と精神面で成長。そうした歩みが古巣内定につながっていた。
だからこそ、J1デビューを経ても「周りがどうとかではなく、自分のサッカー人生に目を向けてこれからもやっていけたら」と慢心するつもりはない。これまでJリーグで活躍する同世代を見上げてきた一方、大学進学組では早期のJデビューとなったが、ここからさらに基準を上げていく構え。まずは降格圏に沈む横浜FMの低迷脱却の力となるべく、「しっかりとチームの一員として、自分が結果を残してチームを勝たせる強い意志を持ってやっていきたい」と力を込めた。
(取材・文 竹内達也)
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