beacon

「練習では自分が一番点を取っている」広島18歳FW井上愛簾が今季初出場、負傷者続くチームの救世主に「勝ちたい気持ちしかない」

ポスト
Xに投稿
Facebookでシェア
Facebookでシェア
URLをコピー
URLをコピー
URLをコピーしました

FW井上愛簾

[4.25 J1第12節 浦和 1-0 広島 埼玉]

 サンフレッチェ広島の18歳FW井上愛簾が25日、J1第12節・浦和戦で後半37分からピッチに立ち、待望の今季初出場を果たした。チーム内でMFトルガイ・アルスラン、MF中島洋太朗、FWヴァレール・ジェルマン、MF前田直輝と攻撃陣の負傷者が相次ぐなか、ようやく巡ってきた出番。クラブ期待の18歳は「勝ちたいという気持ちしかない。とにかくチームの勝利に貢献できれば」と奮起に燃えている。

 井上は広島ユース在籍中の昨年4月にプロ契約を交わし、昨季も2種登録選手としてJ1リーグ戦4試合に出場していたストライカー。今季はシーズン序盤にU-20日本代表の一員としてAFC U20アジアカップに出場していたことで、控え選手のアピールの場となったAFCチャンピオンズリーグ2(AFC2)で出番を得られなかった影響もあり、ここまでは公式戦4試合にベンチ入りしながらも出場機会がなかった。

 それだけにピッチに立つことへのモチベーションは大きかった。チームは直近2試合で連敗しており、この日も後半12分の先制被弾で1点を追う状況。「今日に関しては本当にチャンスが来ると思っていたし、外から見ていて、先制点を取られて『今日もか……』みたいな雰囲気だったので自分としても熱が入っていた。そこで投入されて気持ちが入った」(井上)。後半37分からの出場という限られた時間ではあったが、気持ちは大いに燃えていた。

 託されたのは新布陣の3-5-2の前線の一角。大きな見せ場は後半43分に訪れた。味方が左サイドから浦和陣内に攻め込むと、井上はボールの前進に合わせてペナルティエリア内へ。最後は浦和MFサミュエル・グスタフソンの背後を取り、MF田中聡のピンポイントパスをフリーで受けられる局面に持ち込んだ。

 しかし、最初のトラップがうまくいかなかった。「テンポの速い崩しだったので中が見られず、タッチが悪くなってしまった。そこで顔を振れれば状況が変わっていたと思う」。すぐに身体の向きを整えてクロスを送ったが、そこはすでに浦和DFダニーロ・ボザのカバーエリア内。浮いたボールがGK西川周作に処理され、「その後のクロスもしっかりチャンスにつなげたかった」と悔やむしかなかった。

後半43分、見せ場のクロスが阻まれた

 それでもこの約10分間は、出場機会に飢える若者にとって大きな一歩となった。

「怪我人が出てきてメンバーに入れているのもあるので、こういう期間に、チームが苦しいなか、ベンチの選手であったり、今までベンチに入れていなかった選手がどれだけチームを変えられるようなプレーができるかが大事だと思う。今日は一つのきっかけになったし、次の試合ももうすぐあるので、そこにしっかり向き合っていきたい」(井上)

 負傷者の復帰には時間がかかるとみられるなか、チームはここから中3日間隔の4連戦。「まずは今季初めての試合だったということでこれから上げていくしかないし、いまのチームの状況を考えたら勝ちたいという気持ちしかない。とにかくチームの勝利に貢献できるようなプレーができれば」との言葉どおり、下を向いている暇はない。

 昨季よりも激しさを増したポジション争いに挑んだ経験も、その中で学んだことも、いまの井上の大きな財産となっている。

「いろんな選手を補強して(前田)直輝くんだったらテクニックはあるし、ジェルマンは中盤に落ちてきてはたくのも上手いし、ジャメくん(ジャーメイン良)は相手を背負って決められるし、その中で自分がどういったところで違いを見せられるかを考えた時、練習では間違いなく自分が一番点を取っているという自信があるので、ゴールというところで自分を出していきたいとあらためて思った」

「でも試合でゴールというのは簡単なことではないので、ゴールができない時にも何ができるか、自分には何があるのかということも考えてきた。そこで守備であったり、背後への動きだったりというところでもチームに貢献できたらいいと思った。そういう答えが出た中で今日の試合に入って、点はなかったけど、守備や背後への動きは何回か見せられたと思うので、それをもっとチャンスにつなげられるようにしていきたい」

 まずは限られた出場時間から爪痕を残していく構えだ。「まずはチームの勝ち点3に重きを置いてやっていきたいし、その中に自分が貢献できれば一番いい。途中からにはなると思うけど、どの試合でも途中から出てきた選手が大事になるし、結果を左右する存在だと思っているので、自分が出た時にチームの勝利に貢献できるようにやっていければ」。前半戦の鍵を握るゴールデンウィーク連戦。18歳のストライカーが苦しむチームの救世主となる。

(取材・文 竹内達也)

★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
●2025シーズンJリーグ特集
竹内達也
Text by 竹内達也

「ゲキサカ」ショート動画

TOP