努力を積み重ねてきた結果の2試合連続スタメンも「自分が情けない」。新潟FW笠井佳祐が追い求めるのは自身の成長とサポーターと分かち合うオレンジの笑顔
2試合連続スタメンで奮闘した新潟FW
[5.18 J1第17節 岡山 2-1 新潟 JFEス]
ルーキーだからとか、チームが難しい状況にあるとか、そんなことは関係ない。とにかく悔しい。自分がプロの舞台で力を出し切れないことも、勝利という結果を手繰り寄せられないことも。だから、やる。やり続ける。みんなにもっと認めてもらえるように。そして、多くの人へもっと笑顔を届けられるように。
「本当に自分が情けないですね。もっともっと頭で考えてやらなきゃいけない部分もありましたし、自分のところで1つ起点を作れれば、今日の展開も違ったと思うので、そういったところでも改善点だらけですし、自分が得意としている部分もあまり出せなかったので、もっともっとやらなきゃなと思っています」。
ここ2試合はスタメン起用が続く、アルビレックス新潟期待の大卒ルーキー。MF笠井佳祐は目の前にある課題と真摯に向き合いながら、オレンジのサポーターと喜び合う日のために、自身のさらなる成長をひたすら追い求めていく。
「今日は全然ダメだったなと思います」。試合直後の笠井は、そう言葉を紡ぎながら唇を噛む。3試合ぶりの勝利を目指して、ファジアーノ岡山のホーム・JFE晴れの国スタジアムに乗り込んだJ1第17節。46番を背負ったルーキーの笠井は、前節の浦和レッズ戦に続いてスタートからピッチへ送り出される。
「その時その時に足りない部分を練習して、やり続けてきたからこそ、今は試合に出られていると思っています」と本人も言及するように、一歩ずつ、一歩ずつ、その存在感を高めてきた。開幕からは6試合続けてメンバー外。3月20日のルヴァンカップ1回戦・ヴァンラーレ八戸戦で今季公式戦初出場を果たすと、29日の第7節・ガンバ大阪戦で初めてリーグ戦のベンチに入り、後半アディショナルタイムにJ1デビューを飾る。
以降はリーグ戦でも途中出場を重ね、4月9日のルヴァンカップ2回戦・松本山雅FC戦では今季初スタメンを飾ったうえに、プロ初ゴールも記録。29日の第13節・サンフレッチェ広島戦ではリーグ初先発に抜擢され、その4日後にビッグスワンで行われた第14節・FC東京戦では交代出場からJ1初ゴールも奪ってみせる。
だが、笠井は点を獲っただけで満足するようなタイプではない。「展開的に0-2だったので、『どうにか流れを変えてやろう』と思って入った中で、自分の前にボールが転がってきたので、凄くラッキーだったなと思います。でも、あの試合もヘディングで決められるシーンもありましたし、もっと細部にこだわってやっていきたいです」。常にベクトルを自分に向けるスタンスは、高校時代から何ひとつ変わっていない。
リーグ戦での2試合連続スタメンはこれが初体験。もちろん笠井も十分に気合を入れて試合に入ったものの、序盤から岡山にボールを動かされ、守備の時間を長く強いられる中で、10分にはセットプレーから失点。15分には長谷川元希が同点弾を叩き込んでも、ゲームリズムを引き寄せ切れない。
もちろん本人もやるべきことはわかっていた。「1つ前の試合の浦和戦の時もそうですけど、自分のところで収めて時間を作って、1本のパスを繋げれば違う展開が作れると思うんですけど、それがここ2試合はできなかったです」。
求められるのは前線に入ってきたボールを収め、味方の上がってくる時間を作ること。とはいえ、もともとポストプレーヤータイプではなく、2列目から飛び出していく部分にストロングを有しているうえに、入ってくるのもややシビアなボールが大半。それでも、本人に言い訳する気持ちは微塵もない。
「ここ2試合は自分の課題が顕著に出ていますね。大学の時はああやって背負うプレーはしてこなかった中で、今は一番前で使ってもらっているからこそ、求められるプレーをしないといけないと思いますし、もっと成長していかないといけないと思います」。
さらに痛感しているのは、プロのディフェンダーたちと対峙するうえでの、先発出場と途中出場の違いだという。「途中交代で入る時はパワーを持って行けたり、ゴールに近いところでチャンスを作り出せてはいますけど、先発で出た試合ではなかなかそういうシーンを作れていないので、相手が100パーセントの力を出せる状態の時でもやれないといけないと思いますし、もっとゴール前で迫力を持って背負ったりできないと、J1の舞台で活躍するのはなかなか厳しいのかなと感じているので、そこももっとやっていかないといけないと思います」。
結果的に笠井が交代で下がるのとほぼ同じタイミングの後半13分に、PKで奪われた2失点目が決勝点となり、新潟は1-2で敗戦。「自分としてもまたここでもう1つ壁にぶつかっているので、ちゃんと試合を見返して、成長に繋げられるようにとは思います」。試合に出るフェーズから、試合で活躍するフェーズへ。22歳のさらなる進化は、苦しむチームが浮上するためには必要不可欠だ。
オレンジのユニフォームに袖を通し、ビッグスワンのピッチに立つ機会が増えてきたからこそ、やはり一番強く感じているのは、いつでも声援を送り続けてくれるサポーターの存在の大きさだ。
「去年はスタンドの上から見る試合が多くて、『自分も早くこの中で試合したいな』と思っていたので、あれだけのサポーターの中でプレーできることは凄く幸せなことですよね。ただ、まだホームで勝てていないので、少しでも早く勝って、早くみんなで喜びたいです」。
「個人としてはルーキーイヤーで、凄く充実した毎日を送らせてもらっている中で、なかなか結果が出ていないので、苦しいところもありますけど、今日もこの岡山まであれだけのサポーターの方が来てくれている中でふがいない試合だったので、早く自分のゴールでみんなと勝利を喜べたらいいなって。サポーターの方々には毎試合応援していただいて、もっともっとやらなきゃいけないなと思わせてくれる存在ですし、ここからたくさん勝って、どんどん上に行って、みんなで笑える試合を1つでも多く届けられたらいいなと思っています」。
ルーキーだからとか、チームが難しい状況にあるとか、そんなことは関係ない。戦う。走る。もっと、もっと、成長する。そして、オレンジのスタンドを自分のゴールで沸騰させて、試合後にオレンジの笑顔をみんなにもたらす。笠井佳祐の決意は、固く、強く、揺るがない。
(取材・文 土屋雅史)
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ルーキーだからとか、チームが難しい状況にあるとか、そんなことは関係ない。とにかく悔しい。自分がプロの舞台で力を出し切れないことも、勝利という結果を手繰り寄せられないことも。だから、やる。やり続ける。みんなにもっと認めてもらえるように。そして、多くの人へもっと笑顔を届けられるように。
「本当に自分が情けないですね。もっともっと頭で考えてやらなきゃいけない部分もありましたし、自分のところで1つ起点を作れれば、今日の展開も違ったと思うので、そういったところでも改善点だらけですし、自分が得意としている部分もあまり出せなかったので、もっともっとやらなきゃなと思っています」。
ここ2試合はスタメン起用が続く、アルビレックス新潟期待の大卒ルーキー。MF笠井佳祐は目の前にある課題と真摯に向き合いながら、オレンジのサポーターと喜び合う日のために、自身のさらなる成長をひたすら追い求めていく。
「今日は全然ダメだったなと思います」。試合直後の笠井は、そう言葉を紡ぎながら唇を噛む。3試合ぶりの勝利を目指して、ファジアーノ岡山のホーム・JFE晴れの国スタジアムに乗り込んだJ1第17節。46番を背負ったルーキーの笠井は、前節の浦和レッズ戦に続いてスタートからピッチへ送り出される。
「その時その時に足りない部分を練習して、やり続けてきたからこそ、今は試合に出られていると思っています」と本人も言及するように、一歩ずつ、一歩ずつ、その存在感を高めてきた。開幕からは6試合続けてメンバー外。3月20日のルヴァンカップ1回戦・ヴァンラーレ八戸戦で今季公式戦初出場を果たすと、29日の第7節・ガンバ大阪戦で初めてリーグ戦のベンチに入り、後半アディショナルタイムにJ1デビューを飾る。
以降はリーグ戦でも途中出場を重ね、4月9日のルヴァンカップ2回戦・松本山雅FC戦では今季初スタメンを飾ったうえに、プロ初ゴールも記録。29日の第13節・サンフレッチェ広島戦ではリーグ初先発に抜擢され、その4日後にビッグスワンで行われた第14節・FC東京戦では交代出場からJ1初ゴールも奪ってみせる。
だが、笠井は点を獲っただけで満足するようなタイプではない。「展開的に0-2だったので、『どうにか流れを変えてやろう』と思って入った中で、自分の前にボールが転がってきたので、凄くラッキーだったなと思います。でも、あの試合もヘディングで決められるシーンもありましたし、もっと細部にこだわってやっていきたいです」。常にベクトルを自分に向けるスタンスは、高校時代から何ひとつ変わっていない。
リーグ戦での2試合連続スタメンはこれが初体験。もちろん笠井も十分に気合を入れて試合に入ったものの、序盤から岡山にボールを動かされ、守備の時間を長く強いられる中で、10分にはセットプレーから失点。15分には長谷川元希が同点弾を叩き込んでも、ゲームリズムを引き寄せ切れない。
もちろん本人もやるべきことはわかっていた。「1つ前の試合の浦和戦の時もそうですけど、自分のところで収めて時間を作って、1本のパスを繋げれば違う展開が作れると思うんですけど、それがここ2試合はできなかったです」。
求められるのは前線に入ってきたボールを収め、味方の上がってくる時間を作ること。とはいえ、もともとポストプレーヤータイプではなく、2列目から飛び出していく部分にストロングを有しているうえに、入ってくるのもややシビアなボールが大半。それでも、本人に言い訳する気持ちは微塵もない。
「ここ2試合は自分の課題が顕著に出ていますね。大学の時はああやって背負うプレーはしてこなかった中で、今は一番前で使ってもらっているからこそ、求められるプレーをしないといけないと思いますし、もっと成長していかないといけないと思います」。
さらに痛感しているのは、プロのディフェンダーたちと対峙するうえでの、先発出場と途中出場の違いだという。「途中交代で入る時はパワーを持って行けたり、ゴールに近いところでチャンスを作り出せてはいますけど、先発で出た試合ではなかなかそういうシーンを作れていないので、相手が100パーセントの力を出せる状態の時でもやれないといけないと思いますし、もっとゴール前で迫力を持って背負ったりできないと、J1の舞台で活躍するのはなかなか厳しいのかなと感じているので、そこももっとやっていかないといけないと思います」。
結果的に笠井が交代で下がるのとほぼ同じタイミングの後半13分に、PKで奪われた2失点目が決勝点となり、新潟は1-2で敗戦。「自分としてもまたここでもう1つ壁にぶつかっているので、ちゃんと試合を見返して、成長に繋げられるようにとは思います」。試合に出るフェーズから、試合で活躍するフェーズへ。22歳のさらなる進化は、苦しむチームが浮上するためには必要不可欠だ。
オレンジのユニフォームに袖を通し、ビッグスワンのピッチに立つ機会が増えてきたからこそ、やはり一番強く感じているのは、いつでも声援を送り続けてくれるサポーターの存在の大きさだ。
「去年はスタンドの上から見る試合が多くて、『自分も早くこの中で試合したいな』と思っていたので、あれだけのサポーターの中でプレーできることは凄く幸せなことですよね。ただ、まだホームで勝てていないので、少しでも早く勝って、早くみんなで喜びたいです」。
「個人としてはルーキーイヤーで、凄く充実した毎日を送らせてもらっている中で、なかなか結果が出ていないので、苦しいところもありますけど、今日もこの岡山まであれだけのサポーターの方が来てくれている中でふがいない試合だったので、早く自分のゴールでみんなと勝利を喜べたらいいなって。サポーターの方々には毎試合応援していただいて、もっともっとやらなきゃいけないなと思わせてくれる存在ですし、ここからたくさん勝って、どんどん上に行って、みんなで笑える試合を1つでも多く届けられたらいいなと思っています」。
ルーキーだからとか、チームが難しい状況にあるとか、そんなことは関係ない。戦う。走る。もっと、もっと、成長する。そして、オレンジのスタンドを自分のゴールで沸騰させて、試合後にオレンジの笑顔をみんなにもたらす。笠井佳祐の決意は、固く、強く、揺るがない。
(取材・文 土屋雅史)
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