JFA審判委、横浜FMの浦和戦PK獲得シーンで“オフサイド見逃し”認める「非常に重く受け止めている」
日本サッカー協会(JFA)審判委員会は12日、都内でメディア向けのレフェリーブリーフィングを開催した。J1第34節の横浜F・マリノス対浦和レッズについて、横浜FMがPKを獲得した場面でオフサイドの見逃しがあったことを認め、「我々としては正しい判定ができなかったことに対して非常に重く感じているし、ここに関わった審判員だけでなく、我々とJ1に関わっている審判員の全員が非常に重く受け止めている」と話した。
この試合の前半42分、横浜FMの右サイドからのFKでDF角田涼太朗がゴール前に飛び込むと、GK牲川歩見がキャッチミスしたボールは角田の頭に当たってDFジェイソン・キニョーネスのもとへ溢れる。キニョーネスはボールに触れた直後にDF石原広教から左足を蹴られてPKを獲得した。
もっとも角田の頭にボールが当たったとき、キニョーネスは明らかなオフサイドポジションだった。しかしVARからの介入はなくオフサイドが見逃されてPKで確定。これをMFジョルディ・クルークスが決めて3-0とし、横浜FMは最終的に4-0の快勝を収めた。
佐藤隆治JFA審判マネジャーはまず石原のファウルについて「ディフェンスからすると蹴ってやろうという意識はないけれど、マリノスのアタッカーがボールをコントロールした後に後ろから蹴っている」として判定を支持。角田とGK牲川の間にも接触があったが、GKがボールをこぼした後であること、そして接触の強度の点から「サッカーで起きうるコンタクト」として牲川に対するファウルを取らなかったことも支持した。
ただ、VARはPKまでの一連の流れをチェックする中、FKが蹴られた際のオフサイドの可能性と角田がGKに対するファウルをしていたかに集中し、キニョーネスのオフサイドを見逃していた。ゴール前の混戦でGKのこぼしたボールが偶然角田の頭に当たる形の予測が難しいものだったことから、ピッチ上でも角田の頭にボールが当たった事実を掴めなかった。そのため主審や副審からVARに対し、キニョーネスにオフサイドの可能性があることも伝えられなかったという。
「現場(ピッチ上)でその可能性を感じていればVARに伝えることはできたかもしれないが、それが現場ではできなかった。ただ、やっぱりそれ(ミス)を防ぐのがVAR」
「(VARは)最初のFKでのオフサイドとGKに対する反則があるか、そして最後のPKかというイベントが一個ずつパッと出てくると思うけど、点じゃなくて(一連の流れの)線で見ていかないと頭に当たった事実は掴めない」
そう話す佐藤氏は再発防止のため、VARは引きの映像を見てチェックすべきと感じた場面のみにフォーカスするのではなく、チェック対象範囲のプレー全体を丁寧に確認することを求め、「オフサイドがないか、ファウルがないかというのを一個ずつ声で言って、何か見落としているものがないかをリマインドしながら見ていかなければいけない」とVARチェックの反省点を指摘した。
JFA審判委員会は今回の事象をすぐにJリーグ担当審判員全体に共有し、オンラインでの研修会も実施。浦和側からの異議はなかったというが、クラブにも話をした。
Jリーグ担当審判員には「VARシステムがある中でこれは絶対に避けなければいけない」と伝えるとともに、「予測できないもの、(事実を)掴めていないものに対していかにアラートを鳴らすかを突き詰めていくしかない」として慎重な確認を要請。今月1日のルヴァンカップ決勝ではそうしたことも影響してか、VARチェックに少し時間を要していたようだ。
なお、この試合の後半にはMF金子拓郎が副審の胸を押して一発退場となり、Jリーグ規律委員会から4試合出場停止処分が下された。JFA審判委員会は処分の決定に関与していないことを説明しながら、退場に相当する行為だと言及。その一方、SNS上などでは副審から金子に近づいたことを指摘する声もあり、「今回のことが何か(適切ではなかったか)とは思わないが、どういうふうに立ち振る舞うか、どうやって見られるかをもっと考えていかないといけない」と審判員に伝えたことを報告した。
(取材・文 加藤直岐)
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この試合の前半42分、横浜FMの右サイドからのFKでDF角田涼太朗がゴール前に飛び込むと、GK牲川歩見がキャッチミスしたボールは角田の頭に当たってDFジェイソン・キニョーネスのもとへ溢れる。キニョーネスはボールに触れた直後にDF石原広教から左足を蹴られてPKを獲得した。
もっとも角田の頭にボールが当たったとき、キニョーネスは明らかなオフサイドポジションだった。しかしVARからの介入はなくオフサイドが見逃されてPKで確定。これをMFジョルディ・クルークスが決めて3-0とし、横浜FMは最終的に4-0の快勝を収めた。
佐藤隆治JFA審判マネジャーはまず石原のファウルについて「ディフェンスからすると蹴ってやろうという意識はないけれど、マリノスのアタッカーがボールをコントロールした後に後ろから蹴っている」として判定を支持。角田とGK牲川の間にも接触があったが、GKがボールをこぼした後であること、そして接触の強度の点から「サッカーで起きうるコンタクト」として牲川に対するファウルを取らなかったことも支持した。
ただ、VARはPKまでの一連の流れをチェックする中、FKが蹴られた際のオフサイドの可能性と角田がGKに対するファウルをしていたかに集中し、キニョーネスのオフサイドを見逃していた。ゴール前の混戦でGKのこぼしたボールが偶然角田の頭に当たる形の予測が難しいものだったことから、ピッチ上でも角田の頭にボールが当たった事実を掴めなかった。そのため主審や副審からVARに対し、キニョーネスにオフサイドの可能性があることも伝えられなかったという。
「現場(ピッチ上)でその可能性を感じていればVARに伝えることはできたかもしれないが、それが現場ではできなかった。ただ、やっぱりそれ(ミス)を防ぐのがVAR」
「(VARは)最初のFKでのオフサイドとGKに対する反則があるか、そして最後のPKかというイベントが一個ずつパッと出てくると思うけど、点じゃなくて(一連の流れの)線で見ていかないと頭に当たった事実は掴めない」
そう話す佐藤氏は再発防止のため、VARは引きの映像を見てチェックすべきと感じた場面のみにフォーカスするのではなく、チェック対象範囲のプレー全体を丁寧に確認することを求め、「オフサイドがないか、ファウルがないかというのを一個ずつ声で言って、何か見落としているものがないかをリマインドしながら見ていかなければいけない」とVARチェックの反省点を指摘した。
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Jリーグ担当審判員には「VARシステムがある中でこれは絶対に避けなければいけない」と伝えるとともに、「予測できないもの、(事実を)掴めていないものに対していかにアラートを鳴らすかを突き詰めていくしかない」として慎重な確認を要請。今月1日のルヴァンカップ決勝ではそうしたことも影響してか、VARチェックに少し時間を要していたようだ。
なお、この試合の後半にはMF金子拓郎が副審の胸を押して一発退場となり、Jリーグ規律委員会から4試合出場停止処分が下された。JFA審判委員会は処分の決定に関与していないことを説明しながら、退場に相当する行為だと言及。その一方、SNS上などでは副審から金子に近づいたことを指摘する声もあり、「今回のことが何か(適切ではなかったか)とは思わないが、どういうふうに立ち振る舞うか、どうやって見られるかをもっと考えていかないといけない」と審判員に伝えたことを報告した。
(取材・文 加藤直岐)
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