beacon

地元開催で貫くのは「楽しくやろうぜ」のマインドで志す超攻撃的サッカー!尚志は「クーリングブレイク後」の3発で初出場・初戦突破の寒川に快勝!

ポスト
Xに投稿
Facebookでシェア
Facebookでシェア
URLをコピー
URLをコピー
URLをコピーしました

尚志高は地元開催の初戦で4発快勝!

[7.27 インターハイ2回戦 尚志高 4-1 寒川高 Jヴィレッジスタジアム]

 とにかくサッカーを楽しむ。簡単なようでいて、難しいことではあるけれど、もうそっちに振り切って戦うと決めた。攻撃も、守備も、アグレッシブに。攻められたら、攻め返せばいい。点を獲られたら、獲り返せばいい。どんな相手にも、どんな試合でも、その姿勢を貫いてやる。

「初戦としては全然合格というか、もう今年のテーマは『楽しくやろうぜ』ということを言っているので、攻撃的なサッカーをやって、何点獲られても、それ以上獲ればいいと言っていますし、立ち上がりはちょっと慎重だったと思うんですけど、よくゴールを獲りに行ってくれたなと思います」(尚志高・仲村浩二監督)

 一気にアクセルを踏んで、クーリンブレイク後に3得点!令和7年度全国高校総体(インターハイ)男子サッカー競技は27日に2回戦を行い、地元開催に燃える尚志高(福島1)と初出場で初戦突破を果たした寒川高(香川)が対峙した一戦は、尚志が4-1で快勝を収めている。29日の3回戦では桐光学園高(神奈川1)と対戦する。


「思ったより相手が引いてきたので、背後のスペースがない分、やりづらさはありましたね」と尚志を率いる仲村浩二監督が話したように、立ち上がりから寒川はある程度ブロックを作って、そこからのカウンターを狙う展開に。右からDF吉村拓大(3年)、DF伊藤環美(3年)、DF大鋸蒼太朗(3年)、キャプテンのDF藤原康騎(3年)が並んだ4バックを中心に、相手のアタックを丁寧に凌いでいく。

 0-0で迎えた前半のクーリングブレイク。「飲水が2回あるので、試合を4分割に分けて、その1回1回で集中を途切れさせずに、飲水前の課題で出たところをきっちり整理して、改善することを考えていました」と語った尚志のキャプテンを務めるDF西村圭人(3年)は続けて、その時の指揮官の言葉をこう明かす。「監督からも『最初の1分で必ず1点獲れ』というふうに言われました」。

 クーリングブレイク明けから、ほぼ1分後の24分。尚志は細かいパスワークからDF榎本司(3年)、MF若林衣武希(2年)とボールが回り、FW根木翔大(3年)が打ち切ったシュートは、左ポストを叩きながらゴールへと転がり込む。「飲水に入った時に、監督から『飲水明けの1分で点を獲れ』と言われていたので、もう振っちゃえと思って、振ったらうまく入りました」と笑ったストライカーの一撃。1-0。尚志が先制点を奪う。



 一度火が付いた勢いは止まらない。27分。右サイドをMF臼井蒼悟(3年)が鋭いドリブルでえぐり切り、中央へ折り返すと、巧みなポジショニングでフリーになった根木が、「ボールが来たらワンタッチで振ろうというのは決めていた」とニアでフィニッシュ。ボールは豪快にゴールネットへ突き刺さる。2-0。尚志がリードを広げる。



 35+1分。左サイドへ展開した攻撃の流れから、DF木村心貴(3年)が残したボールにいち早く反応したのは、13得点を挙げてプリンスリーグ東北の得点ランキングトップを走るMF田上真大(3年)。頭で浮かせたボールは、ゆっくりとゴールネットへ吸い込まれる。「1点獲ってからの崩しは凄く良くなったかなと。狙い通りのサッカーができたかなと思います」(仲村監督)。3-0。尚志が大きなアドバンテージを握って、最初の35分間は終了した。


 3点を追い掛ける寒川も、諦める気持ちは毛頭ない。後半開始早々にはこの試合最初のCKを獲得。MF西蓮翔(1年)がショートで蹴り出し、MF加藤優咲(3年)が入れたクロスはDFのクリアに遭ったものの、以降も西とMF下川晴路(3年)のドイスボランチがセカンド回収に奔走し、右のMF山田庸介(3年)、左の加藤の両サイドハーフ、2トップのFW奥和真(3年)、FW渋谷丈慈(3年)の前線4枚もボールを引き出すべく、足を止めずに走り続ける。

 すると、後半14分には寒川にビッグチャンス。左サイドで相手のミスを突いた奥が抜け出し、GKと1対1から決定的なシュートを放つも、ここは尚志のGK門井宏樹(3年)がファインセーブで回避したものの、あわやというシーンを創出する。

寒川もキャプテンの藤原康騎を中心に粘り強く戦った


 尚志はMF小曽納奏(3年)が、DF松澤琉真(3年)と西村の両センターバックの間に落ちる可変気味のシステムの中で、中盤に入ったMF阿部大翔(3年)も中央に穴を開けず、ピッチ全体の好バランスをキープ。さらに交代カードも使いながら、着実に時計の針を進めていく。

 35+2分。尚志に追加点が入る。途中出場のMF日比野修吾(3年)がパスを繋ぎ、臼井は果敢なドリブルから右足一閃。軌道はゴールネットへ到達する。「後半は最後の力が相手にあったので、そういうところは全国に出るチームの凄さだなと思っていました」と仲村監督も認めたように、寒川の守備に苦しみながらも、きっちり4点目を奪い切る。

尚志は臼井蒼悟(7番)がチーム4点目をゲット!


 35+3分。寒川の歓喜が弾ける。左サイドで手にしたCK。西が丁寧に蹴り込んだキックに、ファーサイドで合わせた下川のヘディングは、きっちりゴールネットへ届く。初戦は0-0からPK戦で勝利を収めたため、これが彼らにとってはインターハイの初ゴール。最後の最後で寒川も意地を見せたものの、ファイナルスコアは4-1。チームのクオリティの高さを発揮した尚志が、初戦突破を果たす結果となった。


寒川は下川晴路(4番)が一矢を報いる意地のゴール!


「とにかく福島県でやれるというメリットがあるので、見ている人もやっている選手も楽しいサッカーをやれればいいなと。攻撃的に行こうと。それだけを目指しました」。試合後に尚志の仲村監督はそう言い切っている。

 さらに続いた言葉を聞くと、今シーズンのチームには、とりわけ選手たちと一緒に築き上げているという手応えがあるようだ。

「選手の独自的な発想もどんどん採り入れていますし、やりたいサッカーを選手たちと一緒にやっているので、選手たちも厳しい練習をしても文句が言えないような状況ですし、『こういうチームになりたい』というイメージを持ったうえで、それを一緒にやっているので、今は本当に良い形でできています。あとは、選ばれた人間の責任というところで、『100人以上の試合に出れないメンバーがいるのだから、そこの責任をもってしっかり戦わないといけないね』と選手たちには言っています」。

 昨年はプレミアリーグから無念の降格を喫しているが、どうしても残留を意識するあまり、守備に軸足を置かざるを得なかったことに、指揮官は悔しさが残っているという。だからこそ、あのステージに戻り、あのステージで攻撃的に戦うことを目標に、今年のチームはアグレッシブさを膨らませて、継続しているというわけだ。

 加えて、地元の福島で開催されるインターハイという側面は、尚志にとって絶対に語り落とせない。

「地元開催ということもあって、福島は震災でいろいろな影響が出てしまったので、その地元の人たちに、自分たちが一戦一戦しっかり戦う姿というのを見せられたらいいなと思って戦っています」(西村)「監督もずっと言っているんですけど、震災があって、大変な想いをした人がたくさんいる中で、最終的には優勝するということが、福島県民のみなさんに一番勇気と希望を与えられるかなと思うので、福島の人のためにも一戦必勝で勝ち上がっていけたらなと思います」(根木)

 優勝を目指して挑んでいる晴れ舞台への強い意気込みを、改めて西村が口にする。「去年はプレミアリーグでやっていて、先輩たちの悔しい想いも見てきた中で、インターハイは全国の方々に見てもらえる機会なので、ここで自分たちの力を示したいなという想いはあります」。

 楽しく、アグレッシブに、攻撃的なサッカーを披露して、頂へとたどり着く。戴冠への準備は整った。地元開催の大会で、県勢初の日本一へ。尚志が力強く踏み出した、真夏の福島を席巻する行進は、果たしてどこまで。



【PR】ニューバランスフットボールから 「TEKELA ELITE HG」がバージョンアップして登場!


 ボールをコントロールするプレーヤーに向けて設計されたコントロールモデル「TEKELA」トップモデルがv5へと進化。軽量マイクロファイバーとグリップ加工で直感的なタッチを実現し、一体型ニットカラーが足首を包み込むようにフィット。さらに改良されたナイロンアウトソールが360度のトラクションで加速をサポートする一足となっている。

「FURON」「442」とともに、それぞれの最新カラーや最新シリーズがラインナップされている。

詳細はこちらをチェック!!


(取材・文 土屋雅史)

●全国高校総体2025特集
▶話題沸騰!『ヤーレンズの一生ボケても怒られないサッカーの話』好評配信中

土屋雅史
Text by 土屋雅史

「ゲキサカ」ショート動画

TOP