慶應義塾大の主将MF田中雄大、“かけがえのない4年間”も2部降格に責任…来季は大学経由組揃う横浜FMへ「自分がどうしていけるかにフォーカス」
[11.22 関東大学L1部参入PO 慶應義塾大 0-3 法政大 味フィ西]
慶應義塾大(1部10位)は入れ替え戦で法政大(2部3位)に0-3で敗れ、1年での2部降格が決まった。主将のMF田中雄大(4年=三菱養和SCユース/横浜FM内定)は「自分を含めて相手との1対1のところや集合としての11対11のところで完敗だった」と唇を噛んだ。
1部チームは引き分けでも残留という規定だが「入れ替え戦が決まったときから勝ちにいくことで部員全員頭を揃えていた」と田中。しかし開始7分に先制点を許し、以降は法政大のプレスをなかなか掻い潜ることができず、後半の立ち上がりには速攻から2点目を決められた。そうした展開で田中は中盤からサイドや前線への配球でチャンスに繋げていこうと奮起。後半の中盤ごろからは慶應義塾大ペースになって決定機も作ったが、得点を奪えずに時間が進むと決定的な3点目を奪われた。
「個人として、ゲームを作るところに関しては試合を通してある程度できていた部分ではあると思うけど、もっと攻撃で支配するところやどうゴールに繋げていくのかというところはまだまだ足りなかった。アシスト、ゴール、その一個前のパスといった決定的な仕事の部分で結果を出せなかったのは本当に自分の力不足だし、不甲斐ない結果になってしまったと思っています」
試合は0-3でタイムアップを迎え、2021年以来の1部を戦った慶應義塾大が1年での2部降格となった。田中はタイムアップの笛とともにピッチにうずくまり、応援席へ挨拶した後もしばらくしゃがみ込んで主将としての責任を強く感じている様子だった。


田中は1年間の浪人期間を経て、当時降格組として2部を戦う慶應義塾大に進学した。1年目は後半戦ごろからリーグに絡み始めたが、チームはまさかの3部降格となる。それでも田中は2年目でリーグ戦20試合に出場すると入れ替え戦ではゴールを決めて1年での2部復帰に貢献。3年生になった昨年はアシストランキング3位の6アシストを記録し、2部ベストイレブンにも選出される活躍で優勝による1部昇格を導いた。
そうして迎えた今季はキャプテンの大役を務めた。再来年に創部100周年を迎える“ソッカー部”を引っ張っていく上で歴代の主将の姿を思い出しながら自分なりの主将像を描いた結果、「パーソナリティ的にも声で熱く引っ張るよりはプレーでみんなを引っ張る、鼓舞することが合っているのかなと思ったのでつねにプレーで示し続けることを意識」したという。
もっともチームは前半戦を終えて最下位に沈む苦しいシーズンになった。田中は状況を打破するためのディスカッションで積極的に意見したといい、慶應義塾大の特長でもある組織力や諦めない心を胸に後半戦に臨むと、終盤のゴールで勝ち点を掴む試合が増加。リーグ最終4試合は無敗で終えて意地を見せたものの、最終的には入れ替え戦の末に残留を果たせなかった。
田中は大学最後の試合を終え、3部から1部までの昇格を果たして主将も務めた4年間に感謝を示しつつ、2部降格の終幕となった悔しさを口にする。
「4年間をトータルで見たときには本当にかけがえのない経験をこの組織にさせてもらったと思っている。最後の4年目をなんとか恩返しの期間にあてて『ソッカー部への恩を返す』という強い気持ちでやってきた結果、最後に降格を招いてしまって後輩たちに最高の舞台を残せなかったところは率直に後悔しているし、自分自身の弱さだったし、今年の4年生の弱さだったと思うのでそこは真摯に受け止めないといけない。でもトータルで見たら本当にかけがえのない4年間だったと思う」
来春からは横浜F・マリノスでプロキャリアを始める。田中は「歴史ある、伝統あるクラブからオファーをいただいて自分としては断る理由がなかった。そのようなビッグクラブでプレーさせていただくことは本当に名誉なことだし率直に嬉しい気持ちがあった」と進路を決めた際を振り返り、内定が発表された8月は横浜FMも残留争いが続いていた中でも「それをひっくるめてもこれまで繋いできた(横浜FMの)歴史の大きさや深さは変わりないと思ったので迷いがなかった」と語った。
横浜FMは同学年のGK木村凌也(日本大→)とDF諏訪間幸成(筑波大→)が今季から前倒しで加入しており、1学年下のMF松村晃助(法政大)と2学年下のDF関富貫太(桐蔭横浜大)はすでにJ1デビュー済み。中部大の3年生MF樋口有斗が卒業を待たずに来季から加入することも決定している。ポジションはそれぞれではあるものの、田中は大学経由組のライバルと切磋琢磨していくことになる。
ただ、田中は「もちろん仲間でありライバルというところでチーム内の競争はあると思うけれど、自分がずっと意識しているのは『自分の能力、クオリティ、強度だったりが誰よりも上回っていれば監督は試合に出す選択をする』というもの。周りがどうというよりは自分がどうしていけるかにフォーカスして今までやってきたので、そこは変わらずプロの世界でもやっていきたい」と自身にベクトルを向けていく構え。その上で今季はあまり練習参加ができていないようで、年齢の近い選手たちとの交流も楽しみにしていた。
第一の目標は「開幕から必ずスタメンを」と言い切る。田中は「試合に出続けることを強く意気込んで臨みたい」と力を込め、横浜FMが再起を目指すシーズンでの活躍を誓った。
(取材・文 加藤直岐)
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慶應義塾大(1部10位)は入れ替え戦で法政大(2部3位)に0-3で敗れ、1年での2部降格が決まった。主将のMF田中雄大(4年=三菱養和SCユース/横浜FM内定)は「自分を含めて相手との1対1のところや集合としての11対11のところで完敗だった」と唇を噛んだ。
1部チームは引き分けでも残留という規定だが「入れ替え戦が決まったときから勝ちにいくことで部員全員頭を揃えていた」と田中。しかし開始7分に先制点を許し、以降は法政大のプレスをなかなか掻い潜ることができず、後半の立ち上がりには速攻から2点目を決められた。そうした展開で田中は中盤からサイドや前線への配球でチャンスに繋げていこうと奮起。後半の中盤ごろからは慶應義塾大ペースになって決定機も作ったが、得点を奪えずに時間が進むと決定的な3点目を奪われた。
「個人として、ゲームを作るところに関しては試合を通してある程度できていた部分ではあると思うけど、もっと攻撃で支配するところやどうゴールに繋げていくのかというところはまだまだ足りなかった。アシスト、ゴール、その一個前のパスといった決定的な仕事の部分で結果を出せなかったのは本当に自分の力不足だし、不甲斐ない結果になってしまったと思っています」
試合は0-3でタイムアップを迎え、2021年以来の1部を戦った慶應義塾大が1年での2部降格となった。田中はタイムアップの笛とともにピッチにうずくまり、応援席へ挨拶した後もしばらくしゃがみ込んで主将としての責任を強く感じている様子だった。


田中は1年間の浪人期間を経て、当時降格組として2部を戦う慶應義塾大に進学した。1年目は後半戦ごろからリーグに絡み始めたが、チームはまさかの3部降格となる。それでも田中は2年目でリーグ戦20試合に出場すると入れ替え戦ではゴールを決めて1年での2部復帰に貢献。3年生になった昨年はアシストランキング3位の6アシストを記録し、2部ベストイレブンにも選出される活躍で優勝による1部昇格を導いた。
そうして迎えた今季はキャプテンの大役を務めた。再来年に創部100周年を迎える“ソッカー部”を引っ張っていく上で歴代の主将の姿を思い出しながら自分なりの主将像を描いた結果、「パーソナリティ的にも声で熱く引っ張るよりはプレーでみんなを引っ張る、鼓舞することが合っているのかなと思ったのでつねにプレーで示し続けることを意識」したという。
もっともチームは前半戦を終えて最下位に沈む苦しいシーズンになった。田中は状況を打破するためのディスカッションで積極的に意見したといい、慶應義塾大の特長でもある組織力や諦めない心を胸に後半戦に臨むと、終盤のゴールで勝ち点を掴む試合が増加。リーグ最終4試合は無敗で終えて意地を見せたものの、最終的には入れ替え戦の末に残留を果たせなかった。
田中は大学最後の試合を終え、3部から1部までの昇格を果たして主将も務めた4年間に感謝を示しつつ、2部降格の終幕となった悔しさを口にする。
「4年間をトータルで見たときには本当にかけがえのない経験をこの組織にさせてもらったと思っている。最後の4年目をなんとか恩返しの期間にあてて『ソッカー部への恩を返す』という強い気持ちでやってきた結果、最後に降格を招いてしまって後輩たちに最高の舞台を残せなかったところは率直に後悔しているし、自分自身の弱さだったし、今年の4年生の弱さだったと思うのでそこは真摯に受け止めないといけない。でもトータルで見たら本当にかけがえのない4年間だったと思う」
来春からは横浜F・マリノスでプロキャリアを始める。田中は「歴史ある、伝統あるクラブからオファーをいただいて自分としては断る理由がなかった。そのようなビッグクラブでプレーさせていただくことは本当に名誉なことだし率直に嬉しい気持ちがあった」と進路を決めた際を振り返り、内定が発表された8月は横浜FMも残留争いが続いていた中でも「それをひっくるめてもこれまで繋いできた(横浜FMの)歴史の大きさや深さは変わりないと思ったので迷いがなかった」と語った。
横浜FMは同学年のGK木村凌也(日本大→)とDF諏訪間幸成(筑波大→)が今季から前倒しで加入しており、1学年下のMF松村晃助(法政大)と2学年下のDF関富貫太(桐蔭横浜大)はすでにJ1デビュー済み。中部大の3年生MF樋口有斗が卒業を待たずに来季から加入することも決定している。ポジションはそれぞれではあるものの、田中は大学経由組のライバルと切磋琢磨していくことになる。
ただ、田中は「もちろん仲間でありライバルというところでチーム内の競争はあると思うけれど、自分がずっと意識しているのは『自分の能力、クオリティ、強度だったりが誰よりも上回っていれば監督は試合に出す選択をする』というもの。周りがどうというよりは自分がどうしていけるかにフォーカスして今までやってきたので、そこは変わらずプロの世界でもやっていきたい」と自身にベクトルを向けていく構え。その上で今季はあまり練習参加ができていないようで、年齢の近い選手たちとの交流も楽しみにしていた。
第一の目標は「開幕から必ずスタメンを」と言い切る。田中は「試合に出続けることを強く意気込んで臨みたい」と力を込め、横浜FMが再起を目指すシーズンでの活躍を誓った。
(取材・文 加藤直岐)
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