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[MOM1152]東海選抜MF香川太朗(東海学園大3年)_環境は言い訳にならない…中学時代の練習場は公園、大学生のうちに掴んだJリーグデビュー

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得点を決めて喜ぶ香川太朗(11)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.20 デンチャレプレーオフ]

 抽選は試合後すぐに行われた。勝ち点や得失点差、反則ポイントでも並んだ東海選抜と九州選抜は、両監督がそれぞれ選んだ黒色のバッグの中から、運命の抽選用紙を出す。その結果、見事に東海の永冨裕也監督が決勝進出を引き当てた。

 抽選の結果を知ったイレブンはベンチ前で喜びを爆発させた。MF香川太朗(東海学園大3年=藤枝明誠高)は「九州さんのことを思うと心が痛い」と話すも、「運も実力のうち。九州さんの分も勝って本大会に出ていい結果を残せたらなと思います」と22日に北信越選抜と行う決勝に向けた力に変えていた。


 前日に「次はスコアに繋げたい」と話していた通り、鮮やかなシュートでゴールネットを揺らした。東海選抜は前半25分、左サイドの混戦からMF国本遥大(中部大3年=中央学院高)がマイナスに落としたボールを香川が右足を一閃。弾道の低いシュートを力強く蹴り込んだ。

 前日の試合でも中盤からドリブルで運んで魅せる場面を作ったが、シュートではなくパスを選択。「チームのためにやることが一番」と考えてのプレーだったが、反省も残した。「あの角度は結構練習していた。力を抜いて振り抜くだけでした」。結果的にその後チームは逆転を許したが、後半45分にオウンゴールで同点。前日のアディショナルタイム決勝弾勝利に続く劇的な試合結果に繋げた。

 Jリーグのピッチを経験して臨む大学生の大会になっている。香川は先月30日にカターレ富山への26-27シーズン入団内定を発表。特別指定選手としての登録も済ませると、2月8日のJ2・J3百年構想リーグWEST-Aの開幕戦となった高知戦に途中出場でデビューを飾った。

 富山には昨年11月に初めて練習に参加。そこで獲得オファーに繋げた。ほかにもJ2クラブから話があったようだが、「いいチームだと思ったし、自分が伸びそうだなと思うチーム選びをさせてもらった」と、大学選手権(インカレ)を終えたあとに返事をしたという。


 自身は「努力家」だと自認している。兵庫県出身で、中学時代は街クラブのFCリブレに所属。元Jリーガーの坂本義行さんが代表を務めるクラブだが、練習場は兵庫県神戸市にある本町公園で、高いフェンスで囲まれているが、広さはペナルティエリアほどしかない環境で過ごした。

 当時の同級生は3人。中学生の3学年を合わせても8人しかおらず、3年間で公式戦に出たことはなかった。ただそこで知ることができたのは「サッカーの楽しさ」。リフティングやドリブルをひたすら繰り返す練習が何より楽しかったという。

 ちなみに一学年上にはMF玄理吾(鳥栖)やDFリ・トビン(松本)がいた。「常に上の存在だったけど、負けたくないという思いでずっと練習していた」。環境を言い訳にしたことはない。負けず嫌いの性格もこうして培われた。原点はすべて街中にある普通の公園グラウンドに詰まっている。

 Jリーガーになる夢を掴んだ香川だが、キャンプ参加などを通したこの1か月で、「心技体のすべてを上げないと活躍できない」と危機感を持つことができたという。「プロはワンタッチや守備強度がすごく高かった」。プロのピッチに立ったことによる慢心も全くない。「アジリティやワンタッチの技術をしっかりと上げてからプロに進みたい」。ソン・フンミンや三笘薫を目標にするドリブラーは、更なる高みを見据えた。

(取材・文 児玉幸洋)

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児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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