[MOM4964]東京VユースFW仲山獅恩(2年)_プレミアへと導く衝撃の45m超ロング弾!! 怪我に泣かされた男が大一番で躍動!!
衝撃のゴールを叩き込んだ
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.8 高円宮杯プレミアリーグプレーオフ2回戦 東京Vユース 2-1 富山U-18 Balcom BMW 広島総合グランド]
前半を終えて0-1。ビハインドを背負ったチームは反撃するべく、東京ヴェルディユースを率いる薮田光教監督は右SB小林健(3年)とともにFW仲山獅恩(2年=東京ヴェルディJrユース)をピッチに送り出した。
背番号21に託された役割は前線でタメを作ることとゴールを奪うこと。明確なタスクを持って投入されると、いきなり仕事をやってのける。開始50秒。1トップのポジションから右サイドに流れ、ボールを収めて時間を作る。後方からサポートに入ってきた小林に預け、MF井上寛都(3年)のゴールを呼び込んだ。
そして、9分に仲山に最大の見せ場が訪れる。ハーフウェーライン手前で相手DFにプレッシャーをかけると、ボールを奪取。そのまま前に運ぶと、一瞬の隙を見逃さなかった。「1試合に1回はロングシュートを打てる場面がある」。常に狙っていたという仲山は相手GK仙田琥太郎(3年)の位置を確認し、センターサークル付近から迷わずに右足を振り抜いた。
前にポジションを取っていたGKの頭上を超え、綺麗な弧を描いたボールはネットに吸い込まれる。その瞬間、感情を爆発させた男は“してやったり”という表情で仲間からの祝福を受けた。
以降は前線で起点となりつつも、守備でもチームのために奔走。「現代サッカーはハードワークをしないといけない。どれだけ上手くても走れなければ使ってもらえません。走るのは得意。しっかり前線からプレスをかけて、泥臭くやり続けました」。涼しい顔で言いのけた背番号21はファーストDFの役割も遂行し、チームの勝利に貢献した。
中学時代から将来を嘱望され、ジュニアユース時代に指導を受けた小笠原資暁監督からは「久々にヴェルディらしい巧さを持つ選手が出てきた」とまで言わしめた。しかし、高校入学後はその才能を発揮できていたとは言い難い。怪我にも悩まされ、夏のクラブユース選手権前には股関節を痛め、3か月近く戦列から離れた。大好きなサッカーができない――。だが、その状況を仲山はネガティブに捉えなかった。
「怪我をしたことはポジティブ。プロになってからグロインペインをやってしまうと、治りにくいという話も聞いた。そういう意味では良い経験だったと思う」
離脱中は体幹トレーニングに重きを置き、復帰後により良い状態で戻れるように鍛錬。5月下旬にトップチームの一員として出場したソシエダとの親善試合や世代別代表の海外遠征で痛感した課題のフィジカル面を鍛え、地道にメニューを消化した。
離脱前はインサイドハーフで出場機会を掴んでいたが、復帰後はスーパーサブとして活躍。1トップのポジションでプレーし、巧さと強さを武器に攻撃の切り札として違いを生んだ。
最後の最後に結果を残した仲山。来季はプレミアリーグでプレーする権利を手に入れたが、目指す頂はその先にある。
「個人昇格をして、早くトップチームで活躍したい。プレミアリーグも大切だけど、昇格してプロの試合に出ることも重要。そこを視野に入れながら、来季は東京Vユースを勝たせていきたい」(仲山)
完全復活を遂げた男は現状に満足せず、さらなる成長を目指す。
(取材・文 松尾祐希)
●高円宮杯プレミアリーグ2024特集
●高円宮杯プリンスリーグ2024特集
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前半を終えて0-1。ビハインドを背負ったチームは反撃するべく、東京ヴェルディユースを率いる薮田光教監督は右SB小林健(3年)とともにFW仲山獅恩(2年=東京ヴェルディJrユース)をピッチに送り出した。
背番号21に託された役割は前線でタメを作ることとゴールを奪うこと。明確なタスクを持って投入されると、いきなり仕事をやってのける。開始50秒。1トップのポジションから右サイドに流れ、ボールを収めて時間を作る。後方からサポートに入ってきた小林に預け、MF井上寛都(3年)のゴールを呼び込んだ。
そして、9分に仲山に最大の見せ場が訪れる。ハーフウェーライン手前で相手DFにプレッシャーをかけると、ボールを奪取。そのまま前に運ぶと、一瞬の隙を見逃さなかった。「1試合に1回はロングシュートを打てる場面がある」。常に狙っていたという仲山は相手GK仙田琥太郎(3年)の位置を確認し、センターサークル付近から迷わずに右足を振り抜いた。
前にポジションを取っていたGKの頭上を超え、綺麗な弧を描いたボールはネットに吸い込まれる。その瞬間、感情を爆発させた男は“してやったり”という表情で仲間からの祝福を受けた。
以降は前線で起点となりつつも、守備でもチームのために奔走。「現代サッカーはハードワークをしないといけない。どれだけ上手くても走れなければ使ってもらえません。走るのは得意。しっかり前線からプレスをかけて、泥臭くやり続けました」。涼しい顔で言いのけた背番号21はファーストDFの役割も遂行し、チームの勝利に貢献した。
中学時代から将来を嘱望され、ジュニアユース時代に指導を受けた小笠原資暁監督からは「久々にヴェルディらしい巧さを持つ選手が出てきた」とまで言わしめた。しかし、高校入学後はその才能を発揮できていたとは言い難い。怪我にも悩まされ、夏のクラブユース選手権前には股関節を痛め、3か月近く戦列から離れた。大好きなサッカーができない――。だが、その状況を仲山はネガティブに捉えなかった。
「怪我をしたことはポジティブ。プロになってからグロインペインをやってしまうと、治りにくいという話も聞いた。そういう意味では良い経験だったと思う」
離脱中は体幹トレーニングに重きを置き、復帰後により良い状態で戻れるように鍛錬。5月下旬にトップチームの一員として出場したソシエダとの親善試合や世代別代表の海外遠征で痛感した課題のフィジカル面を鍛え、地道にメニューを消化した。
離脱前はインサイドハーフで出場機会を掴んでいたが、復帰後はスーパーサブとして活躍。1トップのポジションでプレーし、巧さと強さを武器に攻撃の切り札として違いを生んだ。
最後の最後に結果を残した仲山。来季はプレミアリーグでプレーする権利を手に入れたが、目指す頂はその先にある。
「個人昇格をして、早くトップチームで活躍したい。プレミアリーグも大切だけど、昇格してプロの試合に出ることも重要。そこを視野に入れながら、来季は東京Vユースを勝たせていきたい」(仲山)
完全復活を遂げた男は現状に満足せず、さらなる成長を目指す。
(取材・文 松尾祐希)
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