両者笑顔なき3-3ドロー。未勝利市船に2点差追いつかれた“昨季王者”横浜FCユースは「今年の弱さ」と向き合い次節へ
市立船橋高DF
[4.27 プレミアリーグEAST第4節 市立船橋高 3-3 横浜FCユース グラスポ]
高円宮杯JFA U-18プレミアリーグEASTは27日、第4節を行い、市立船橋高と横浜FCユースが対戦した。前半16分に横浜FCユースが先制し、同25分に市立船橋が追いつくという形で始まった撃ち合いは、一時横浜FCユースが2点リードに持ち込んだものの、市立船橋が意地の猛攻で追いついて3-3のドロー。市立船橋はこれで4戦未勝利。昨季王者の横浜FCユースも上位浮上を逃す痛み分けとなった。
ここまで1分2敗で未勝利の市立船橋はU-17日本代表の主力としてAFC U17アジア杯に出場していたDF篠崎健人(2年)が今季初先発。FW山本一誓(3年)も左サイドハーフで初先発を果たした。4-4-2の布陣でGK辰侑樹(3年)がゴールを守り、4バックは左からDF野地透生(3年)、DF森本陽太(3年)、篠崎、DF左近作怜(3年)。ダブルボランチはMF森露羽安主将(3年)とMF孫本晟馬(2年)が組み、サイドハーフは左に山本、右にFW仲野真翔(3年)、2トップはFW末永悠晴(2年)とFW佐々木瑛汰(2年)の2年生コンビが並んだ。
対する昨季王者の横浜FCユースもここまで1勝1分1敗と苦戦中。DF松尾蒼大(3年)とFW高原由翔(2年)が今季初先発を勝ち取った。同じく4-4-2の布陣でGK櫻井斗真(3年)がゴールを守り、4バックは左から松尾、DF大川萊(3年)、DF秦樹(3年)、DF芹澤悠(3年)。ダブルボランチはMF秋元颯太(3年)とMF福岡湧大(2年)が構えた。サイドハーフは左SBから一列上げたDF佃颯太(3年)と右にMF矢内翔磨(3年)。2トップはMF津崎蒔愛(3年)と高原が並んだ。
試合の立ち上がりは両者の布陣が噛み合い、攻守の切り替えが目まぐるしく起きる落ち着かない展開。それでも前半16分、横浜FCが先手を取った。中盤で前を向いた福岡が浮き球のスルーパスを前線に送り込むと、これに反応したのは開幕節以来3試合ぶりの先発復帰となった津崎。ゴール左斜め前から果敢に左足シュートを放つと、相手GKの手を弾いたボールがゴールマウスに転がり込んだ。




ところが前半25分、市立船橋もすぐに追いついた。前線の佐々木の推進力を活かした攻撃で粘り強く陣地を回復し、左利きの野地、右利きの山本のプレースキックで相手ゴール前に脅威を与えると、立て続けに得たCKの3本目が炸裂。野地の右CKがファーサイドに送り込まれると、これを佐々木がヘディングで押し込んで1-1となった。


そこからは再び横浜FCペースに移った。高原が左サイド裏に流れる形や、矢内の縦突破で徐々に押し込む時間を作っていくと前半38分、左サイドバック起用の松尾が利き足の右で浮き球スルーパスを送り込み、またも津崎がペナルティエリア左で反応。1点目より角度のないところから強烈な左足シュートをゴール右上隅に突き刺し、再び試合を勝ち越した。


さらに横浜FCは前半41分、左サイド起点の攻撃を秋元が前進させ、ゴール前に攻め込むと、スルーパスに芹澤が反応。だが、これはオフサイドの判定に阻まれる。最後は攻撃が完結するには至らなかったが、良い流れのままハーフタイムを迎えた。一方の市立船橋は後半開始時、末永に代わってFW小川夢成を投入した。
しかし、横浜FCの攻勢は変わらなかった。後半2分、前線でボールを収めた津崎がうまく落とし、高原とのワンツー気味の崩しから三たびゴール前左を切れ込むと、果敢に放った左足シュートは枠外のコースへ。だが、カバーに入った市立船橋高DFに当たって軌道が変わり、オウンゴールで3-1となった。


ところがここで市立船橋は落ちなかった。まずは後半10分、左サイド起点でレイオフを繰り返し、相手のプレッシングを受け流しながら山本、小川とつないで横断を試みると、仲野が中央に絞って持ち上がり、右サイドにラストパス。大外をオーバーラップしてきた左近作がペナルティエリア内まで潜り込み、GKとの1対1を制して決めた。


さらに後半16分、市立船橋はFW勝又悠月(2年)とMF高山大世(2年)を入れて攻勢ムードを高めると、ボランチに入った高山が圧巻の働き。局面の球際やボールキープで存在感を発揮し、チーム全体を押し上げると、同32分に小川の左CKから森本がヘディングシュートを突き刺し、土壇場で同点に追いついた。


そのまま試合はタイムアップ。両者ともに勝ち点1にとどまり、試合後の順位は横浜FCユースが8位、市立船橋が降格圏11位という痛み分けとなった。タイムアップ直後の選手たちにもそれぞれ笑顔はなく、悔しそうな表情を浮かべていた。


試合後、土壇場で同点ゴールを決めた市立船橋の森本も「今日の試合だけじゃなく得点は取れているが、守備で逆転されたり追いつかれるシーンが多かった中で、今日もそういう形になってしまって悔しい思いがある」と未勝利(2分2敗)が続く現状への心境を吐露。いまだ遠い今季初勝利に向けて「失点数が減らせれば勝てるというのは自信になってきているので、練習から無失点にこだわってやっていきたい」と決意を新たにした。
一方、昨季EAST王者の横浜FCユースも今季1勝2分1敗と苦戦が続いている。この日はセットプレーの2失点が響く敗戦となったが、和田拓三監督は「今季は失点の仕方とゲームの運び方で課題が多く、それが今節も出てしまった。セットプレーの失点はあるものの、そこまで持っていかれるまでの展開が課題」と指摘。「プレー判断がまだまだ未熟な選手が多い中でやられてしまい、この結果になってしまった」と試合運びを悔やんだ。
今季は昨季に比べて技術の高い選手が多いことによって、指揮官は「崩しのところで自信を持ってやっているぶん、過信に変わっている部分が多く、やりすぎてしまったところでカウンターを喰らう原因になっている」と分析。昨季の優勝経験については「メンバーも変わっているし、誰一人王者という感覚はない」というものの、「昨季は接戦のゲームをモノにできたが、そこを逆転されたり、同点にされてしまうことが今年のチームの弱さ」という変化が見られる中、課題と向き合って改善を図っていく構えだ。
首位・流経大柏とは勝ち点5差、3位・川崎F U-18とは射程圏内の勝ち点3差。5月3日の次節ではその首位との戦いが控えており、下を向いている暇はない。和田監督は「接戦をモノにしていかないといけないということが一番。最後の粘り強さがこのチームのいいところだったが、そこがまだ足りていないので、前期でやっていかないと苦しい戦いになると思う。もう一回出直したい」と奮起を誓った。
(取材・文 竹内達也)
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高円宮杯JFA U-18プレミアリーグEASTは27日、第4節を行い、市立船橋高と横浜FCユースが対戦した。前半16分に横浜FCユースが先制し、同25分に市立船橋が追いつくという形で始まった撃ち合いは、一時横浜FCユースが2点リードに持ち込んだものの、市立船橋が意地の猛攻で追いついて3-3のドロー。市立船橋はこれで4戦未勝利。昨季王者の横浜FCユースも上位浮上を逃す痛み分けとなった。
ここまで1分2敗で未勝利の市立船橋はU-17日本代表の主力としてAFC U17アジア杯に出場していたDF篠崎健人(2年)が今季初先発。FW山本一誓(3年)も左サイドハーフで初先発を果たした。4-4-2の布陣でGK辰侑樹(3年)がゴールを守り、4バックは左からDF野地透生(3年)、DF森本陽太(3年)、篠崎、DF左近作怜(3年)。ダブルボランチはMF森露羽安主将(3年)とMF孫本晟馬(2年)が組み、サイドハーフは左に山本、右にFW仲野真翔(3年)、2トップはFW末永悠晴(2年)とFW佐々木瑛汰(2年)の2年生コンビが並んだ。
対する昨季王者の横浜FCユースもここまで1勝1分1敗と苦戦中。DF松尾蒼大(3年)とFW高原由翔(2年)が今季初先発を勝ち取った。同じく4-4-2の布陣でGK櫻井斗真(3年)がゴールを守り、4バックは左から松尾、DF大川萊(3年)、DF秦樹(3年)、DF芹澤悠(3年)。ダブルボランチはMF秋元颯太(3年)とMF福岡湧大(2年)が構えた。サイドハーフは左SBから一列上げたDF佃颯太(3年)と右にMF矢内翔磨(3年)。2トップはMF津崎蒔愛(3年)と高原が並んだ。
試合の立ち上がりは両者の布陣が噛み合い、攻守の切り替えが目まぐるしく起きる落ち着かない展開。それでも前半16分、横浜FCが先手を取った。中盤で前を向いた福岡が浮き球のスルーパスを前線に送り込むと、これに反応したのは開幕節以来3試合ぶりの先発復帰となった津崎。ゴール左斜め前から果敢に左足シュートを放つと、相手GKの手を弾いたボールがゴールマウスに転がり込んだ。


横浜FCユースMF津崎蒔愛(3年)が先制ゴール!


チームメートが祝福
ところが前半25分、市立船橋もすぐに追いついた。前線の佐々木の推進力を活かした攻撃で粘り強く陣地を回復し、左利きの野地、右利きの山本のプレースキックで相手ゴール前に脅威を与えると、立て続けに得たCKの3本目が炸裂。野地の右CKがファーサイドに送り込まれると、これを佐々木がヘディングで押し込んで1-1となった。


市立船橋FW佐々木瑛汰(2年)の同点ゴール
そこからは再び横浜FCペースに移った。高原が左サイド裏に流れる形や、矢内の縦突破で徐々に押し込む時間を作っていくと前半38分、左サイドバック起用の松尾が利き足の右で浮き球スルーパスを送り込み、またも津崎がペナルティエリア左で反応。1点目より角度のないところから強烈な左足シュートをゴール右上隅に突き刺し、再び試合を勝ち越した。


横浜FCユースMF津崎蒔愛(3年)の2点目
さらに横浜FCは前半41分、左サイド起点の攻撃を秋元が前進させ、ゴール前に攻め込むと、スルーパスに芹澤が反応。だが、これはオフサイドの判定に阻まれる。最後は攻撃が完結するには至らなかったが、良い流れのままハーフタイムを迎えた。一方の市立船橋は後半開始時、末永に代わってFW小川夢成を投入した。
しかし、横浜FCの攻勢は変わらなかった。後半2分、前線でボールを収めた津崎がうまく落とし、高原とのワンツー気味の崩しから三たびゴール前左を切れ込むと、果敢に放った左足シュートは枠外のコースへ。だが、カバーに入った市立船橋高DFに当たって軌道が変わり、オウンゴールで3-1となった。


横浜FCユースMF津崎蒔愛(3年)はオウンゴールも導いた
ところがここで市立船橋は落ちなかった。まずは後半10分、左サイド起点でレイオフを繰り返し、相手のプレッシングを受け流しながら山本、小川とつないで横断を試みると、仲野が中央に絞って持ち上がり、右サイドにラストパス。大外をオーバーラップしてきた左近作がペナルティエリア内まで潜り込み、GKとの1対1を制して決めた。


市立船橋DF左近作怜が1点差に詰め寄るゴール
さらに後半16分、市立船橋はFW勝又悠月(2年)とMF高山大世(2年)を入れて攻勢ムードを高めると、ボランチに入った高山が圧巻の働き。局面の球際やボールキープで存在感を発揮し、チーム全体を押し上げると、同32分に小川の左CKから森本がヘディングシュートを突き刺し、土壇場で同点に追いついた。


DF森本陽太(3年)の強烈ヘッドで同点!
そのまま試合はタイムアップ。両者ともに勝ち点1にとどまり、試合後の順位は横浜FCユースが8位、市立船橋が降格圏11位という痛み分けとなった。タイムアップ直後の選手たちにもそれぞれ笑顔はなく、悔しそうな表情を浮かべていた。


笑顔なきドロー終幕
試合後、土壇場で同点ゴールを決めた市立船橋の森本も「今日の試合だけじゃなく得点は取れているが、守備で逆転されたり追いつかれるシーンが多かった中で、今日もそういう形になってしまって悔しい思いがある」と未勝利(2分2敗)が続く現状への心境を吐露。いまだ遠い今季初勝利に向けて「失点数が減らせれば勝てるというのは自信になってきているので、練習から無失点にこだわってやっていきたい」と決意を新たにした。
一方、昨季EAST王者の横浜FCユースも今季1勝2分1敗と苦戦が続いている。この日はセットプレーの2失点が響く敗戦となったが、和田拓三監督は「今季は失点の仕方とゲームの運び方で課題が多く、それが今節も出てしまった。セットプレーの失点はあるものの、そこまで持っていかれるまでの展開が課題」と指摘。「プレー判断がまだまだ未熟な選手が多い中でやられてしまい、この結果になってしまった」と試合運びを悔やんだ。
今季は昨季に比べて技術の高い選手が多いことによって、指揮官は「崩しのところで自信を持ってやっているぶん、過信に変わっている部分が多く、やりすぎてしまったところでカウンターを喰らう原因になっている」と分析。昨季の優勝経験については「メンバーも変わっているし、誰一人王者という感覚はない」というものの、「昨季は接戦のゲームをモノにできたが、そこを逆転されたり、同点にされてしまうことが今年のチームの弱さ」という変化が見られる中、課題と向き合って改善を図っていく構えだ。
首位・流経大柏とは勝ち点5差、3位・川崎F U-18とは射程圏内の勝ち点3差。5月3日の次節ではその首位との戦いが控えており、下を向いている暇はない。和田監督は「接戦をモノにしていかないといけないということが一番。最後の粘り強さがこのチームのいいところだったが、そこがまだ足りていないので、前期でやっていかないと苦しい戦いになると思う。もう一回出直したい」と奮起を誓った。
(取材・文 竹内達也)
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