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インハイ予選敗退後から選手主導で考えて声がけと実行。東山がC大阪U-18に4発勝利し、プリンス関西1部暫定3位浮上

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前半31分、東山高CB岩崎大雅が先制ゴール

[6.28 プリンスリーグ関西1部第10節 東山高 4-1 C大阪U-18 東山高校総合G]

 28日、高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ 2025 関西1部第10節で暫定4位・東山高と同3位・セレッソ大阪U-18が激突。ホームの東山が4-1で勝ち、暫定3位へ浮上した。

 東山はこの日、テクニカルエリアに負傷欠場したCB上山泰智主将(3年)の姿。福重良一監督はベンチの外側から戦況を見守り、ベンチのコーチ陣もゲーム中のコーチングはしていなかった。指揮官の「精神的にも一皮むけるためにこそ、(この期間を)過ごさせたい」という考えから、声がけは選手同士のみ。「やれるのに、消極的になってしまい、自分たちのやりたいことができなかった」(上山)というインターハイ京都府予選決勝(●0-1京都橘高)後は、普段のトレーニングも、メンバー決めも選手主導で行ってきた。

東山はCB上山泰智主将がテクニカルエリアに出てコーチングしていた

 福重監督やコーチ陣の言葉に頼りがちだった選手たちが、徐々に自立。この日、味方選手に対して一際厳しい言葉を発していた右SB田中惺七(3年)は、「(インターハイ予選の敗戦で)自分たちは気づかされたというか。もっと自分たちに厳しくやっていかなければ選手権も勝てないと思うんで、もっとやっていかなきゃいけない」。どの位置でボールを奪うのか、この時間帯はどのようなプレーが必要か、同じミスをしていないか、3点リードの試合終盤まで選手同士で考え、声を掛け合って快勝。一旦、次節(7月12日)まで見守る方針の指揮官も、「全部、自分らの力でやっている。それが内容にも繋がったのかな」と微笑んでいた。

試合終盤にキャプテンマークを巻いた右SB田中惺七は味方にも厳しい声がけ。福重監督も「(ピッチの)監督でしたね」

 消化試合が1試合少ないながらも4勝2分2敗で4位につける東山はこの日、大黒柱の上山やGK麻生太朗(2年)らが怪我のために不在。先発はGKが大石奨太(3年)で右SB田中惺七(3年)、CB尾根碧斗(3年)、CB岩崎大雅(3年)、左SB原達輝(2年)の4バック。中盤はゲーム主将の善積甲知(3年)と土田琥太郎(3年)のダブルボランチで右SH村上絢哉(3年)、左SH松山佑成(3年)、そして2トップは八木海斗(3年)と浜辺蒼空(3年)がコンビを組んだ。

東山はインターハイ予選敗退後から選手主導の取り組みにチャレンジ

 一方、C大阪U-18は開幕戦で東山に1-0で勝利するなど、ここまで4勝2分3敗。この日の先発はGKがイシボウ拳(3年)で右SB刈田琉唯(3年)、CB海保颯大(2年)、主将の金龍起(3年)、左SB伏見晄永(3年)の4バック。中盤中央に丸尾康太(2年)と大島鉄平(2年)が構え、右SH芝田琉真(3年)、左SH増井翔(2年)。そして小野田亮汰(3年)と永添功樹(1年)が2トップを務めた。イシボウと小野田、そしてベンチスタートのDFエゼモクェ・チメヅェ海(1年/U-16日本代表)がトップチームに2種登録されている。

プレミアリーグ復帰へ、C大阪U-18は勝ち続ける

 東山は田中が「入りっていう部分では自分たちも意識しようって試合前からずっと喋っていて、明確に角とかにロングパスすることで押し込んで、セットプレーを取りに行って、いい流れ作ったりして、っていう共通意識があったんで、そこは意識してプレーに実行できたので、良かった」と説明したように、入りの良い立ち上がり。ハイサイドへのロングボールやそこからのパス交換、村上、土田の仕掛けなどで相手を押し込む。

 それに対し、C大阪U-18も合わせる形でややロングボールが増えていたものの、徐々にボールを保持し、丸尾や大島の1タッチの縦パスで相手のプレスを打開するなど主導権を握り返す。10分、大島が左中間から放った右足ロングシュートがゴールマウスをヒット。12分には右SB刈田がDFのマークを外し、芝田のクロスがニアの小野田へ通る。

 そして、小野田が粘り、永添がゴールを狙うが、東山は「あそこがシンドい時間だなって自分たちも感じていたし、そこで身体を張って、面でボールから逃げずにっていうことを意識したら、ああいうプレーが生まれたんで良かった」という田中が身体全体でシュートブロック。C大阪U-18はさらに増井、永添が押し込もうとするも、東山はゴール前の混戦からボールをかき出す。すると、その後も岩崎、尾根の両CBがチャレンジ&カバーを徹底。相手エースFW小野田へのパスを遮断するなど流れの悪い時間帯に失点しなかった。

前半12分、C大阪U-18の決定機で東山GK大石奨太と右SB田中惺七らがゴールを死守

 その東山は17分、村上がワンツーから左サイドへ展開。松山が中へのドリブルから右足を振り抜く。また、DFを背負ってからのターンで局面を打開する浜辺とスペースを狙う八木の2トップが相手にとって嫌な存在に。高い位置での奪い返しにも成功していた東山は、その浜辺と八木や積極的な攻め上がりを見せる原がクロスへ持ち込んだ。

東山はFW浜辺蒼空が身体を張って攻撃の起点に

 C大阪U-18は左SB伏見が相手よりも先に触ってクリアするようなシーンが2度3度とあったほか、海保が空中戦で強さを発揮。チームリーダーの金を中心に凌いでいたが、東山がセットプレーから先制点を挙げる。前半31分、土田の右CKをペナルティアーク付近の尾根が競り勝つ。やや前方に落下したボールに岩崎が競りに行き、こぼれ球を自ら右足シュート。これがゴールを破り、1-0となった。

C大阪U-18CB金龍起が相手の攻撃を弾き返す

前半31分、東山CB岩崎大雅が先制ゴール

 C大阪U-18もすぐにサイドを攻略してクロスへ持ち込むと、33分には丸尾のインターセプトから小野田がドリブルで一気にPAまで前進。だが、東山は岩崎、尾根がゴール前でフタをし、「(普段は右SHだが)自分、球際とか、相手との距離感とか、そういうところは自信あるんで、そこはSBに入ったんで対人することが多いって分かっていたし、意識して自分の強み出せたかなと思います」という田中やGK大石も安定したプレーを続ける。

 また、中盤で守備的な役割を担う善積を中心にセカンドボールの攻防で優位に。そして、しなやかな動きでドリブル、パスを繰り出す土田を軸にサイド攻撃の回数を増やし、原や松山がGKとDFラインの間へクロスを入れた。

東山のゲーム主将、MF善積甲知は守備で奮闘

 C大阪U-18は後半開始から永添を右SH増田瑛心(3年)へ交代。芝田を前線へ押し出した。東山は後半2分、敵陣での奪い返しから松山が中へ持ち込み、右足シュート。これはC大阪U-18GKイシボウがファインセーブで阻止する。

C大阪U-18のGKイシボウ拳はファインセーブも

 だが、東山は怯まずにシュートを連発。福重監督が「(昨年度の選手権予選など)シュート打ってるけど入らない、シュート打てるところでも打たないとか、そこの意識付けは(シーズン当初から)ちょっと変えていこうと」と語ったように、選手たちはシュート意識やその精度の部分についても表現した。リーグ開幕戦(4月)のC大阪U-18戦はシュート数13-6もスコアは0-1で敗戦。だが、シュートの技術向上にもこだわってきた成果がこの日は結果に結びついた。

 C大阪U-18は芝田や小野田、増田がドリブルで打開を図るなどゴールに迫るが、最後の局面で相手の守備網にかかってしまう。東山は前から制限を掛けて奪い返すことにも成功。そして、奪い返しからテンポの速い攻撃でシュートまで行き切っていた。

 後半23分、東山は連続攻撃で相手を押し込むと、左サイドからのパスがゴール前に通り、浜辺が左足シュート。シュートコースを消そうとしたC大阪U-18CB金の手に当たり、PKを獲得した。このプレーで金にレッドカード。東山は土田が右足で右隅に決め、2-0とした。

後半23分、東山MF土田琥太郎が右足PKを決めて2-0

貴重な追加点を喜ぶ

 10人になったC大阪U-18は増井とDF中村尚暉(2年)を交代。士気を落とすことなく前に出るが、東山が次の1点を挙げた。35分、土田の左CKを岩崎が頭で右隅へ流し込み、この試合2点目のゴール。C大阪U-18も41分、小野田が敵陣での奪い返しからそのまま持ち込んで左足シュートを決め切る。

後半35分、東山は左CKからCB岩崎大雅が頭で決めて3-1

CB岩崎大雅(右)はこの試合2点目のゴール

C大阪U-18はFW小野田亮汰が左足シュートを決め、2点差としたが……

 わずかに空気感を変えるも、東山は直後に善積と浜辺をMF雪本迅之助(3年)とMF中井真栄(3年)へ交代。45+2分には松山とFW田村龍大朗(3年)を入れ替え、やるべきことを確認、徹底しながら試合を進める。45+4分に八木が放った右足ミドルはGKイシボウが阻止。だが、45+5分、村上が敵陣での奪い返しからスルーパスを通すと、八木が正確な右足シュートを右隅に決め、4-1で試合を終えた。

後半45+5分、東山はFW八木海斗が右足シュートを決めて4-1

 東山はC大阪U-15出身でこの試合に懸けていた上山が前日練習で負傷。だが、「今日はもう上山の分までとか、そういう気持ちも持って試合に入りました。自分たちがやらなければいけないことが、今日ちょっとできたかなと」(田中)というチームメイトたちが白星を掴んだ。

 東山は5年ぶりにインターハイのない夏を過ごすことになったが、インターハイが開催されている裏で3泊4日の強化合宿を実施予定。チーム全員が参加し、これまでの実績関係なしの競争を行うという。「ネガティブになるのではなく」(福重監督)初の試みにチャレンジ。全員で切磋琢磨しながらシーズン後半戦に向かっていく。

 田中は「この夏が、選手権取る上で勝負だと思うんで、そこはトップチームだけじゃなくて、Bチームにいる選手であったりとか、チームが1つになるために、この夏しっかり全員で声掛け合って、チームが1つとなって選手権に向かうという気持ちでやらなければいけない。(個人としても)技術とか走力とか、もっとチームに還元できるように、そこはもっとつけるべきだと思っています」。プリンスリーグ関西1部は2試合連続での4発勝利で暫定3位浮上。選手権で勝つため、プレミアリーグに昇格するために、東山は自分たちで何をしなければならないかをこれまで以上に考え、実行する。

夏の全国大会に出られないことをポジティブに捉え、チームを強化する

(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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