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[MOM5217]帝京長岡DF桑原脩斗(3年)_「気持ちを込めて打ちました」 フィジカル自慢のムードメーカーが衝撃のゴラッソミドルでプレミア初ゴール!

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帝京長岡高DF桑原脩斗(3年=北海道コンサドーレ札幌U-15出身、4番)はゴラッソミドルを叩き込む!

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.21 プレミアリーグWEST第14節 帝京長岡高 3-1 名古屋U-18 長岡市ニュータウン運動公園サッカー場B]

 このグループに活気を与えるのが、自分の役割だということは十分に理解している。明るく声を出し続け、チームメイトを鼓舞し、ポジティブな空気を作り出していく。でも、ひそかに狙っていた。自らのゴールという形で、ピッチとスタンドの仲間たちに大きな歓喜をもたらすことも。

「前節のヴィッセル戦の時にも、ミドルシュートのチャンスがあって、そういった部分では狙えるところは狙っていこうと思っていたので、右足で思い切って狙いました。特にコースを狙ってはいなくて、ゴール目掛けて、気持ちを込めて打ちました」。

 生まれ育った北海道から新潟の強豪校へと身を投じた、帝京長岡高(新潟)きってのムードメーカー。DF桑原脩斗(3年=北海道コンサドーレ札幌U-15出身)が強烈にゴールへ突き刺したプレミアリーグ初ゴールが、チームメイトたちに最高の笑顔を連れてきた。


「前節はヴィッセルに0-3で負けて、凄く悔しい想いをしましたし、グランパスは前期は1-3で負けていた相手で、今日は東福岡も勝っていた状況だったので、自分たちも絶対に勝たないといけない状況だったと思います」。

 桑原は今節の試合に向けての意気込みを、そう語る。ホームで迎えた今節の名古屋グランパスU-18(愛知)戦。残留争いのライバルとなる東福岡高が勝利したという情報も、彼らの耳には入っていた。前回対戦ではアウェイで敗れた難敵を前に、帝京長岡の選手たちは気合を入れて、ピッチに歩みを進めていく。



「チームとしてはある程度3トップに対して、3バックががっつり付くという狙いがあったので、そこはできていたと思います」。左から桑原、DF西馬礼(3年)、DF吉田龍悟(2年)で組んだ3バックが、名古屋U-18の前線3枚を見張る形に。とりわけ得点ランキングトップに立つ大西利都は、最大限の警戒度で監視する。

 序盤はやや相手の攻める時間が長かったものの、帝京長岡も少しずつボールが動き出し、敵陣でのプレーも増加。前半24分にはMF吉原巧也(3年)のアシストから、FW上田十輝(3年)が先制ゴールをゲットし、1点のアドバンテージを掴むと、その5分後には背番号4にビッグチャンスが到来する。

 29分。右からMF和食陽向(2年)が蹴り込んだCK。左右へ行き来したボールを再び和食が中へクロス。すると、こぼれたボールはエリアのすぐ外で待っていた桑原の目の前へ、コロコロと転がってくる。

「このチームにはミドルシュートのイメージがなかったので、1本でも見せれば、相手も食いついてきて、フォワードもより動きやすくなるかなというのはずっと思っていました」。躊躇なくミドルレンジから打ち込んだボールは、一直線に向かったゴールネットを豪快に貫く。




 あまりのゴラッソに、チームメイトたちも笑顔と困惑の表情を同時に浮かべて、スコアラーの元へ駆け寄ってくる。「本当に自分の真っすぐの視界のままに入ったので、『おお!入ったか!』という感じでした。でも、喜んではいたんですけど。意外と冷静でしたね」。桑原にとってはこれがプレミア初ゴールだったが、真っ先に思い浮かんだのは昨季のキャプテンのことだったという。

「去年はケイシン(山本圭晋/現・関西大)がゼロ得点で終わっていたので、それをちょっと意識していた部分はあって、ケイシンを超えるために数字で何を残せるかと言った時に、やっぱり得点が目に見えてハッキリしているところで、ずっと得点を獲りたい気持ちはあったので、決めた瞬間は嬉しかったのと同時に、『ケイシンを超えたな』と思いました(笑)」

 その祝福のされ方を見れば、普段から築いてきたチーム内での立ち位置も窺える。「桑原がゴールなんか決めたから、なんかドキドキしてきちゃいましたよ」と笑ったのは川上健コーチ。リードを2点に広げる貴重なゴールは、4番のセンターバックが叩き出す。

 後半に入って1点を返されてからは、相手のラッシュを受ける時間帯も。ただ、何回か前に出た背後の隙を突かれ、チャンスを作られたことで、桑原はもう一度自身のスイッチを入れ直す。

 試合終盤にはエリア内での決定的なピンチにも、身体を投げ出して的確にシュートブロック。「あの場面はしっかりと待って、ボールを見て対応できたので、自分でも良いプレーだったと思います」。終わってみれば3-1というスコアで、チームはリーグ戦5試合ぶりの白星。試合後にはスタンドの仲間たちと喜び合う桑原の顔にも、満面の笑みが広がった。



 中学時代は北海道コンサドーレ札幌のアカデミーでボールを追いかけていたものの、「将来やりたいことを考えた時に、起業して会社を立てるか、トレーナーをやりたいので、いろいろな方と知り合いたいと思いましたし、自分のプレーの中で一番足りないのが足元の技術だったので、逆に自分の苦手なところが特徴のチームに行こうと思って」北海道を飛び出し、帝京長岡へと進学。今季はレギュラーポジションを掴み、5人体制のキャプテンの1人として、腕章を任される試合も。チームの中で存在感を高めてきた。

 高いレベルの試合を日常的に経験することで、自信を積み重ねてきた一方、まだ足りない部分も冷静に見つめている。「どんな相手でもフィジカル面ではやれるというか、それだけのトレーニングをしている自負はあるので、そういうところは自分も通用するかなと思います。でも、攻撃では組み立ての部分で迷惑をかけることも多いですし、ヘディングも全部勝てるかと言ったら、まだそうでもないなって」。

「今は自分も試合に出られていますけど、出れなくなる可能性もあると思うので、勝った時こそ謙虚に、仲間と切磋琢磨して、次の大津戦もしっかり勝ちたいですし、ここからもっとみんなで成長して、順位を少しでも上げていければなと思います」。

「あとは去年自分もAチームにずっとい続けさせてもらったからこそ、選手権予選で悔しい想いを目の前で先輩たちがしていたのを見ていましたし、本当に1つでも緩みを出してしまったら負けるということを、去年の先輩たちに教えてもらったので、ここからさらにチームで気持ちを引き締めて、選手権に向かっていきたいです」。

 磨き上げてきた強靭な身体で、向かってくる相手はすべて跳ね返す。帝京長岡の中でも一際異彩を放つ、フィジカルモンスターにして、みんなに愛されるムードメーカー。次々と大事なゲームがやってくるシーズン終盤に向け、桑原脩斗の存在はこのチームにとって、もはや絶対に欠かせない。



(取材・文 土屋雅史)

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土屋雅史
Text by 土屋雅史

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