「代役」の存在しない競争力が織り成す圧倒的チーム力で突き進むプレミア制覇への一本道!鹿島ユースは流経大柏との首位攻防戦を逞しく制す!
[10.5 プレミアリーグEAST第16節 流通経済大柏高 0-2 鹿島ユース 流通経済大柏高校グラウンド]
公式戦で最後に負けたのは5月上旬のこと。4か月近い時間にわたって結果を出し続けてきたものの、彼らにそんな意識は微塵もない。目の前の1試合。目の前の1試合。ただひたすらにそれを積み重ね、気付けば15戦無敗という圧倒的な数字を叩き出してきたのだ、
「正直みんなも長期的に勝ってきているというよりは、1試合1試合しっかりやれていることが勝利に繋がっているという感覚だと思うので、何連勝しているとか、何試合負けていないというよりは、一戦一戦戦ってきたことが、今の結果として付いてきているのかなと思います」(鹿島アントラーズユース・大川佑梧)
上位対決の大一番にも、鮮やかに勝ち切って白星奪取!5日、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2025 EAST第16節で、勝点27で3位の流通経済大柏高(千葉)と、勝ち点34で首位の鹿島アントラーズユース(茨城)が激突した好カードは、鹿島ユースがFW高木輝人(3年)とFW吉田湊海(2年)の2トップ揃い踏みで2-0と勝利。アウェイで勝点3を積み上げている。
「前半からお互いにチャンスが少なかったですね」と鹿島ユースのキャプテンを務めるDF大川佑梧(3年)も口にしたように、首位攻防戦となるビッグマッチはともに相手の出方を探るような立ち上がりに。意外だったのは流経大柏の布陣。ここまでの中盤はほとんどの試合でダイヤモンド型を採用していたが、「完全にミラーゲームにしました。あとは元気印があそこに2枚並んでいるのは結構大きいと思って、ですね」とは榎本雅大監督。中盤をフラットにして、ドイスボランチにMF島谷義進(3年/水戸内定)とDFメンディー・サイモン友(2年)を並べる戦い方を選択する。


一方の鹿島ユースもなかなか攻撃がフィニッシュまで結び付かない中で、飲水タイム前後からは右のMF滝澤周生(1年)と左のMF平島大悟(2年)、サイドハーフの位置を入れ替えると、31分には流れの中からのファーストシュート。時間を作った高木輝人が右へ流し、平島が少し運んで放ったシュートは枠の右へ逸れるも、ようやく惜しい形を作り出す。
そんな中でホームチームに絶好の先制機が訪れたのは38分。MF上田哲郎(3年)が蹴り込んだ右FKから、エリア内で粘ったFW大藤颯太(3年)がマーカーともつれて倒れると、笛を吹いた主審はペナルティスポットを指し示す。キッカーは大藤自ら。鹿島ユースから見れば絶体絶命のピンチだったが、後半戦から出場機会を得ているGK大下幸誠(1年)は極めて冷静だった。
「PKになった瞬間は『マジか……』みたいな感じはあったんですけど、自分の中ではすぐに切り替えて、『これで防いでゼロで前半を終わらせれば、後半は1点2点とどんどん獲っていける』と思っていました」。
自らの右に飛んできたボールを右手1本で弾き出すと、大下の元へとチームメイトも駆け寄ってきたが、当の本人は納得の行くセーブとは感じていなかったようだ。「キッカーと向き合った時に、結構自分の左の方を見ていて、なんかちょっとわざとっぽい感じもしましたし、応援の人たちもキッカーに対してプレッシャーを掛けてくれた中で、ゴロのボールが来たので、読みが当たったのは良かったですけど、あのスピードだったら両手で行って、キャッチしたかったなと思います」。


頼もしい1年生守護神のビッグセーブで、息を吹き返した鹿島ユース。流経大柏は45+2分にも左サイドを切り裂いたMF安藤晃希(3年)の折り返しを、ニアで上田が合わせたシュートもわずかに枠の右へ。前半の45分間は流経大柏がやや押し気味に進めながら、スコアレスで後半へ折り返す。
「幸誠がPKを止めてくれましたし、耐えるところをしっかり耐えられたので、自分たちの強みでもある後半は、『失点しなければ点も獲れる』という感覚がみんなにあったと思います」(大川)。鹿島ユースがもう一度ねじを巻き直して挑む、残りの45分間。ここで“諦めないストライカー”が輝きを放つ。
後半5分は鹿島ユース。左サイドから相手陣内へ侵入すると、滝澤のシュートはDFにブロックされたものの、こぼれを拾ったDF岩土そら(1年)は丁寧なクロスを中央へ。「岩土選手はクロスの精度が練習から凄くいいので、もうここにいれば絶対来ると思っていました」という高木輝人が叩いたヘディングは、右スミのゴールネットへ吸い込まれる。「後期はプリンスにも出ていたんですけど、腐らず頑張ろうと思って、それでチャンスをもらったので、結果を出せて良かったなと思います」と笑った背番号15は2戦連発。大きな1点がアウェイチームに入る。


後半15分も鹿島ユース。右サイドでCKを獲得すると、MF大貫琉偉(2年)が蹴り込んだキックはファーまで流れるも、岩土が柔らかいクロスをファーへ。DF元砂晏翔仁ウデンバ(2年)が右から折り返したボールを、吉田が頭でゴールへ流し込む。「流経の選手はみんな向きが変わって、足が止まっていましたし、自分は晏翔仁の横に入るということを意識していたので、晏翔仁がボールを出してくれて、あとは頭で合わせるという感じでした」と口にした2年生エースは、これで今季8点目。2-0。点差が開く。


「自分たちのやるべきことを前半はできていたと思いますけど、失点がイージーでしたね」と榎本監督も語る流経大柏は、2点のビハインドを追い掛ける展開に。失点直後にはMF山元琉士(3年)とMF昇純希(3年)を同時投入し、メンディーを大藤と前線に並べ、中盤もアンカーに島谷、右に山元、左に安藤、2トップ下に昇を入れるダイヤモンド型にシフト。34分には山元が右から鋭いキックを蹴り込み、こぼれ球はゴール方向に向かうも、間一髪で大貫がクリア。40分には途中出場のDF乙川宙(3年)が右サイドを攻め上がるも、今度は最前線からプレスバックした吉田が好タックルでゴールキックを勝ち獲り、渾身のガッツポーズ。鹿島ユースの集中は途切れない。
「選手が逞しいなと。前半は悪い流れの中で、大下の活躍もあってゼロで帰ってきて、ハーフタイムも選手たちでよく話もしていましたし、本当に選手たちがよく考えて、頑張った結果だなと思います」(中野洋司監督)。4分間のアディショナルタイムもきっちり潰し切った鹿島ユースが2-0で勝利。流経大柏との勝点差を10に広げ、優勝に向けてさらに勢いの付くような白星を、アウェイでもぎ取る結果となった。


リーグ戦ではこれで9試合負けなしとなった鹿島ユースだが、戦力の充実には目を見張るものがある。アタッカー陣では12試合ぶりのスタメンとなった前節で2ゴールを記録し、今節も先制点を挙げた高木輝人が絶好調。滝澤も1年生ながらスタメンの機会が増え、少しずつ持ち味を出し始めている。
さらに守備陣でも「チームを勝たせられるようなキーパーになることが目標」と言い切る大下が、この日のPKストップも含めて好パフォーマンスを継続。前節は年代別代表の活動で欠場した大貫が配されているドイスボランチの一角を、本職はセンターバックのDF倉橋幸暉(1年)がほぼパーフェクトに務め切り、ゴールまでゲット。試合に出る選手が、“代役”とは呼べないような活躍を見せ続けている。
キャプテンの大川はこのサイクルについて、少しだけ誇らしげにこう語っている。「なかなか試合に出ていない選手も、このサッカーにスムーズに入っていけることは感じていますし、あとは代表で選手がいないことを言い訳にしないようにしようとはみんなで言っているので、誰が出ても良いパフォーマンスを出せるのは良いことなのかなと思います」。
ここまで全試合にスタメン出場しているDF朝比奈叶和(3年)も、チーム力の向上には手応えを感じているようだ。「試合に出ることに対する強い想いも、勝ちにこだわる部分も全員が持っていると思いますし、誰が出ても勝てるチーム作りは日ごろから心がけています。1人1人が高め合って、チームの底上げもできていると思います」。
中野監督はここまでのチームの好調にも、「一番は去年からの継続で、ハードワークだったり、球際だったり、負けたくない気持ちを出すというところで、難しい時間帯もここは頑張って耐えようよとか、最後は自分たちが勝つんだとか、そういう意識はみんなの中にあるのかなと思いますね。アントラーズスピリットというか、そういうものは今の選手たちに息衝いているのかなと思います」と話しながら、改めてスタッフワークにも言及している。
「僕は今年からですけど、去年までやられていた柳沢(敦・現トップチームコーチ)さんもそうですし、去年もいた小笠原(満男)さん、里内(猛)さん、岡本(英雄)コーチが選手にもたらしてくれた、そこの上積みのところが大きいのかなと。僕が特別変えたことはなくて、本当にその積み重ねが今の勝ちに来ているのかなとは感じています」。
2位のFC東京U-18との勝点差は8ポイント。残り6試合ということを考えれば、この日の勝利はタイトル獲得へ向けても、大きな意味を持ってくることは間違いないが、大川はあくまでも目の前の1試合の重要性を強調する。
「残りの対戦相手も上位のチームが多いですし、強い相手が多い中で、先を見ていたら届くところにも届かなくなってしまうと思うので、一戦一戦勝つことだけにフォーカスしながら、その中で誰が出ても良いパフォーマンスをして、しっかり1個ずつ勝っていきたいなと思います」。
築き上げつつある、盤石の首位快走態勢。それでも、このチームに油断や慢心のかけらが見当たるはずもない。いつだって心のど真ん中に据えているのは『献身』『誠実』『尊重』。激化するチーム内競争も追い風に、プレミアリーグ制覇への一本道を加速しながら駆け抜けていく鹿島ユースの進撃は、そう簡単に止まらない。


(取材・文 土屋雅史)
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公式戦で最後に負けたのは5月上旬のこと。4か月近い時間にわたって結果を出し続けてきたものの、彼らにそんな意識は微塵もない。目の前の1試合。目の前の1試合。ただひたすらにそれを積み重ね、気付けば15戦無敗という圧倒的な数字を叩き出してきたのだ、
「正直みんなも長期的に勝ってきているというよりは、1試合1試合しっかりやれていることが勝利に繋がっているという感覚だと思うので、何連勝しているとか、何試合負けていないというよりは、一戦一戦戦ってきたことが、今の結果として付いてきているのかなと思います」(鹿島アントラーズユース・大川佑梧)
上位対決の大一番にも、鮮やかに勝ち切って白星奪取!5日、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2025 EAST第16節で、勝点27で3位の流通経済大柏高(千葉)と、勝ち点34で首位の鹿島アントラーズユース(茨城)が激突した好カードは、鹿島ユースがFW高木輝人(3年)とFW吉田湊海(2年)の2トップ揃い踏みで2-0と勝利。アウェイで勝点3を積み上げている。
「前半からお互いにチャンスが少なかったですね」と鹿島ユースのキャプテンを務めるDF大川佑梧(3年)も口にしたように、首位攻防戦となるビッグマッチはともに相手の出方を探るような立ち上がりに。意外だったのは流経大柏の布陣。ここまでの中盤はほとんどの試合でダイヤモンド型を採用していたが、「完全にミラーゲームにしました。あとは元気印があそこに2枚並んでいるのは結構大きいと思って、ですね」とは榎本雅大監督。中盤をフラットにして、ドイスボランチにMF島谷義進(3年/水戸内定)とDFメンディー・サイモン友(2年)を並べる戦い方を選択する。


ボランチの位置で存在感を発揮した流経大柏DFメンディー・サイモン友
一方の鹿島ユースもなかなか攻撃がフィニッシュまで結び付かない中で、飲水タイム前後からは右のMF滝澤周生(1年)と左のMF平島大悟(2年)、サイドハーフの位置を入れ替えると、31分には流れの中からのファーストシュート。時間を作った高木輝人が右へ流し、平島が少し運んで放ったシュートは枠の右へ逸れるも、ようやく惜しい形を作り出す。
そんな中でホームチームに絶好の先制機が訪れたのは38分。MF上田哲郎(3年)が蹴り込んだ右FKから、エリア内で粘ったFW大藤颯太(3年)がマーカーともつれて倒れると、笛を吹いた主審はペナルティスポットを指し示す。キッカーは大藤自ら。鹿島ユースから見れば絶体絶命のピンチだったが、後半戦から出場機会を得ているGK大下幸誠(1年)は極めて冷静だった。
「PKになった瞬間は『マジか……』みたいな感じはあったんですけど、自分の中ではすぐに切り替えて、『これで防いでゼロで前半を終わらせれば、後半は1点2点とどんどん獲っていける』と思っていました」。
自らの右に飛んできたボールを右手1本で弾き出すと、大下の元へとチームメイトも駆け寄ってきたが、当の本人は納得の行くセーブとは感じていなかったようだ。「キッカーと向き合った時に、結構自分の左の方を見ていて、なんかちょっとわざとっぽい感じもしましたし、応援の人たちもキッカーに対してプレッシャーを掛けてくれた中で、ゴロのボールが来たので、読みが当たったのは良かったですけど、あのスピードだったら両手で行って、キャッチしたかったなと思います」。


PKストップで試合の流れを引き寄せた鹿島ユースGK大下幸誠
頼もしい1年生守護神のビッグセーブで、息を吹き返した鹿島ユース。流経大柏は45+2分にも左サイドを切り裂いたMF安藤晃希(3年)の折り返しを、ニアで上田が合わせたシュートもわずかに枠の右へ。前半の45分間は流経大柏がやや押し気味に進めながら、スコアレスで後半へ折り返す。
「幸誠がPKを止めてくれましたし、耐えるところをしっかり耐えられたので、自分たちの強みでもある後半は、『失点しなければ点も獲れる』という感覚がみんなにあったと思います」(大川)。鹿島ユースがもう一度ねじを巻き直して挑む、残りの45分間。ここで“諦めないストライカー”が輝きを放つ。
後半5分は鹿島ユース。左サイドから相手陣内へ侵入すると、滝澤のシュートはDFにブロックされたものの、こぼれを拾ったDF岩土そら(1年)は丁寧なクロスを中央へ。「岩土選手はクロスの精度が練習から凄くいいので、もうここにいれば絶対来ると思っていました」という高木輝人が叩いたヘディングは、右スミのゴールネットへ吸い込まれる。「後期はプリンスにも出ていたんですけど、腐らず頑張ろうと思って、それでチャンスをもらったので、結果を出せて良かったなと思います」と笑った背番号15は2戦連発。大きな1点がアウェイチームに入る。


先制ゴールを挙げた鹿島ユースFW高木輝人
後半15分も鹿島ユース。右サイドでCKを獲得すると、MF大貫琉偉(2年)が蹴り込んだキックはファーまで流れるも、岩土が柔らかいクロスをファーへ。DF元砂晏翔仁ウデンバ(2年)が右から折り返したボールを、吉田が頭でゴールへ流し込む。「流経の選手はみんな向きが変わって、足が止まっていましたし、自分は晏翔仁の横に入るということを意識していたので、晏翔仁がボールを出してくれて、あとは頭で合わせるという感じでした」と口にした2年生エースは、これで今季8点目。2-0。点差が開く。


鹿島ユースFW吉田湊海は代表でもおなじみのパフォーマンス!
「自分たちのやるべきことを前半はできていたと思いますけど、失点がイージーでしたね」と榎本監督も語る流経大柏は、2点のビハインドを追い掛ける展開に。失点直後にはMF山元琉士(3年)とMF昇純希(3年)を同時投入し、メンディーを大藤と前線に並べ、中盤もアンカーに島谷、右に山元、左に安藤、2トップ下に昇を入れるダイヤモンド型にシフト。34分には山元が右から鋭いキックを蹴り込み、こぼれ球はゴール方向に向かうも、間一髪で大貫がクリア。40分には途中出場のDF乙川宙(3年)が右サイドを攻め上がるも、今度は最前線からプレスバックした吉田が好タックルでゴールキックを勝ち獲り、渾身のガッツポーズ。鹿島ユースの集中は途切れない。
「選手が逞しいなと。前半は悪い流れの中で、大下の活躍もあってゼロで帰ってきて、ハーフタイムも選手たちでよく話もしていましたし、本当に選手たちがよく考えて、頑張った結果だなと思います」(中野洋司監督)。4分間のアディショナルタイムもきっちり潰し切った鹿島ユースが2-0で勝利。流経大柏との勝点差を10に広げ、優勝に向けてさらに勢いの付くような白星を、アウェイでもぎ取る結果となった。


リーグ戦ではこれで9試合負けなしとなった鹿島ユースだが、戦力の充実には目を見張るものがある。アタッカー陣では12試合ぶりのスタメンとなった前節で2ゴールを記録し、今節も先制点を挙げた高木輝人が絶好調。滝澤も1年生ながらスタメンの機会が増え、少しずつ持ち味を出し始めている。
さらに守備陣でも「チームを勝たせられるようなキーパーになることが目標」と言い切る大下が、この日のPKストップも含めて好パフォーマンスを継続。前節は年代別代表の活動で欠場した大貫が配されているドイスボランチの一角を、本職はセンターバックのDF倉橋幸暉(1年)がほぼパーフェクトに務め切り、ゴールまでゲット。試合に出る選手が、“代役”とは呼べないような活躍を見せ続けている。
キャプテンの大川はこのサイクルについて、少しだけ誇らしげにこう語っている。「なかなか試合に出ていない選手も、このサッカーにスムーズに入っていけることは感じていますし、あとは代表で選手がいないことを言い訳にしないようにしようとはみんなで言っているので、誰が出ても良いパフォーマンスを出せるのは良いことなのかなと思います」。
ここまで全試合にスタメン出場しているDF朝比奈叶和(3年)も、チーム力の向上には手応えを感じているようだ。「試合に出ることに対する強い想いも、勝ちにこだわる部分も全員が持っていると思いますし、誰が出ても勝てるチーム作りは日ごろから心がけています。1人1人が高め合って、チームの底上げもできていると思います」。
中野監督はここまでのチームの好調にも、「一番は去年からの継続で、ハードワークだったり、球際だったり、負けたくない気持ちを出すというところで、難しい時間帯もここは頑張って耐えようよとか、最後は自分たちが勝つんだとか、そういう意識はみんなの中にあるのかなと思いますね。アントラーズスピリットというか、そういうものは今の選手たちに息衝いているのかなと思います」と話しながら、改めてスタッフワークにも言及している。
「僕は今年からですけど、去年までやられていた柳沢(敦・現トップチームコーチ)さんもそうですし、去年もいた小笠原(満男)さん、里内(猛)さん、岡本(英雄)コーチが選手にもたらしてくれた、そこの上積みのところが大きいのかなと。僕が特別変えたことはなくて、本当にその積み重ねが今の勝ちに来ているのかなとは感じています」。
2位のFC東京U-18との勝点差は8ポイント。残り6試合ということを考えれば、この日の勝利はタイトル獲得へ向けても、大きな意味を持ってくることは間違いないが、大川はあくまでも目の前の1試合の重要性を強調する。
「残りの対戦相手も上位のチームが多いですし、強い相手が多い中で、先を見ていたら届くところにも届かなくなってしまうと思うので、一戦一戦勝つことだけにフォーカスしながら、その中で誰が出ても良いパフォーマンスをして、しっかり1個ずつ勝っていきたいなと思います」。
築き上げつつある、盤石の首位快走態勢。それでも、このチームに油断や慢心のかけらが見当たるはずもない。いつだって心のど真ん中に据えているのは『献身』『誠実』『尊重』。激化するチーム内競争も追い風に、プレミアリーグ制覇への一本道を加速しながら駆け抜けていく鹿島ユースの進撃は、そう簡単に止まらない。


(取材・文 土屋雅史)
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