[新人戦]夏冬2冠・神村学園の新チームはまず「自分ができないことを認める」ことから。優勝旗を持ち帰るため、先輩たちの基準を目指して前へ進む:九州
[2.14 九州新人大会第2ブロック第1節 神村学園高 2-0 大分高 綾町小田爪運動公園多目的競技場]
KYFA 令和7年度 男子第47回九州高等学校(U-17)サッカー大会(宮崎)が14日に開幕した。2025年度インターハイ、選手権2冠の神村学園高(鹿児島1)がブロックリーグ第2ブロック第1節で大分高(大分2)と対戦。2-0で勝った。
九州新人大会3連覇へ向けた神村学園の初戦は、後半の2得点によって白星。だが、攻守ともに納得のいくような内容ではなかった。思い知らされた現状の力。有村圭一郎監督は試合後のミーティングで「自分ができないことを認める」ことを選手たちに求めていた。
1、2年生は先輩たちとともに日本一の景色を見たが、自分たちの力で成し遂げた訳では無い。すぐに先輩たちと同じサッカーができるようになる訳でもない。選手権直後の鹿児島県大会ではやむを得ない部分があったかもしれないが、それから3週間経っても変わることができておらず、選手たちは厳しい表情で指揮官の言葉を受け止めていた。
2冠メンバーの一人で神村学園の特別な番号「14」を背負うMF花城瑛汰(2年/U-17日本高校選抜候補)は、「やっぱり3年生が凄かっただけで、普通に自分たちは乗っかっただけ。自分たちはまだ何も成し遂げてない状態でここにきて、やっぱり何もできないし、サッカーでも、プレー面以外でも、3年生に頼っていたなっていう部分はあります」と首を振る。
そして、「もっと他人任せじゃなくて、自分事として色々と捉えて、(監督の有村圭一郎)先生がいつも言っているように主体的に動いていかないといけないなと思いました」と続けた。
九州初戦の先発はGK常岡賢太郎(2年)、DFはゲーム主将の尾関晴(2年)、米村颯真(1年)、大空星那(2年/U-17日本高校選抜候補)の3バック、中江銀次(2年)と長友奏大(2年)のダブルボランチ、右WB奥田敦斗(2年)、左WB伏原俐空(2年)、花城と木村絆久(2年)の2シャドー、そして最前線に岡野綱人(2年)が構えた。DF竹野楓太主将(2年)は「育成年代応援プロジェクト JFA アディダス DREAM ROAD」でのアヤックス(オランダ)への短期留学などによって1月からチームを離れており、九州大会後に合流予定となっている。


この日対戦した大分は中を閉じて神村学園の縦パスを封じ、ゴール前の局面では空中戦、地上戦での強さが光るCB矢野晃也主将(2年)が中心となって跳ね返していた。アンカーのMF椎原吟峨(2年)やCB大河聡(2年)らがボールを奪うと、それを素早く縦に差し込み、FW吉良匠生(2年)がタイミング良く抜け出して応援席を沸かせていた。


神村学園は3バックの中央で一際存在感を放つ米村のインターセプトから花城がドリブルで持ち込んでシュート。また、大空がボランチのような位置取りで攻撃を組み立て、岡部や伏原がポケットを取りに行った。そして、木村らがシュートへ持ち込んだが、全体的に距離感が遠く、連係ミスも。奪い返せずにカウンターを受け、いずれも対人守備の強い尾関や米村のところで何とか止めるようなシーンもあった。




神村学園は前半のうちに中江とMF児玉称(1年)をスイッチ。前半は相手の集中した守備苦しんで0-0で終えたが、「距離感がよくなって、質が上がった」(花城)という後半に2点を奪った。後半4分、カウンターから花城が中央で相手DFの前に潜り込んで前進。そして、左の伏原が粘ってクロスを上げ切る。最後は岡野が左足ダイレクトで決め、先制した。




神村学園は長友の右クロスを花城がバイシクルシュートで狙うなど追加点を目指す。大分もFW佐藤成(2年)のドリブルシュートなどで攻め返したが、神村学園はMF山室優貴(2年)、MF伊藤賢人(2年)を同時投入した後の21分に2点目。花城の左CKを中央の米村が頭でネットに突き刺した。


神村学園は終盤、DF眞弓陽夢(1年)、FW大藪壯太郎(2年)も交代出場。被シュート2で白星スタートを切ったが、選手たちは自分たちが県大会から大きく前進することができていないことを痛感していた。
神村学園の歴史を塗り替えた先輩たちは、すでに次のステージでの活躍を始めている。前主将で現いわきのDF中野陽斗はJ2・J3百年構想リーグ開幕節でフル出場し、1-0での勝利に貢献。MF福島和毅(福岡)は怪我もあってやや出遅れたものの、FW徳村楓大(町田)はJ1百年構想リーグ開幕節でベンチ入りし、MF荒木仁翔(いわき)とFW日髙元(RB大宮)も早くもJ2・J3百年構想リーグ開幕節でのベンチ入りを果たしている。
有村監督は「やっぱり3年間みっちりフィジカルトレーニングもやってきている連中だから多分、プロですぐ戦っていけるぐらいのベースが出来上がっていると思います」という。妥協せずに成長、結果を目指してきた3年生は、神村学園での3年間で培ってきたことがJクラブでの評価に。一方で現2年生はメンタル面の課題などはあるものの、個々の実力は先輩たちにも引けを取らない。それだけに、「どういう風にサッカー考えて、やるか」(有村監督)で先輩たちに続く可能性は十分にある。
花城は「(1年前の)この時期、3年生はまだ何もできてないっていうのを自分も目で見てきてたので。でも、3年生は生活からどんどん変えていって、その分、最後の選手権でやっぱり成長した人は成長して上に行けたなと」。特に責任感を持って日常を過ごしていたというのが中野。自分たちも見習って、日常を変えていく。
指揮官からの檄を受けた後の第2節・秀岳館高(熊本2)戦では、MF増田宗一郎(1年)がGKをかわして先制点を決めると、岡野、木村がファインゴールを決めるなど6-0で快勝。第3節を前に決勝トーナメント進出を決めた。今大会の目標は優勝旗を鹿児島に持ち帰ることだ。
花城は「1個上は(トーナメント戦の)優勝旗を全部持っているので、タイトル1つも渡せないっていう形なんですけど、やっぱ自分たちも下にいいプレッシャーを与えたいなと思っているので、全部優勝旗を持って帰りたいと思います」。先輩たちはインターハイ、選手権の2冠に加え、九州新人大会、九州総体も優勝。鹿児島3冠も果たしている。新生・神村学園は次の試合に対する準備、声がけ、切り替えの速さ、強度など、できることからチャレンジ。そして、九州新人大会の優勝旗を鹿児島に持ち帰る。


(取材・文 吉田太郎)
KYFA 令和7年度 男子第47回九州高等学校(U-17)サッカー大会(宮崎)が14日に開幕した。2025年度インターハイ、選手権2冠の神村学園高(鹿児島1)がブロックリーグ第2ブロック第1節で大分高(大分2)と対戦。2-0で勝った。
九州新人大会3連覇へ向けた神村学園の初戦は、後半の2得点によって白星。だが、攻守ともに納得のいくような内容ではなかった。思い知らされた現状の力。有村圭一郎監督は試合後のミーティングで「自分ができないことを認める」ことを選手たちに求めていた。
1、2年生は先輩たちとともに日本一の景色を見たが、自分たちの力で成し遂げた訳では無い。すぐに先輩たちと同じサッカーができるようになる訳でもない。選手権直後の鹿児島県大会ではやむを得ない部分があったかもしれないが、それから3週間経っても変わることができておらず、選手たちは厳しい表情で指揮官の言葉を受け止めていた。
2冠メンバーの一人で神村学園の特別な番号「14」を背負うMF花城瑛汰(2年/U-17日本高校選抜候補)は、「やっぱり3年生が凄かっただけで、普通に自分たちは乗っかっただけ。自分たちはまだ何も成し遂げてない状態でここにきて、やっぱり何もできないし、サッカーでも、プレー面以外でも、3年生に頼っていたなっていう部分はあります」と首を振る。
そして、「もっと他人任せじゃなくて、自分事として色々と捉えて、(監督の有村圭一郎)先生がいつも言っているように主体的に動いていかないといけないなと思いました」と続けた。
九州初戦の先発はGK常岡賢太郎(2年)、DFはゲーム主将の尾関晴(2年)、米村颯真(1年)、大空星那(2年/U-17日本高校選抜候補)の3バック、中江銀次(2年)と長友奏大(2年)のダブルボランチ、右WB奥田敦斗(2年)、左WB伏原俐空(2年)、花城と木村絆久(2年)の2シャドー、そして最前線に岡野綱人(2年)が構えた。DF竹野楓太主将(2年)は「育成年代応援プロジェクト JFA アディダス DREAM ROAD」でのアヤックス(オランダ)への短期留学などによって1月からチームを離れており、九州大会後に合流予定となっている。


神村学園の先発イレブン
この日対戦した大分は中を閉じて神村学園の縦パスを封じ、ゴール前の局面では空中戦、地上戦での強さが光るCB矢野晃也主将(2年)が中心となって跳ね返していた。アンカーのMF椎原吟峨(2年)やCB大河聡(2年)らがボールを奪うと、それを素早く縦に差し込み、FW吉良匠生(2年)がタイミング良く抜け出して応援席を沸かせていた。


大分は王者に挑戦
神村学園は3バックの中央で一際存在感を放つ米村のインターセプトから花城がドリブルで持ち込んでシュート。また、大空がボランチのような位置取りで攻撃を組み立て、岡部や伏原がポケットを取りに行った。そして、木村らがシュートへ持ち込んだが、全体的に距離感が遠く、連係ミスも。奪い返せずにカウンターを受け、いずれも対人守備の強い尾関や米村のところで何とか止めるようなシーンもあった。


DF大空星那は再三攻撃に加わり、チャンスの起点に


大分はCB矢野晃也主将が中心となって相手の攻撃を跳ね返した
神村学園は前半のうちに中江とMF児玉称(1年)をスイッチ。前半は相手の集中した守備苦しんで0-0で終えたが、「距離感がよくなって、質が上がった」(花城)という後半に2点を奪った。後半4分、カウンターから花城が中央で相手DFの前に潜り込んで前進。そして、左の伏原が粘ってクロスを上げ切る。最後は岡野が左足ダイレクトで決め、先制した。


後半4分、神村学園FW岡野綱人が先制ゴール


神村学園MF伏原俐空は先制点をアシスト
神村学園は長友の右クロスを花城がバイシクルシュートで狙うなど追加点を目指す。大分もFW佐藤成(2年)のドリブルシュートなどで攻め返したが、神村学園はMF山室優貴(2年)、MF伊藤賢人(2年)を同時投入した後の21分に2点目。花城の左CKを中央の米村が頭でネットに突き刺した。


後半21分、神村学園DF米村颯真がヘディングシュートを決めて2-0
神村学園は終盤、DF眞弓陽夢(1年)、FW大藪壯太郎(2年)も交代出場。被シュート2で白星スタートを切ったが、選手たちは自分たちが県大会から大きく前進することができていないことを痛感していた。
神村学園の歴史を塗り替えた先輩たちは、すでに次のステージでの活躍を始めている。前主将で現いわきのDF中野陽斗はJ2・J3百年構想リーグ開幕節でフル出場し、1-0での勝利に貢献。MF福島和毅(福岡)は怪我もあってやや出遅れたものの、FW徳村楓大(町田)はJ1百年構想リーグ開幕節でベンチ入りし、MF荒木仁翔(いわき)とFW日髙元(RB大宮)も早くもJ2・J3百年構想リーグ開幕節でのベンチ入りを果たしている。
有村監督は「やっぱり3年間みっちりフィジカルトレーニングもやってきている連中だから多分、プロですぐ戦っていけるぐらいのベースが出来上がっていると思います」という。妥協せずに成長、結果を目指してきた3年生は、神村学園での3年間で培ってきたことがJクラブでの評価に。一方で現2年生はメンタル面の課題などはあるものの、個々の実力は先輩たちにも引けを取らない。それだけに、「どういう風にサッカー考えて、やるか」(有村監督)で先輩たちに続く可能性は十分にある。
花城は「(1年前の)この時期、3年生はまだ何もできてないっていうのを自分も目で見てきてたので。でも、3年生は生活からどんどん変えていって、その分、最後の選手権でやっぱり成長した人は成長して上に行けたなと」。特に責任感を持って日常を過ごしていたというのが中野。自分たちも見習って、日常を変えていく。
指揮官からの檄を受けた後の第2節・秀岳館高(熊本2)戦では、MF増田宗一郎(1年)がGKをかわして先制点を決めると、岡野、木村がファインゴールを決めるなど6-0で快勝。第3節を前に決勝トーナメント進出を決めた。今大会の目標は優勝旗を鹿児島に持ち帰ることだ。
花城は「1個上は(トーナメント戦の)優勝旗を全部持っているので、タイトル1つも渡せないっていう形なんですけど、やっぱ自分たちも下にいいプレッシャーを与えたいなと思っているので、全部優勝旗を持って帰りたいと思います」。先輩たちはインターハイ、選手権の2冠に加え、九州新人大会、九州総体も優勝。鹿児島3冠も果たしている。新生・神村学園は次の試合に対する準備、声がけ、切り替えの速さ、強度など、できることからチャレンジ。そして、九州新人大会の優勝旗を鹿児島に持ち帰る。


神村学園のゲーム主将DF尾関晴は無失点勝利に貢献
(取材・文 吉田太郎)



