PROFILE
かわしま・えいじ
1983年3月20日、埼玉県生まれ。2001年、浦和東高校から大宮アルディージャに入団。その後、名古屋グランパスエイト(現名古屋グランパス)、川崎フロンターレを経て、2010年にベルギーのリールセへ移籍。2012年からはスタンダール・リエージュでプレーしている。日本を代表するゴールキーパーの一人。
PROFILE
かわしま・えいじ
1983年3月20日、埼玉県生まれ。2001年、浦和東高校から大宮アルディージャに入団。その後、名古屋グランパスエイト(現名古屋グランパス)、川崎フロンターレを経て、2010年にベルギーのリールセへ移籍。2012年からはスタンダール・リエージュでプレーしている。日本を代表するゴールキーパーの一人。
とにかくゴールに向かわないと、ホームでもサポーターからブーイングを受けます。きれいなサッカーをしているだけでは、ファンから認められないんです。後ろでボールを回していたら、ホームでもブーイング。とにかく前に進まないといけない。ゴールに向かう意識は違うかもしれないですね。ゴールキーパーとすれば、なおさらボールが来る機会も多くなります。
日本にいた時の当たり前の基準と、ベルギーに来てからの当たり前の基準というのも変わったと思います。日本ではパンチングでもオーケーだったシュートを、ベルギーではキャッチしないといけないとか、日本だったらディフェンダ―に任せてもよかった場面で、ゴールキーパーが自分で処理しないといけないとか、そういう感覚は違いますね。こっちの選手は練習でもシュートを思い切り打って来ます。それでも「キャッチしろ」と言われますし、そこはベルギーに移籍してきて、一番感じた違いでしたね。
初めてベルギーに来たときは、「日本人はこういう目で見られているんだろうな」とか「日本人だから、こういうひどい冗談を言われるのかな」とか、そういう先入観もありました。例えば、4失点して負けた試合の翌日の練習で、チームメイトから「お前は昨日、何もしてないから疲れてないだろ?」と言われたことがあったんです。はじめは冗談として受け取れなくて、「なんでこんなことを言うんだろう」と思ったりもしました。でも、こっちの選手はそういう冗談に対して、どういう返しができるかみたいなところでコミュニケーションを取るんですよね。そういう感覚が最初は分からなかった。でも、言葉を話せるようになって、コミュニケーションが取れるようになってからは、相手のユーモアのセンスも分かってきましたね。
フランス語にはもともと興味があって、多少は勉強していたんですが、はじめはほとんど通じませんでした。でも、フランス語を勉強するきっかけとしてちょうどいいかなと思って。移籍するまではオランダ語圏に住んでいましたが、リエージュはフランス語圏なので、日常生活の中でもフランス語を学ぶことができます。
ベルギーにいて、ちょっと得をしているなと思うのは、普段からいろんな国の人がいろんな言葉を話しているのを耳にして、自分が口にする機会も多いということです。基本的に外国人同士は英語でコミュニケーションを取りますが、みんなでレストランに行くと、テーブルの向こう側はフランス語で、こっち側は英語で話しているということも普通にあります。たまに混乱することもありますけど、もう慣れましたね(笑)。
ゴールキーパーは一つのミスが命取りになるポジションです。基本的な反復練習はすごく大事ですが、それに加えて、自分で考えるということも意識してほしいですね。練習にしても、どういう食事を取るのかにしても、他人に言われたことをただやるだけではなく、自分で考えるということが大事だし、それが自分自身のプレーにもつながっていくと思います。自分の考えを持って、練習にも試合にも取り組んでいってもらいたいですね。
Photo:Kaoru WATANABE
試合が夜のときは昼寝をするので、
昼寝の前と後で付け替えています。
試合前にコンタクトレンズを付け替えることで、気合のスイッチが入ります。
ゴールキーパーは一つのミスが命取りになるポジションです。基本的な反復練習はすごく大事ですが、それに加えて、自分で考えるということも意識してほしいですね。練習にしても、どういう食事を取るのかにしても、他人に言われたことをただやるだけではなく、自分で考えるということが大事だし、それが自分自身のプレーにもつながっていくと思います。自分の考えを持って、練習にも試合にも取り組んでいってもらいたいですね。
Photo:Kaoru WATANABE