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狙い通りの試合運びでなくとも「勝つことが大事」…勝負強さ発揮の広島ユース、京都U-18に競り勝ち白星発進!!

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逃げ切ったサンフレッチェ広島ユースが白星発進

[7.22 クラブユース選手権(U-18)GL第1節 広島ユース 2-1 京都U-18 維新みらいふスタジアム]

 35分ハーフの短期決戦。暑さもあり、通常とは異なるシュチュエーションで狙い通りの試合運びができない。だが、サンフレッチェ広島ユースは効率よくゴールを重ねつつ、勝負に徹しながら確実に勝利を掴んだ。

 第48回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)が22日に開幕。Fグループに所属する広島は、山口県の維新みらいふスタジアムで京都サンガF.C.U-18と対戦した。

 高円宮杯 JFA U-18プレミアリーグWESTで2位に付ける広島は同リーグ10戦8発のエース・FW井上愛簾(3年)、203cmの主将・CB木吹翔太(3年)に加え、司令塔・MF中島洋太朗(3年)を先発で起用。試合前日となる21日のJ1第24節鳥栖戦でベンチ入りしていた10番の中島が戻り、トップ昇格組トリオを揃えてオープニングマッチに臨んだ。

 3-4-2-1の布陣でスタートした広島だったが、思惑通りに試合を進められない。「もうちょっと中盤でボールを動かしたいという思いが僕の頭の中ではあった」とは野田知監督の言葉。「35分ハーフで相手も頑張り切れてしまうのでなかなか出せなかった」と指揮官が振り返ったように、序盤から球際での攻防が続く展開となった。そのため、最終ラインからボールをつなげず、攻守が即座に入れ替わる形に。縦に速い攻撃が多くなったが、広島は最初のチャンスを確実に仕留める。

 前半15分、ルーズボールをミドルゾーンで拾ったMF小林志紋(2年)がFW宗田椛生(2年)に縦パスを供給。宗田はダイレクトでゴール前にパスを送ると、相手DFに当たったボールが井上の前にこぼれる。このボールを収めた井上が冷静に右足で流し込んだ。

 幸先よく先制した広島だったが、以降も京都の素早い寄せと球際の強さに苦戦。しかし、タフに戦い続けて試合の主導権を相手に渡さない。特に素晴らしかったのが、ダブルボランチを務める中島と今季初スタメンとなったU-16日本代表・MF野口蓮斗(1年)のパフォーマンス。ピンチの芽を潰しながら、高い位置にも顔を出して攻守のつなぎ役を担った。後半に入ってもこの二人を中心にゲームをコントロールし、要所を締めていく。すると、後半16分に完璧な崩しから追加点を奪う。

 左サイドのスローインを起点に井上が巧みなターンで狭いエリアを突破。中に折り返すと、宗田がダイレクトで左WB橋本日向(3年)へはたく。相手DFをパスワークで翻弄すると右サイドから走り込んできた途中出場のDF桝谷歩希(3年)がネットを揺らした。

「あれは気持ち良かった」と指揮官も絶賛した理想の形からリードを広げると、以降は粘り強い守備とショートカウンター主体の攻撃でゲームをクローズさせにいく。終盤は押し込まれるシーンが増え、35分にゴール前の混戦から京都の10番・MF立川遼翔(3年)にループシュートを決められたが、木吹を中心になんとか守り切って初戦を白星で飾った。

 思い描いた展開ではなかったかもしれない。想像以上に肉弾戦となり、暑さの影響で体力も消耗した。それでも、勝利を収めることが準々決勝進出への近道となる。「勝つことが大事。1位しか抜けられないので、(グループリーグは)勝ち点3を取り続けないといけない」(野田監督)。今年からレギュレーションの変更でグループ1位だけがノックアウトステージに進めるため、1つの取りこぼしが大きな影響を与える。決して綺麗な勝ち方ではなかったが、20年ぶりの優勝に向けて好スタートを切ったのは間違いない。

(取材・文 松尾祐希)

●第48回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)特集

ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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