[MOM5312]那覇西MF具志堅洸(3年)_ピッチの中心で仲間を導き続ける精神的支柱、1G1Aの活躍で2連覇の立役者に!!
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.8 選手権沖縄県予選決勝 鹿島朝日高 1-3 那覇西高 沖縄県総合運動公園陸上競技場]
先制を許した瞬間、キャプテンの顔に浮かんだのは焦りではなかった。静かな、しかし確かな闘志だった。
インサイドハーフに立つ那覇西高MF具志堅洸(3年)は、この日1ゴール1アシストの活躍でチームを2年連続の全国大会へ導く立役者となる。試合後、笑顔で仲間に囲まれながらも、その瞳が語っていたのは「まだ通過点だ」という揺るぎない意志だった。
前半17分、鹿島朝日高に先制を許した直後のことだ。左コーナーキックのチャンス。ボールをセットした具志堅は、ほんの一瞬だけ風向きを確認すると、迷わず直接ゴールを狙った。狙いすましたボールは相手GKの頭上を越え、ネットを揺らす。直接CKによる同点弾だ。「(170cmの)キーパーの高さを事前に見ていて、『あるかも』と思っていました」。淡々と振り返る彼の言葉に、計算されたプレーの裏側が垣間見える。この一撃で那覇西は落ち着きを取り戻し、チーム全体に再び火がついた。
試合は延長戦へ。後半3分、疲労が極限に達する中でも具志堅の右足は冴えていた。右サイドから放たれたアーリークロスは、まるで定規で引いたような正確さでゴール前へ。FW上原文大郎(2年)の決勝ゴールを演出した瞬間だった。「いつも練習でやっている形。文句なしのクロスでした」。上原の感謝の言葉が、そのクロスの完成度を物語る。
狙ったのは「前半から目をつけていた」というGKとDFラインの間。GKが出にくく、DFが触りづらい絶妙なエリアだ。「ファーストディフェンダーの頭を超えるようなボールを入れることを意識していました。あのスペースは前半からずっと空いていたんです」。繊細なタッチで放たれたクロスは、相手GKの出足を封じながら完璧な軌道を描いた。試合を決定づけたこのプレーは、ピッチ上で設計図を描き続けていたキャプテンの冷静さと準備の結晶だった。
「僕らは挑戦者として戦い続けてきた。失点しても『大丈夫、できるぞ』と仲間に声をかけました」。王者としてのプレッシャーではなく、「挑戦者」の気持ちで戦い抜く。その姿勢がチームの精神的支柱となっている。
昨年出場した全国選手権で痛感した「フィジカルの壁」。それを乗り越えるため、この1年は体づくりに時間を費やした。筋力トレーニングに加え、週1回の波の上ビーチでの砂浜トレーニング。瞬発力と持久力を徹底的に鍛え上げた。試合終盤でも落ちない運動量と対人の強さはその成果にほかならない。「前は体で負けることが多かった。でも今は対人が自分のストロングだと思えるようになりました」。
胸を張って語る具志堅には、もう一つ、大きな刺激がある。中学時代に「Wウイング沖縄FC」でともに汗を流したMF高江洲春虎の存在だ。親友でありライバルでもある彼は現在、昌平高でプレー。9日の準決勝で成徳深谷高を破り決勝進出。16日に武南高と埼玉県代表の座をかけて戦う。「全国でまた戦える日を楽しみにしている」。その言葉には、再び全国の舞台で光を放つ自信がにじんでいた。
具志堅にとって県大会制覇はあくまで通過点だ。「目標は全国で勝つこと。初戦突破をまず達成したい」。那覇西のエンジンであり、灯台であり続ける彼は、ピッチの中心で仲間を導き続ける。
(取材・文 仲本兼進)
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[11.8 選手権沖縄県予選決勝 鹿島朝日高 1-3 那覇西高 沖縄県総合運動公園陸上競技場]
先制を許した瞬間、キャプテンの顔に浮かんだのは焦りではなかった。静かな、しかし確かな闘志だった。
インサイドハーフに立つ那覇西高MF具志堅洸(3年)は、この日1ゴール1アシストの活躍でチームを2年連続の全国大会へ導く立役者となる。試合後、笑顔で仲間に囲まれながらも、その瞳が語っていたのは「まだ通過点だ」という揺るぎない意志だった。
前半17分、鹿島朝日高に先制を許した直後のことだ。左コーナーキックのチャンス。ボールをセットした具志堅は、ほんの一瞬だけ風向きを確認すると、迷わず直接ゴールを狙った。狙いすましたボールは相手GKの頭上を越え、ネットを揺らす。直接CKによる同点弾だ。「(170cmの)キーパーの高さを事前に見ていて、『あるかも』と思っていました」。淡々と振り返る彼の言葉に、計算されたプレーの裏側が垣間見える。この一撃で那覇西は落ち着きを取り戻し、チーム全体に再び火がついた。
試合は延長戦へ。後半3分、疲労が極限に達する中でも具志堅の右足は冴えていた。右サイドから放たれたアーリークロスは、まるで定規で引いたような正確さでゴール前へ。FW上原文大郎(2年)の決勝ゴールを演出した瞬間だった。「いつも練習でやっている形。文句なしのクロスでした」。上原の感謝の言葉が、そのクロスの完成度を物語る。
狙ったのは「前半から目をつけていた」というGKとDFラインの間。GKが出にくく、DFが触りづらい絶妙なエリアだ。「ファーストディフェンダーの頭を超えるようなボールを入れることを意識していました。あのスペースは前半からずっと空いていたんです」。繊細なタッチで放たれたクロスは、相手GKの出足を封じながら完璧な軌道を描いた。試合を決定づけたこのプレーは、ピッチ上で設計図を描き続けていたキャプテンの冷静さと準備の結晶だった。
「僕らは挑戦者として戦い続けてきた。失点しても『大丈夫、できるぞ』と仲間に声をかけました」。王者としてのプレッシャーではなく、「挑戦者」の気持ちで戦い抜く。その姿勢がチームの精神的支柱となっている。
昨年出場した全国選手権で痛感した「フィジカルの壁」。それを乗り越えるため、この1年は体づくりに時間を費やした。筋力トレーニングに加え、週1回の波の上ビーチでの砂浜トレーニング。瞬発力と持久力を徹底的に鍛え上げた。試合終盤でも落ちない運動量と対人の強さはその成果にほかならない。「前は体で負けることが多かった。でも今は対人が自分のストロングだと思えるようになりました」。
胸を張って語る具志堅には、もう一つ、大きな刺激がある。中学時代に「Wウイング沖縄FC」でともに汗を流したMF高江洲春虎の存在だ。親友でありライバルでもある彼は現在、昌平高でプレー。9日の準決勝で成徳深谷高を破り決勝進出。16日に武南高と埼玉県代表の座をかけて戦う。「全国でまた戦える日を楽しみにしている」。その言葉には、再び全国の舞台で光を放つ自信がにじんでいた。
具志堅にとって県大会制覇はあくまで通過点だ。「目標は全国で勝つこと。初戦突破をまず達成したい」。那覇西のエンジンであり、灯台であり続ける彼は、ピッチの中心で仲間を導き続ける。
(取材・文 仲本兼進)
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