beacon

ライバル2人はJ内定。双子の兄・快星と協力、諦めずに準備してきたMF平良晟也がシーズン最終盤で前橋育英のクローザーから先発ボランチに

ポスト
Xに投稿
Facebookでシェア
Facebookでシェア
URLをコピー
URLをコピー
URLをコピーしました

シーズン最終盤に前橋育英高で先発機会を増やしているMF平良晟也(3年=ツエーゲン金沢U-15出身、右)と助け合ってきた双子の兄・FW平良快星(3年=ツエーゲン金沢U-15出身)

 ライバル2人がJリーグクラブ内定という環境で、諦めずに努力。試合を締めるクローザーの役割を担っていたボランチが一躍、王者の先発候補に名乗りを上げている。前橋育英高(群馬)のMF平良晟也(3年=ツエーゲン金沢U-15出身)は、プレミアリーグEASTのラスト2試合で先発出場。いずれも勝利で終え、先発定着へアピールした。

 持ち味は守備だ。低い姿勢のままボールホルダーへ飛び込むアプローチは非常に鋭く、味方と連動して相手を囲い込む動きや切り替え、プレスバックの速さ、ゴール前での粘り強さも特長。他の選手にはないものを期待されていることを理解し、それを全力で表現しようとしている。

 ボランチのポジションを争うライバルはMF竹ノ谷優駕主将(3年/山形内定)とMF柴野快仁(3年/今治内定)だ。彼らの壁は厚く、今年は9月までのプレミアリーグEAST、インターハイの全国大会で全て交代出場。試合を締める役割を担っていた。

 竹ノ谷、柴野はともにU-17日本高校選抜でも主力を担っていたプレーヤー。平良晟也が本職のボランチで出場するための壁は、高体連のどのチームよりも厚いものになっていた。だが、彼らの存在に感謝する。

「その2人のお陰でっていうか、その2人がいるから自分はもっと向上心持ってやらないといけないし、その2人に負けてるようじゃ将来、自分もサッカー選手っていう目標がある中で通用しないと思うんで、その2人には負けないように毎日頑張っています」

 また、「(自分は)結構感情出すタイプだと思います。負けるの嫌いなんで」という性格。下のカテゴリーで頑張る双子の兄・FW平良快星(3年)の存在もエネルギーになっている。「自分が諦めたらもう家族でここに来た意味がない」「(何があっても)自分だけは諦めずにやってやろう」と努力。1年時から体重を5、6kg増量し、止める・蹴る・運ぶの技術も伸ばしてきたMFは、10月以降のプレミアリーグEASTで計4試合に先発し、山田耕介監督も状態の良さを認めている。リーグ戦ラスト2試合は竹ノ谷が最終ラインに回り、平良晟也はボランチとして先発。本人は自身により攻撃面での安定感を求めるが、選手権で先発するチャンスは十分にありそうだ。

 平良晟也は沖縄県出身。中学進学時、3歳年上の兄が沖縄から石川の名門・星稜高へ進学したことで、自分も平良快星とともにツエーゲン金沢U-15でのチャレンジすることを決断した。沖縄に父を残し、2人の兄、母とともに石川県へ。そこで日本クラブユース選手権(U-15)大会8強入りを経験すると、「(3年時に)テレビでインターハイ見ていて、その時に育英が凄くいいサッカーして、自分も育英でサッカーしたいと思って双子の2人でセレクションに来て」合格し、群馬で母のサポートを受けながら新たな挑戦をスタートした。

 前橋育英1年時には平良晟也も、平良快星もプレミアリーグEAST開幕登録メンバー入り。中でも平良晟也は4月9日の第2節(対旭川実高)に交代出場し、同期の誰よりも早く公式戦デビューを果たす。名門・前橋育英で、1年時ながらプレミアリーグEASTの計7試合に出場。だが、その後は苦しい時期が続いた。

 同年10月に右足腓骨骨折で3か月間離脱。2年時はプレミアリーグEAST開幕6試合で5試合に先発出場したが、柴野の台頭によって先発の座を失ってしまう。そして、竹ノ谷もボランチを務める機会が増加。平良晟也は勝負の3年目だった今年も3月に恥骨骨折し、再び3か月間離脱をしてしまった。

 気持ちが切れそうになった時期もあったことを明かす。だが、兄・快星が「人としてはめっちゃ頑固で、負けず嫌いで、口喧嘩とかしてももう絶対言い返してくるんですけど、その部分がサッカーに逆に繋がって、試合の中でも、我慢強いとか負けず嫌いなところのいい部分が出てるのかなとは少し思う時もあります」という弟は、その強みも活かしてチームに貢献する。

 また、平良晟也は「このままじゃ自分は出れないっていう自覚を持って練習とか取り組んで、絶対チャンスが来たら絶対自分のものにしてやろうっていう感じで、ずっと準備はしていました」という努力。兄弟が互いに試合を見れる時には兄弟のプレーをチェックし、互いにアドバイスをしながら高め合ってきたことも、平良晟也が立ち位置を変えることに繋がったようだ。

 前橋育英は28日開幕の第104回全国高校サッカー選手権で2連覇に挑戦。兄・快星は30人の選手権登録メンバーから外れたものの、その3年間について「育英では人間性とかも学べて。サッカーとしてもですけど、人として結構成長できる環境でもあるし、やっぱ来て全然後悔はないです」と言い切り、弟・晟也も「みんなほんとにレベル高くて、個人技が凄い。北信越はそれに比べてちょっと劣る部分があるんで、ここに来て良かったなと思いますし、そういう前橋育英の高いレベルの環境でやれたことで、自分たちもこの3年間ちょっとでも上手くなったと思うんで、それは間違ってない選択だったと思います」と頷く。

 平良快星は前橋育英の仲間たちに対し、「去年優勝して、今年も、ってなってる中で最初はなんか自分はトップじゃないから分からないし、少し言い方悪いですけど、ちょっと調子乗ってた感じがあったと思うんですけど、今、それを克服して、チームの状況が良くなってからプレミアも2位とかいい成績が残せたと思うんで、だからもう応援してる側としても自信持って応援できるって感じです」とエールを送る。

 また、背番号6を背負って選手権に臨む弟には「(自分は他の同級生、弟にも)負けてる気はしないです」と微笑んだ上で、「もう全員刈り取って、もう全国の強豪のやつら全員削って、スタンドもっと盛り上げて欲しいです」と期待した。

 平良晟也は選手権開幕後もポジション争いは続くが、兄の分も躍動する意気込み。「この選手権が最後の大会なんで、自分がベンチだろうと、スタメンだろうと、チームをサポートして、チームのために戦って、そういう行動をしていれば自然に結果とかプレーも良くなると思うんで、そこでいいアピールになればスタメンにもなれると思うんで、そこで頑張っていきたいと思います。絶対上まで行って、いい結果を残せるように頑張りたいです」と誓った。卒業後、平良兄弟はアメリカの別々の大学へ進学予定。その前に前橋育英での3年間を一緒に笑顔で終える。

MF平良晟也は守備力を特長とするボランチだ

選手権でもチームのために戦う

(取材・文 吉田太郎)


●第104回全国高校サッカー選手権特集
▶話題沸騰!『ヤーレンズの一生ボケても怒られないサッカーの話』好評配信中
吉田太郎
Text by 吉田太郎

「ゲキサカ」ショート動画

TOP