前日練習でハマった3バックの3-6-1採用が奏功。徳島市立が対戦相手、状況に応じた戦いで国立1勝
[12.28 選手権開幕戦 早稲田実高 1-4 徳島市立高 国立]
徳島市立高(徳島)が2019年度大会以来となる1勝を国立競技場で達成。徳島県予選決勝では4バックを採用していたが、今回の開幕戦は3バックで臨み、白星を勝ち取った。予選後に「(3バックは)いざとなったらできるように。ちょっとだけ練習はしてたんですよ」と河野博幸監督。早稲田実高(東京B)戦へ向けて3バックでチームを作って来た訳ではなく、練習試合も行っていなかったという。予選同様4バックで臨むことを考えていたが、チームは開幕戦前日に変更することを決断。それが奏功する形となった。
河野監督は「(前日に)何パターンか、ちょっと5分ずつぐらいでもいいから試してみて、(3バックが)案外ハマっちゃったんで。システム的にも、あんまり自分たちが動かないで、相手にもプレッシャー掛けれるし、相手の嫌なところにも入れるから、これでもいいんじゃないかって話になって」と説明する。
加えて、「選手に聞いても、(DF)3枚の方がもしかしたらやりやすいかもしれないと。(相手の攻撃が)長いボールっていうのは分かってるんで、そこを上手くつついて来たり、繋がれたりしたら、また対応が変わってくるんですけど、多分そうじゃない展開になるだろうから、やってみようかと」。全国大会で勝つためには、得意の4バックのシステムやポゼッションだけでなく様々な戦い方ができなければならない。3バックは元々、指揮官が考えていたプランの一つでもあった。
スピードのある相手2トップに対し、DF川村康生(2年)、DF柏木優一朗(2年)、DF松山哲也(3年)の3バックが対応。また、怪我から復帰してきたMF牛尾律貴主将(3年)を左WBとして起用することや、MF東海林蓮(2年)とMF芳田翠(2年)がサイドに張るよりも2シャドーとして相手3バックの前やアンカーの脇にいること、ゴールに近い位置でプレーすることといった3バックにしたことによるメリットが、ゴールにも結びついた。
序盤にあった相手のチャンスで決められていたら、異なる試合展開になっていたかもしれない。だが、結果的に3バックを採用したことによって各選手の役割がより明確化され、緊張気味だった序盤を除くと伸び伸びとプレー。相手のミスに乗じて芳田が先制し、牛尾のクロスから東海林が決めるなど、セットプレーやサイド攻撃で相手の急所を突いてリードを広げることに成功した。
近年の選手権は、力のある世代が「自分たちがやりたいことにちょっとこだわりすぎて」(河野監督)勝ち切ることができなかった。一方で今年の3年生は先輩たちに比べると技術力は高くないものの、身体能力の高さが特長。徳島市立らしいポゼッションにこだわり過ぎることなく、サイドの推進力や前線の強さなどシンプルに彼らの良さも活かしながら、対戦相手、試合状況に応じた戦いで白星を勝ち取った。
徳島市立OBの河野監督は高校時代、全日本ユース(U-18)選手権とインターハイで日本一を経験しているが、当時の全日本ユース選手権決勝は西が丘サッカー場開催。国立競技場のピッチで躍動した選手たちに「羨ましいですね」と目を細めた一方、「凄いいい舞台で、素晴らしい舞台なんですけど、1回戦なんですね。『勝ち上がっての国立』じゃないんで」と強調する。
だからこそ、試合後には「『ここじゃないだろう』『次』っていうところで、すぐ戻ってまたやらないといけない」と引き締めていた。勝ち上がって再び国立競技場に戻ってくるためには、あと3回勝たなければならない。2回戦(31日)では、29日開催の聖和学園高(宮城)対那覇西高(沖縄)戦の勝者と対戦。2回戦まで1日多く休養が取れるアドバンテージをしっかりと活かして準備し、勝利して「勝ち上がっての国立」に一歩前進する。
(取材・文 吉田太郎)
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徳島市立高(徳島)が2019年度大会以来となる1勝を国立競技場で達成。徳島県予選決勝では4バックを採用していたが、今回の開幕戦は3バックで臨み、白星を勝ち取った。予選後に「(3バックは)いざとなったらできるように。ちょっとだけ練習はしてたんですよ」と河野博幸監督。早稲田実高(東京B)戦へ向けて3バックでチームを作って来た訳ではなく、練習試合も行っていなかったという。予選同様4バックで臨むことを考えていたが、チームは開幕戦前日に変更することを決断。それが奏功する形となった。
河野監督は「(前日に)何パターンか、ちょっと5分ずつぐらいでもいいから試してみて、(3バックが)案外ハマっちゃったんで。システム的にも、あんまり自分たちが動かないで、相手にもプレッシャー掛けれるし、相手の嫌なところにも入れるから、これでもいいんじゃないかって話になって」と説明する。
加えて、「選手に聞いても、(DF)3枚の方がもしかしたらやりやすいかもしれないと。(相手の攻撃が)長いボールっていうのは分かってるんで、そこを上手くつついて来たり、繋がれたりしたら、また対応が変わってくるんですけど、多分そうじゃない展開になるだろうから、やってみようかと」。全国大会で勝つためには、得意の4バックのシステムやポゼッションだけでなく様々な戦い方ができなければならない。3バックは元々、指揮官が考えていたプランの一つでもあった。
スピードのある相手2トップに対し、DF川村康生(2年)、DF柏木優一朗(2年)、DF松山哲也(3年)の3バックが対応。また、怪我から復帰してきたMF牛尾律貴主将(3年)を左WBとして起用することや、MF東海林蓮(2年)とMF芳田翠(2年)がサイドに張るよりも2シャドーとして相手3バックの前やアンカーの脇にいること、ゴールに近い位置でプレーすることといった3バックにしたことによるメリットが、ゴールにも結びついた。
序盤にあった相手のチャンスで決められていたら、異なる試合展開になっていたかもしれない。だが、結果的に3バックを採用したことによって各選手の役割がより明確化され、緊張気味だった序盤を除くと伸び伸びとプレー。相手のミスに乗じて芳田が先制し、牛尾のクロスから東海林が決めるなど、セットプレーやサイド攻撃で相手の急所を突いてリードを広げることに成功した。
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