[12.29 選手権1回戦 山梨学院高 0-0(PK6-5)京都橘高 浦和駒場]

　対人守備は、プロ相手でも通用する自信がある。山梨学院高(山梨)の右SB藤井サリュー(2年=ジェフユナイテッド市原・千葉U-15出身)は、「対人は自信あるんで、(大場健史)監督からも『絶対、デュエルで負けるな』って言われてるんで、守備はちゃんと意識して、あまりやられなかった」とコメント。持ち味を発揮し、チームの初戦突破に貢献した。

　細かなポジショニングの部分などの課題もあるが、強度、ボール奪取力は非常に高い。この日も京都橘高(京都)にボールを保持される中、右サイドで相手の攻撃を止めて、ボールを奪い取っていた。

　インターハイ準々決勝でも優勝校・神村学園高(鹿児島)のサイド攻撃を幾度もストップするなど存在感を放っていたが、選手権でもその対人能力を発揮。「インターハイで神村(学園)戦の時とか結構自分できてたんで。自信になったんで、こういうところでもできるかなって、自信になっています」と頷く。

　この日は相手2シャドーの一角であるMF河村頼輝(3年)に中へ運ばれ、シュートまで持ち込まれる回数が増えていた。その点をチームで話し合って改善。「後半そこ改善して、前からどんどんプレス行けば相手蹴ってくるんで、パス繋がらないんで、前からプレス行って上手く蹴らせてマイボールにできた」と説明する。苦しい戦いだったことは確かだが、無失点で80分間を終了。GK石井那樹(1年)の活躍もあり、PK戦での勝利に結びつけた。

　だが、満足はしていない。藤井は飛距離十分のロングスローやスピードに乗った攻め上がりからのクロスも特長。だが、この日は天然芝に慣れない部分もあってクロスの本数を増やせず、「もっと良いクロス上げられたらなって思います」と改善することを誓っていた。

　ジェフユナイテッド市原・千葉U-15出身の藤井は今夏、千葉トップチームに練習参加。「ジュニアユースの友達が一人、MF姫野誠が一緒に練習参加してたんですけど、強度高い中で、姫野なんか普通にプレーできていて……」と振り返る。

　藤井は守備については「プロでも結構通用した部分はあった」と振り返るが、課題を実感。姫野のトップチームの選手と対等にプレーする力や、J1昇格プレーオフでの大活躍は「もうだいぶ刺激になっています」。自分も負けないように、選手権期間中も成長し、活躍してアピールする。

　この日、5人目のキッカーとしてPK戦で右足シュートを決めた際は「優勝」という意味で人差し指を突き上げた。今後の戦いでは、怪我で登録外のFWメアスソムナン(2年)のために「『ゴール決めたらソムナンのSやって』って言われてるんで、(クロスだけでなく)ゴールを狙っていきたい」。2回戦の対戦相手は、初戦で6-0快勝の尚志高(福島)。「自分が活躍してお母さんとかに恩返ししたい」という2年生SBは、攻守両面で活躍し、強敵を突破する。

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(取材・文　吉田太郎)

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