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[MOM1138]高松大DF辻岡招真(4年)_前日に兄がJ3→J1移籍「背中を追っていきたい」リーグ得点王のCBがインカレでハットトリック!!

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DF辻岡招真(4年=尽誠学園高/讃岐内定)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.17 インカレ決勝ラウンドGL第3節 高松大 9-2 仙台大 J-GREEN堺]

 高松大が大勝を収めた一戦で、四国大学リーグ得点王のDF辻岡招真(4年=尽誠学園高/讃岐内定)はハットトリックとさすがの活躍を見せた。前日には兄のJ1クラブ加入が発表。「もっともっと自分もステップアップできたら」と刺激を受けながらカマタマーレ讃岐で始めるプロキャリアに臨んでいく構えだ。

 グループリーグ突破のためには勝った上で遅れて試合を行う2位・大阪体育大との得失点8差をひっくり返すか、並んで総得点で上回らなければいけない一戦。高松大は大勝が求められる試合で前半6分、ゴール正面からのFKを獲得した。

 もっとも本来はPKが与えられるべき地点でのファウルだったが、キッカーの辻岡は「審判のジャッジは絶対というのが大学サッカーの魅力だと思うので、与えられた場所でしっかりと」と冷静。初戦は壁の上を狙って枠外に飛ばしていた中、相手が分析してくることを予測してGKサイドへ右足を振り抜き、ゴール左に突き刺した。


 さらに辻岡は5-1でリードする後半22分、味方が獲得したPKをゴールに沈めてこの日2点目。8-2で迎えた同45+5分にはロングスローを頭で合わせてハットトリックを達成し、9-2の勝利に大きく貢献した。高松大はこの結果により「大阪体育大が敗れたら逆転GL突破」と準々決勝進出へ大きく可能性を広げたものの、大阪体育大が勝利したことで吉報は届かず。意地を見せたが3位で敗退が決まった。

怒涛のゴールラッシュでもう一カードの結果を待つのみとなったタイムアップ直後

 辻岡は今季の四国大学リーグで10戦8得点を記録してセンターバックながら得点王に輝き、最優秀選手賞を受賞した。セットプレーからの得点を強みにしており、「小学生のときにFWをやっていてCKの入り方だったりはしつこく言われていたので、小学校からの積み重ねで競り合いが強くなったと思う」と辻岡。「落下地点に入るスピードや相手の一瞬の隙を見逃さない得点感覚は少し優れている」と自信を示した。

 また、FKとPKを決めたように得点パターンの一つとしてセットプレーでの直接ゴールも持っている。参考にしているキッカーはいないといい、アップ時のフィーリングを大切にしながら高精度キックで得点を重ねてきた。もっとも「チームで取ったセットプレーで自分だけでは取れない。そこは本当にチームに感謝」と謙虚に語り、この日のハットトリックに関しても仲間への感謝を強調した。

 辻岡はGL敗退に終わったものの全国大会でハットトリックと強烈なインパクトを示し、プロキャリアのスタートラインに立つ。讃岐には5月と11月に2回練習参加し、手応えを感じるプレーでオファーを掴み取った。

 登録176cmということもあって「CBとしては小柄なのでどこのポジションを与えられるかは分からない」と話すが、高松大ではボランチやサイドバックも経験しており複数のポジションでプレーできることもアピールポイントの一つだ。クラブも内定リリース時に「守備的なポジションをマルチでこなせる」と紹介している中、辻岡は「どのポジションを与えられてもスタメンを勝ち取って出続けて」と意気込んで勝利に貢献していく姿勢を示した。

 なおこの試合の前日には、2学年上の兄であるDF辻岡佑真がいわきFCからアビスパ福岡へ完全移籍することが発表されていた。兄は今季ギラヴァンツ北九州に期限付き移籍していたため、レンタル先のJ3からJ1へと異例のステップアップを遂げる形になった。

 兄に続いてJ3でプレーする弟の招真は「僕が大学2年のときに(兄は大学4年で)J内定が決まっていて、追いかける存在で負けたくない気持ちもあった。今回僕も内定させてもらって追いつけたと思ったところでまた背中を見せられた」と感慨深げに語りながら、「年末年始とかは一緒にサッカーをさせてもらうときもあるけれど、本当にオフかと思うくらいストイック。高松大でやる練習よりも強度が高いと思うときもある」と兄の凄みを感じてきた様子。それだけに兄のJ1移籍に受ける刺激も大きい。入念なストレッチなど目立たないところでの高い意識も学びながら「兄の背中を追っていきたい」と力を込めた。

 今季はリーグ戦で1回、総理大臣杯予選で1回、そしてインカレで1回と公式戦で3回ハットトリックを達成。辻岡は自慢の得点力をJリーグでも発揮し、今度こそ兄と同じ舞台に立つ。

(取材・文 加藤直岐)

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加藤直岐
Text by 加藤直岐

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