beacon

大学最後に実現した念願の鳥栖U-18同部屋対決…1点決めた関西学院大FW小西春輝「個人戦では勝ちで」試合制した国士舘大DF岡英輝「チームが勝てばいいかなと」

ポスト
Xに投稿
Facebookでシェア
Facebookでシェア
URLをコピー
URLをコピー
URLをコピーしました

マッチアップしたDF岡英輝(左)とFW小西春輝(右)

[12.24 インカレ準決勝 国士舘大 3-1 関西学院大 カンセキ]

 どんな結果に終わっても、いずれか一方は大学生活ラストマッチ——。サガン鳥栖U-18時代に寮で同部屋だったという関西学院大FW小西春輝(4年)と国士舘大DF岡英輝(4年)の再会は、大学4年間の集大成という運命的なタイミングで実現した。

 高校卒業時から「いつか全国で対戦できたら」と未来を思い描き、今大会の組み合わせが決まった時点から互いの勝ち上がりを誓っていた2人。最後のインカレで訪れた“同部屋同士”の初対戦とあり、万感の思いでマッチアップを繰り広げた。

 最初にして最大のハイライトは前半28分に巡ってきた。敵陣に攻め込んだ小西が右サイドからのクロスに反応すると、岡が寄せてくるのを見越して華麗なターン。ボックス内で見事にボールを収めて左足シュートを流し込み、1-1とする同点ゴールを沈めた。

「アイツは前に強いんで、来るっていうのも分かっていた。得点のシーンはうまく逆を取れたのかなと思います」。そう満足そうに振り返った小西は「逆にやりにくい部分もあったけど、点を決めることはできたんで、個人戦では勝ちでいいかなと思っています」と笑った。

 それでも試合の軍配は岡に上がった。その後のマッチアップは小西がポストプレーで制する場面こそあれど、要所要所では岡が徹底的な対人守備で対処。空中戦で圧勝しただけでなく、後半31分には岡の果敢なインターセプトからダイレクトで縦につけたことで、国士舘大のダメ押しゴールも生まれていた。

 試合結果は国士舘大の3-1勝利。「チームが勝てばいいかなと(笑)。正直、決められた瞬間はすごく悔しかったけど、そこからは気持ちを切り替えた」。そう振り返った岡は小西とのマッチアップに「ヘディングは自分の一番の武器だと思っているので勝てて良かったけど、下の部分はちょっといなされたり、身体の入れ方が上手いなと思ったので、全部が上回れるようにやっていきたい」と何より刺激を受けた様子だった。

 この結果により、小西の大学サッカー生活は一足先に幕を閉じた。とはいえ中体連の島原市立第一中から鳥栖U-18に進んだ頃には想像もできなかった終着点。高校生活に「大きく自分の世界が広がった」というキャリアは大学でDF濃野公人(鹿島)、MF倍井謙(磐田)、MF美藤倫(G大阪)といった先輩たちとの出会いを経てさらに濃いものとなり、最後は夏の総理大臣杯準優勝、関西学生リーグ制覇、インカレ4強という上々の結果を導くまでとなった。

「これまでの4年間の中では一番結果を出せたシーズンだったと思うし、得点数もチームの結果も、ポストプレーも、チームを引っ張るというところでも一番良いシーズンだったと思う」(小西)。最後に悔いが残った日本一という目標は、かつての同部屋だったライバルに託す構えだ。

 岡ははっきりと頂点を見据えていた。対戦相手の筑波大は関東王者で、リーグ戦は2戦2敗だった因縁の相手。「良い舞台が揃っているので1年間を通してのリベンジというところと、(今年2月に亡くなった元監督の)大澤先生に向けて10回のリーグ優勝を目指していたけどそれができなかったので、インカレでは優勝という形で終えられるようにチーム一丸となって臨んでいきたい」。終了間際に負った膝の打撲の様子は気がかりだが、敗れた友の思いも背負って大学ラストマッチに挑む。


(取材・文 竹内達也)

●第74回全日本大学選手権(インカレ)特集
▶話題沸騰!『ヤーレンズの一生ボケても怒られないサッカーの話』好評配信中
竹内達也
Text by 竹内達也

「ゲキサカ」ショート動画

TOP