4月にU17アジア杯控えるU-17日本代表。“タフな”パラグアイ遠征で貴重な経験と南米王者との力試し
12日午後、パラグアイ遠征(2月12日~2月24日)に臨むU-17日本代表が千葉県内で約90分間のトレーニングを行った。チームは遠征中、パラグアイでU-17パラグアイ代表と2試合を行うほか、廣山望監督がかつて所属したセロ・ポルテーニョのU-18チームと対戦する予定。この日は、出国直前や出国後に合流予定のGK村松秀司(ロサンゼルスFC)、DFバンデラ吉田健太(カラベラ)、MF針生涼太(清水ユース)を除く17選手が、6対6プラス2フリーマンやPK、DF陣とFW・MFにSBを加えたメンバーに分かれてのメニューで汗を流し、トレーニングを終えた。
DF陣は、ロングボールを拾って攻めてくることが予想されるパラグアイやU17アジアカップも想定したロングボール処理。「(パラグアイは日本が苦手とされる)クリアがチャンスになる典型的な感じなので。全部ちゃんと掃除するかっていうところが大事だと思っているから、ちょうどいい相手」と廣山監督はいう。
そのパラグアイは、昨秋の南米選手権(U-16の大会として開催)準決勝でアルゼンチン、決勝でエクアドルを下して優勝しているチーム。廣山監督が「上手いとかじゃなくて、強いチームっていう印象です」。加えて、選手たちが「経験したことがない」というほどの長距離移動、気候への順応など「ある程度想定外とかスタッフ含めて難しいところ。でも、ある程度やれる選手は(現状でも)いるから、その割合を増やすのと、1回経験しとくと、だいぶその後の基準が変わってくる」(廣山監督)という狙いも持っての遠征となる。
選手たちにとっては、U17アジアカップ前に南米王者と貴重な力試し。昨年のU17アジアカップ予選で7得点のFW浅田大翔(横浜FM)は、「アジアカップとワールドカップに向けてこの遠征があると思いますし、この遠征は絶対無駄にしちゃダメだと思うので、南米の強豪とできるので、この機会を無駄にしないようにしっかりいいトレーニングしていきたいです」と力を込めた。




16チームによって争われるU17アジアカップは、4月4日(日本時間4月5日)が初戦。U-17ワールドカップ出場枠が4から8へ増えた影響によって、グループBで2位以内、準々決勝進出を決めた時点でアジア突破となる。
「確率的にはだいぶ楽にはなってるんですけど、逆に他のチームの目の色は変えてくると思う。これまで以上に日本戦を何とか凌げばチャンスが出てくるみたいな状況だと思うんですよ」と廣山監督。同グループのUAE、ベトナム、オーストラリアを退けてアジア予選を突破しなければならない。
ただし、U-17ワールドカップの出場権獲得がゴールではなく、目標はアジア3連覇。廣山監督は「確実に突破して上を目指したいなと思っています。決勝まで行ってっていう経験をさせた上でワールドカップへ行きたい」と語り、注目度上昇中の中学生MF長南開史(柏U-15)も「(目標は)3連覇です。(U17アジアカップでは)強度とか落とさずに、自分のコンディションを上げれるような準備とかも大事になってくると思うので、試合以外の、ピッチ外のとこも大事にしていきたいと思ってます」と語った。


2008年生まれ世代以降によって構成されたU-17日本代表は、選手層の厚さが強みの一つ。「全体的な厚みが毎年こう厚くなってる気はしますね。23人選んだら、ある程度誰でも出せるような、それは今のこのチームだけじゃなくて、日本の育成のところの層の厚さは上がってきているっていうのは示せるかなと思うんですけど」と廣山監督はいう。
今回の招集選手だけでなく、招集外の選手にもアジア予選突破をかけた大一番や決勝戦で起用できるような中心選手候補が複数。良い意味での競争が続いている。中心選手の気概を持って活動している選手もいる一方、“飛び級”するような突き抜けたプレーヤー、またプレーで引っ張る力と自覚の両方を持っている存在が少ないことも現状だ。2018年大会中(当時はAFC U-16選手権)に立ち位置を変えたMF三戸舜介(現スパルタ・ロッテルダム)のような選手が、パラグアイ遠征やU17アジアカップ期間中に2人、3人と出現することも期待される。
「やっぱ目標が高いところにあるやつは、勝手に地に足をつけて、どの大会でもやっぱ『何かしてやろう』っていう状態になると思うから。(昨年のU17アジアカップ)予選、スペイン遠征ではそういう状態になってるやつは少ないですけど、本番(真剣勝負)の良さはあると思うから、(U17アジアカップ)大会まで、もしくは大会中にそういう選手が増えて欲しいですね」(廣山監督)
そして、廣山監督は「U-17ワールドカップ終わったら(上の世代の代表チームに)ジャンプできるやつがいるような状態にしたい」。そのためにも、早朝の試合も組まれているという今回の“タフな”パラグアイ遠征を今後の飛躍へのきっかけにする。




(取材・文 吉田太郎)
●AFC U17アジアカップ サウジアラビア2025特集
DF陣は、ロングボールを拾って攻めてくることが予想されるパラグアイやU17アジアカップも想定したロングボール処理。「(パラグアイは日本が苦手とされる)クリアがチャンスになる典型的な感じなので。全部ちゃんと掃除するかっていうところが大事だと思っているから、ちょうどいい相手」と廣山監督はいう。
そのパラグアイは、昨秋の南米選手権(U-16の大会として開催)準決勝でアルゼンチン、決勝でエクアドルを下して優勝しているチーム。廣山監督が「上手いとかじゃなくて、強いチームっていう印象です」。加えて、選手たちが「経験したことがない」というほどの長距離移動、気候への順応など「ある程度想定外とかスタッフ含めて難しいところ。でも、ある程度やれる選手は(現状でも)いるから、その割合を増やすのと、1回経験しとくと、だいぶその後の基準が変わってくる」(廣山監督)という狙いも持っての遠征となる。
選手たちにとっては、U17アジアカップ前に南米王者と貴重な力試し。昨年のU17アジアカップ予選で7得点のFW浅田大翔(横浜FM)は、「アジアカップとワールドカップに向けてこの遠征があると思いますし、この遠征は絶対無駄にしちゃダメだと思うので、南米の強豪とできるので、この機会を無駄にしないようにしっかりいいトレーニングしていきたいです」と力を込めた。




16チームによって争われるU17アジアカップは、4月4日(日本時間4月5日)が初戦。U-17ワールドカップ出場枠が4から8へ増えた影響によって、グループBで2位以内、準々決勝進出を決めた時点でアジア突破となる。
「確率的にはだいぶ楽にはなってるんですけど、逆に他のチームの目の色は変えてくると思う。これまで以上に日本戦を何とか凌げばチャンスが出てくるみたいな状況だと思うんですよ」と廣山監督。同グループのUAE、ベトナム、オーストラリアを退けてアジア予選を突破しなければならない。
ただし、U-17ワールドカップの出場権獲得がゴールではなく、目標はアジア3連覇。廣山監督は「確実に突破して上を目指したいなと思っています。決勝まで行ってっていう経験をさせた上でワールドカップへ行きたい」と語り、注目度上昇中の中学生MF長南開史(柏U-15)も「(目標は)3連覇です。(U17アジアカップでは)強度とか落とさずに、自分のコンディションを上げれるような準備とかも大事になってくると思うので、試合以外の、ピッチ外のとこも大事にしていきたいと思ってます」と語った。


2008年生まれ世代以降によって構成されたU-17日本代表は、選手層の厚さが強みの一つ。「全体的な厚みが毎年こう厚くなってる気はしますね。23人選んだら、ある程度誰でも出せるような、それは今のこのチームだけじゃなくて、日本の育成のところの層の厚さは上がってきているっていうのは示せるかなと思うんですけど」と廣山監督はいう。
今回の招集選手だけでなく、招集外の選手にもアジア予選突破をかけた大一番や決勝戦で起用できるような中心選手候補が複数。良い意味での競争が続いている。中心選手の気概を持って活動している選手もいる一方、“飛び級”するような突き抜けたプレーヤー、またプレーで引っ張る力と自覚の両方を持っている存在が少ないことも現状だ。2018年大会中(当時はAFC U-16選手権)に立ち位置を変えたMF三戸舜介(現スパルタ・ロッテルダム)のような選手が、パラグアイ遠征やU17アジアカップ期間中に2人、3人と出現することも期待される。
「やっぱ目標が高いところにあるやつは、勝手に地に足をつけて、どの大会でもやっぱ『何かしてやろう』っていう状態になると思うから。(昨年のU17アジアカップ)予選、スペイン遠征ではそういう状態になってるやつは少ないですけど、本番(真剣勝負)の良さはあると思うから、(U17アジアカップ)大会まで、もしくは大会中にそういう選手が増えて欲しいですね」(廣山監督)
そして、廣山監督は「U-17ワールドカップ終わったら(上の世代の代表チームに)ジャンプできるやつがいるような状態にしたい」。そのためにも、早朝の試合も組まれているという今回の“タフな”パラグアイ遠征を今後の飛躍へのきっかけにする。




(取材・文 吉田太郎)
●AFC U17アジアカップ サウジアラビア2025特集



