「日本では感じたことのないようなことを経験させてもらっています」。スタッド・ランスで戦う日本代表DF関根大輝はフランスでの充実ぶりを示した。

　関根はパリオリンピック出場を目指し、拓殖大3年時に2024年からの柏レイソル早期加入を決断。目標通りパリ五輪に参戦すると10月にはA代表に初招集され、今年1月には欧州移籍を果たした。1月25日のデビュー戦ではいきなりスター選手が揃うパリSGと対峙。後半アディショナルタイムからの出場ではあったものの、この試合でドリブル突破を許したポルトガル代表DFヌーノ・メンデスには衝撃を受けたようだ。

「今まで見たことがないようなレベルだなと思いました。でも同い年だったので絶対負けていられないなという思いもあります。でもその後のチャンピオンズリーグのリバプール戦を見てもFW(モハメド・)サラーを完全に止めていましたし、やっぱり凄いなというのは感じました。攻撃も守備もどちらも能力がすごい高かったので、今の段階では全然追いつけていないと思うので、早い段階で追いつけるように、追い越していけるようにやっていきたい」

　もっとも公式戦5試合連続でフル出場を果たしているように、関根はスタッド・ランスの右サイドバックに定着。「間合いは日本よりもうちょっと距離を近くしないと簡単に仕掛けられちゃいますし、スピードに乗らせたらすごい爆発的なものがあるので意識するようになりました」と欧州トップリーグ仕様にアップデートしながら、「タッチがちょっとデカくなったときに突くだったり取りきるというところ、クロスを上げさせないというところはすごく意識してできている」と一定の手応えを示した。

　また攻撃面ではある程度の自由を与えてもらっているといい、オーバーラップとインナーラップの両方で攻撃参加を見せている。フランスデビューから6試合目となったフランス国内杯準々決勝ではクロスでFW中村敬斗のゴールをアシスト。柏時代には果たせなかったプロ初アシストとなり、「数字の部分はずっとこだわっていましたけど、早い段階で1個ついたことでチームメイトの信頼だったりも大きかったのかなというのは今思うと感じます」と振り返った。

　この日の日本代表トレーニングには昨季まで柏を率いていた井原正巳氏の姿も。「去年1年間ずっとレイソルで使ってくれて、自分が今フランスにこうやって挑戦できているのも、ここに来られているのも井原さんのおかげだと思う」(関根)。「向こうで頑張っているな」と激励を受けたといい、「またもう一度頑張ろうという気持ちになりました」とギアを上げた様子だ。

「日々もがきながら、いろいろ試行錯誤しながらやっていますけど、向こうに行って成長できている。それはすごい大きなことかなと思います」と関根。古巣・柏の試合を毎試合見ていることも明かしながら、「(FW細谷)真大くんとかとも結構連絡を取っていますし、(柏は好調で)みんなの活躍はすごい刺激になるので自分がもっと活躍して良いニュースというのを届けられるように頑張りたい」と力を込めた。


(取材・文　加藤直岐)

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