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U-17日本代表が東京国際大との練習試合で合計3-3。PK戦で“2勝”し、4月4日初戦のU17アジア杯へ

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U-17日本代表はFW谷大地(鳥栖U-18、左)が2得点を決めるなど東京国際大と合計3-3で引き分け

[3.24 練習試合 U-17日本代表 3-3 東京国際大]

 AFC U17アジアカップ サウジアラビア2025(4月3日開幕)に臨むU-17日本代表が24日、千葉市内で東京国際大と練習試合(45分×2本)を行い、合計3-3で引き分けた。1本目、2本目終了後にそれぞれ行われたPK戦は、いずれもU-17代表が勝利している。U-17代表は25日にサウジアラビアへ向けて出発。4月4日(日本時間4月5日2時15分開始)にU-17UAE代表とU-17アジアカップ初戦を戦う。

 1本目、U-17代表はGKエジケ唯吹ヴィンセントジュニア(鳥栖U-18)、DF篠崎健人(市立船橋高) 、樺山文代志(興國高)、藤井翔大(横浜FMユース)、MF今井宏亮(東京Vユース)、野口蓮斗(広島ユース)、長南開史(柏U-18)、姫野誠(千葉U-18)、FW小林志紋(広島ユース)、吉田湊海(鹿島ユース)、ゲーム主将の浅田大翔(横浜FM)が先発。一方の東京国際大はともに年代別日本代表候補歴を持つDF松井イライジャ博登(新1年=G大阪ユース)やMF笹歩睦(新1年=横浜FCユース)、FW山本将太(新1年=磐田U-18)らが先発した。

 1本目7分、東京国際大が先制する。左サイドでボールを受けたMF横山海斗(新1年=浦和ユース)が1対1から突破。そのまま持ち込んでニアへシュートを叩き込んだ。対するU-17代表は序盤、相手の鋭いプレッシングの前になかなか前進することができていなかった。だが、幅広い動きでボールを引き出す吉田を軸に徐々に距離感と攻撃のリズムが向上。樺山や藤井がDFラインから持ち出してビルドアップしたほか、今井の展開、浅田のポストプレーと裏抜けなどから左の姫野、右の長南の両WBを活用した攻撃が増えていく。

チームを引っ張るFW浅田大翔(横浜FM)

樺山文代志(興國高)がDFラインからボールを運ぶ

 また、篠崎の出足の良い守備や野口の絶妙なインターセプトなどから攻撃へ。26分には中盤でのロストから打たれたシュートをGKエジケが弾き出して1点差を維持する。すると29分、左サイドの姫野がCKを獲得。これを小林が右足で絶妙なボールを入れると、中央へ飛び込んできた吉田が頭でネットを揺らした。

1本目29分、FW吉田湊海(鹿島ユース)が同点ヘッド

エース候補が結果を残した

 U-17代表は31分にGKをエジケからGK村松秀司(ロサンゼルスFC/アメリカ)へ交代。直後にDFの対応が重なってしまい、こぼれ球を東京国際大MF高木大和(新1年=三菱養和SCユース)に左足で決められた。

 吉田と小林の2シャドーと野口、今井のダブルボランチを中心にテンポ良くボールを動かして押し返すなど大学生によく対抗していたものの、1-2で1本目を終了。その直後、PK戦を行い、GK村松が相手の3人目と5人目を止めて3-2で勝利した。

1本目終了後のPK戦ではGK村松秀司(ロサンゼルスFC/アメリカ)が2本止めて3-2で勝利

 2本目、U-17代表は村松と藤井を除く9人を交代。GK村松、DFメンディー・サイモン友(流通経済大柏高)、藤田明日翔(川崎F U-18)、藤井、MF加藤海輝(横浜FMユース)、ゲーム主将の神田泰斗(大宮U18)、田中遥大(FC東京U-18)、針生涼太(清水ユース)、FW瀬口大翔(神戸U-18)、加茂結斗(柏U-18)、谷大地(鳥栖U-18)が出場した。

MF針生涼太(清水ユース)は左サイドで攻守に奮闘。1アシスト

 U-17代表は中盤で存在感を放つ神田を軸にピッチを広く使った攻撃。神田のサイドチェンジから右の田中が縦へ仕掛けたほか、加藤の左足ミドルなどでゴールを目指す。10分には左サイドで加茂からのパスを受けた針生がDFを巧みにかわしてラストパス。その後も瀬口や谷が相手のDF間や背後を狙って攻めると15分、U-17代表は加藤のスルーパスで針生が左サイドを抜けす。その折り返しをニアの谷が見事な1タッチシュートで決めた。

2本目15分、FW谷大地(鳥栖U-18)が右足1タッチでゴール

ガッツポーズでゴールを喜ぶ

 U-17代表は16分に鋭い飛び出しを見せていたGK村松をGK松浦大翔(新潟U-18)へ交代。これで欠場したDF横井佑弥(G大阪ユース)を除く全選手がピッチに立った。18分には、左サイドの神田の折り返しにファーから走り込んだ田中が右足シュート。さらに加茂がドリブルでゴール前に切れ込むなど、メンバーを入れ替えた東京国際大から追加点を狙う。すると23分、活動量多くプレーしていた加藤が田中のパスで右サイドを抜け出し、最後はその折り返しを谷が右足ダイレクトで決めた。

2本目23分、MF加藤海輝(横浜FMユース)が右サイドを抜け出してラストパス

FW谷大地(鳥栖U-18)が2点目のゴール

 谷が決定力を見せつけ、2戦合計3-2とした。この直後、U-17代表は相手の速攻への対応、奪い返しをしていた藤井とMF樺山を交代。針生が最終ラインへ下がった。U-17代表は藤田が前への強さを見せていたほか、メンディーが相手のプレスを外して前進、縦パスを入れるなどそれぞれの持ち味を表現する。30分にはビルドアップのミスからMF会田光希(新1年=浦和ユース)に決められて失点。それでも33分、谷の落としから加茂が右足で狙い、43分には瀬口のスルーパスを起点とした攻撃からチャンスを迎える。そして、加茂、瀬口が連続でシュートシーンを迎えたが相手の好守の前に得点することができない。

MF神田泰斗(大宮U18)はボランチの位置で存在感のある動き

 DFの連係ミスを針生の好カバーリングで阻止するなど相手の攻撃を食い止めたものの、次の1点を奪うことはできず、2本目は2-1で45分間を終えた。2本目終了後にもPK戦を実施。U-17代表はGK松浦が相手の1本目を止め、4-3で勝利した。

2本目終了後のPK戦ではGK松浦大翔(新潟U-18)が相手の1人目をストップ

U-17代表が2本目のPK戦も勝利した

 U17代表は、4月20日のU17アジアカップ決勝まで勝ち抜けば、最大約1か月間の長期合宿となる。廣山望監督は前日の合宿スタート時にこれまで積み上げてきたもの、また50時間かけて移動し、日本と30度近く気温差がある中でタフな3試合(3戦全勝)を戦ったパラグアイ遠征で学んだことを「今回来たメンバーでもう1回整理して、基準をぐっと上げて、共有して、入るぞ」とメッセージ。加えて、「1か月一緒にプレーできるってなかなかない機会なので、その中で、例えばパススピードだったり、切り替えだったり、球際だったり、粘り強さだったり、そういうベースのところはしっかり求め合ってできるから、そこはやっていこう、この(国内合宿の)3日間はそのスタートにしよう」ということをすり合わせたという。

 そして、現地では国内に比べてサポートしてくれる人たちも減る中、チーム全体で勝ち抜くこと、U-17ワールドカップ切符(上位8チームが獲得)とアジアタイトルを取りに行くことを確認。今回、大学生との練習試合によって分かった自分たちのできること、できないことを一度整理してサウジアラビアへ渡る。そして、コンディション調整し、「ここまで積み上げてきたことをどんな相手でも(表現し)、ゲームの流れに合わせてこっちにゲームにしていく」(廣山監督)。また、吉田は「この大会をしっかり優勝してからまた次のステージに行けるようにしていきたい」。U-17日本代表はポテンシャルを秘めた選手たちの力を最大限に引き出しあいながら個人、チームで成長を遂げ、アジア3連覇を果たす。 

(取材・文 吉田太郎)


●AFC U17アジアカップ2025特集
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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