森保Jが戦うメキシコは34歳エースが絶対的得点源、セットプレーも超脅威「東京五輪でもやられた苦い記憶が…」
日本戦前日練習を行ったFW
日本代表は現地時間6日午後7時(日本時間7日午前11時)から、アメリカ・オークランドでメキシコ代表との国際親善試合を行う。今夏の北中米ゴールド杯を制したメキシコはFIFAランキング13位で、同17位の日本より格上の相手。相手を圧倒しながら戦うことを目指したW杯アジア予選の戦い方は踏襲しつつも、より相手の強みに警戒しながら戦うことも必要になりそうだ。
メキシコ代表の絶対的な得点源を担っているのは34歳ベテランエースのFWラウール・ヒメネス(フルハム)。2025年に行われたメキシコ代表の10試合では9試合に先発出場しており、合計17点中7得点を叩き出している。単なるボックスストライカーではなく、トップ下の位置でのポストプレーも得意。2列目からゴール前に飛び込む動きが脅威で、ボックス内だけでなくマークの受け渡しが試されそうだ。
加えてもう一人のストライカーであるFWサンティアゴ・ヒメネス(ミラン)も要注意選手。昨季は移籍先のミランでの出場時間が短く、コンディションを落としたことでゴールド杯の序列は低かったが、今季は開幕からセリエA2試合に出場し、調子を戻していることが予想される。前所属のフェイエノールトではFW上田綺世を押しのけてエースに君臨していた実績があり、出場してきた場合は大きな警戒が必要になる。


実際、日本側はメキシコのスカウティングにあたって、ゴールド杯基本布陣の4-3-3ではなく過去の親善試合で採用された4-4-2で臨んでくることを見込み、“Wヒメネス”の2トップ起用を想定している模様。GK鈴木彩艶(パルマ)は「両ヒメネスはアジアでプレーしている選手よりもはるかにレベルが高い」と警戒し、「ポストプレーが特長。そこに当ててフリックしたり、ターンしてのシュートが強烈なので特に集中したい」とイメージしていた。
さらにメキシコ代表は今回、ゴールド杯でメンバー落ちしていた元ナポリのFWイルビング・ロサノ(サンディエゴFC)、東京五輪で10番を背負ったFWディエゴ・ライネス(ティグレス)といったサイドアタッカー陣が代表に復帰。攻撃の選手層が厚みを増しており、日本の攻撃的ウイングバックとの攻防にも注目だ。


またメキシコ戦でもう一つ欠かせないのはセットプレーへの対策だ。メキシコの直近10試合の合計17得点のうち、7得点はセットプレーから生み出されたもの。そのうち3月シリーズの2点はR・ヒメネスの巧みな助走によるPKと、曲げて落とす直接FKから生まれたものだったが、ゴールド杯ではCKやFKをゴール前に合わせる形で全10点中5点を叩き出し、連覇の原動力になっていた。
まず大きな警戒を寄せるべきは、ゴール前の強力なターゲットだ。CBの一角を担うセサル・モンテス(ロコモティフ・モスクワ)は195cmの最長身。184cmのCBホアン・バスケス(ジェノア)、186cmボランチのエドソン・アルバレス(フェネルバフチェ)も上背以上に空中戦が強く、ゴールド杯での5ゴールはモンテスとアルバレスの2人で叩き出していた。


長身選手の頭数は日本とそう変わらないことから、まずは要注意選手に負けないことが重要となる。メキシコ戦での先発が予想されるDF渡辺剛(フェイエノールト)は184cmの身長ながらエアバトルが強み。「日本代表の選手は身長が高くないので、おのおのが助け合いながらやるべきだと思う」と連係の必要性を強調しつつも、「自分もでかい選手につくと思うので負けないことが大事」と意気込んだ。
また守勢に回った時間帯では、192cmのDF望月ヘンリー海輝(町田)のようにサブからの登場が見込まれる守備のジョーカー的な役割の存在も鍵になりそうだ。
メキシコのセットプレーについて「相手の得点源を抑えるのはチームとしてすごく大切だと思うのでチームとしてすごく警戒している」と望月。右ウイングバックの“防空要員”として「同じポジションで言えば(堂安)律くんであったり、(伊東)純也くん、(菅原)由勢くんに比べたら自分の強みを発揮できる部分があると思う。流れにもよると思うけど、勝っている場面で出たら相手の防波堤になれるように頑張っていきたい」と活躍の場をイメージしていた。
メキシコはキッカーも右利きのMFアレクシス・ベガ(トルーカ)が精度の高いボールを繰り出してくる上、FKだけでなくCKでも左利きのキッカーを同時に立たせ、相手守備陣を撹乱させながらのサインプレーも定番となっている。森保ジャパンとしても21年夏の東京五輪3位決定戦ではCKから2失点を喫したことから、「東京五輪の舞台でもセットプレーでやられた痛い、苦い記憶がある。そこは注意しなければいけない」(森保一監督)と準備が進んでいる。


森保監督は東京五輪の経験だけでなく、育成年代を指導していた頃の経験からもメキシコのセットプレーには警戒してきたようだ。「過去のW杯を見ても、メキシコ代表がセットプレーからデザインをして得点を取っていることが記憶にある」と切り出しながら、「メキシコの印象として育成の時からそういった基礎づくりをし、いくつものパターンを染み込ませていて、どの年代を見ても同じようなことができる印象がある。これは文化としてあるのか、代表としてのプレーモデルがあってそれがつながっているのかはわからないが、各年代で共有しているものがあるんだという歴史を感じている」と興味深い分析も行っていた。


そんな日本代表のセットプレーは現在、攻撃を前田遼一コーチ、守備を下田崇GKコーチが担当。テクニカルスタッフの渡邉秀朗氏もセットプレーコーチとして、分析や落とし込みに注力し、W杯本大会に向けての準備を進めている。
今回は国際親善試合での対戦とあり、どれほど手の内を明かしあう展開になるかは未知数だが、シンプルなセットプレーにも強みを持つメキシコとの対戦は貴重なテストの場。森保監督は「(最終予選では)我々もセットプレーで守備が固く、これまでも得点を積み重ねてこられているので、明日の試合でもチャンスがあればセットプレーから得点を狙えるように、かつ相手がデザインしてきて、何かセットプレーで仕掛けてきたとしても対応できるようにしていければと思っている」と成果を望んだ。
(取材・文 竹内達也)
●2026ワールドカップ(W杯)北中米大会特集
メキシコ代表の絶対的な得点源を担っているのは34歳ベテランエースのFWラウール・ヒメネス(フルハム)。2025年に行われたメキシコ代表の10試合では9試合に先発出場しており、合計17点中7得点を叩き出している。単なるボックスストライカーではなく、トップ下の位置でのポストプレーも得意。2列目からゴール前に飛び込む動きが脅威で、ボックス内だけでなくマークの受け渡しが試されそうだ。
加えてもう一人のストライカーであるFWサンティアゴ・ヒメネス(ミラン)も要注意選手。昨季は移籍先のミランでの出場時間が短く、コンディションを落としたことでゴールド杯の序列は低かったが、今季は開幕からセリエA2試合に出場し、調子を戻していることが予想される。前所属のフェイエノールトではFW上田綺世を押しのけてエースに君臨していた実績があり、出場してきた場合は大きな警戒が必要になる。


実際、日本側はメキシコのスカウティングにあたって、ゴールド杯基本布陣の4-3-3ではなく過去の親善試合で採用された4-4-2で臨んでくることを見込み、“Wヒメネス”の2トップ起用を想定している模様。GK鈴木彩艶(パルマ)は「両ヒメネスはアジアでプレーしている選手よりもはるかにレベルが高い」と警戒し、「ポストプレーが特長。そこに当ててフリックしたり、ターンしてのシュートが強烈なので特に集中したい」とイメージしていた。
さらにメキシコ代表は今回、ゴールド杯でメンバー落ちしていた元ナポリのFWイルビング・ロサノ(サンディエゴFC)、東京五輪で10番を背負ったFWディエゴ・ライネス(ティグレス)といったサイドアタッカー陣が代表に復帰。攻撃の選手層が厚みを増しており、日本の攻撃的ウイングバックとの攻防にも注目だ。


またメキシコ戦でもう一つ欠かせないのはセットプレーへの対策だ。メキシコの直近10試合の合計17得点のうち、7得点はセットプレーから生み出されたもの。そのうち3月シリーズの2点はR・ヒメネスの巧みな助走によるPKと、曲げて落とす直接FKから生まれたものだったが、ゴールド杯ではCKやFKをゴール前に合わせる形で全10点中5点を叩き出し、連覇の原動力になっていた。
まず大きな警戒を寄せるべきは、ゴール前の強力なターゲットだ。CBの一角を担うセサル・モンテス(ロコモティフ・モスクワ)は195cmの最長身。184cmのCBホアン・バスケス(ジェノア)、186cmボランチのエドソン・アルバレス(フェネルバフチェ)も上背以上に空中戦が強く、ゴールド杯での5ゴールはモンテスとアルバレスの2人で叩き出していた。


プレミアリーグで豊富な実績を持つMFエドソン・アルバレス
長身選手の頭数は日本とそう変わらないことから、まずは要注意選手に負けないことが重要となる。メキシコ戦での先発が予想されるDF渡辺剛(フェイエノールト)は184cmの身長ながらエアバトルが強み。「日本代表の選手は身長が高くないので、おのおのが助け合いながらやるべきだと思う」と連係の必要性を強調しつつも、「自分もでかい選手につくと思うので負けないことが大事」と意気込んだ。
また守勢に回った時間帯では、192cmのDF望月ヘンリー海輝(町田)のようにサブからの登場が見込まれる守備のジョーカー的な役割の存在も鍵になりそうだ。
メキシコのセットプレーについて「相手の得点源を抑えるのはチームとしてすごく大切だと思うのでチームとしてすごく警戒している」と望月。右ウイングバックの“防空要員”として「同じポジションで言えば(堂安)律くんであったり、(伊東)純也くん、(菅原)由勢くんに比べたら自分の強みを発揮できる部分があると思う。流れにもよると思うけど、勝っている場面で出たら相手の防波堤になれるように頑張っていきたい」と活躍の場をイメージしていた。
メキシコはキッカーも右利きのMFアレクシス・ベガ(トルーカ)が精度の高いボールを繰り出してくる上、FKだけでなくCKでも左利きのキッカーを同時に立たせ、相手守備陣を撹乱させながらのサインプレーも定番となっている。森保ジャパンとしても21年夏の東京五輪3位決定戦ではCKから2失点を喫したことから、「東京五輪の舞台でもセットプレーでやられた痛い、苦い記憶がある。そこは注意しなければいけない」(森保一監督)と準備が進んでいる。


MFアレクシス・ベガ
森保監督は東京五輪の経験だけでなく、育成年代を指導していた頃の経験からもメキシコのセットプレーには警戒してきたようだ。「過去のW杯を見ても、メキシコ代表がセットプレーからデザインをして得点を取っていることが記憶にある」と切り出しながら、「メキシコの印象として育成の時からそういった基礎づくりをし、いくつものパターンを染み込ませていて、どの年代を見ても同じようなことができる印象がある。これは文化としてあるのか、代表としてのプレーモデルがあってそれがつながっているのかはわからないが、各年代で共有しているものがあるんだという歴史を感じている」と興味深い分析も行っていた。


森保一監督
そんな日本代表のセットプレーは現在、攻撃を前田遼一コーチ、守備を下田崇GKコーチが担当。テクニカルスタッフの渡邉秀朗氏もセットプレーコーチとして、分析や落とし込みに注力し、W杯本大会に向けての準備を進めている。
今回は国際親善試合での対戦とあり、どれほど手の内を明かしあう展開になるかは未知数だが、シンプルなセットプレーにも強みを持つメキシコとの対戦は貴重なテストの場。森保監督は「(最終予選では)我々もセットプレーで守備が固く、これまでも得点を積み重ねてこられているので、明日の試合でもチャンスがあればセットプレーから得点を狙えるように、かつ相手がデザインしてきて、何かセットプレーで仕掛けてきたとしても対応できるようにしていければと思っている」と成果を望んだ。
(取材・文 竹内達也)
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