FW吉田湊海(鹿島ユース)がU-17W杯で直面した世界基準「久しぶりにびっくりしたなと…」この衝撃を胸に高校3冠“完全制覇”へ
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U-17W杯で全6試合に出場したU-17日本代表FW吉田湊海(鹿島ユース)は23日の帰国後、率直に今大会を振り返った。「自分の感想としては、久しぶりにびっくりしたなという感覚があった」。高校3冠を間近に控える鹿島ユースのエースを担い、高円宮杯プレミアリーグEASTでチーム最多の10ゴールを挙げてきた世代屈指のアタッカーは、肌で感じた世界基準と正面から向き合っていた。
全6試合の出場で残した数字は1ゴール。3-4-2-1のシャドーとして3試合先発、3試合ジョーカー起用でゴールを狙い続けたが、なかなか得点には届かなかった。敗れた準々決勝のオーストリア戦(●0-1)では、試合終盤を中学時代に本職だったボランチでプレー。「久しぶりという感覚がありながらも点を取ることだけを考えてプレーしていた」というなかでも、チームを勝たせるには至らなかった。
世界から集まった選手たちが国を背負い、ゴール前では必死の形相で体を投げ出しながら守ってくるW杯の舞台。日本ではそうした局面の駆け引きでも気迫を見せ、異質な勝負強さを示してきた吉田だが、ある種のカルチャーショックを受ける大会となったようだ。
「正直に言えばプレミアでは自分がやりたいプレーが今年になってできるようになってきて、W杯前の試合でも連続でゴールを取れたり、それ以外でのプレーもやりたいプレーが多く出せていたので自信を持ってW杯に行ったけど、実際に試合をしてみたらやりたいプレーがあまり出せなかった」
ただ、その衝撃を振り返る口ぶりは力強く、大会が終わってもなお燃え続ける野心が込められていた。大会期間中には対戦相手の分析だけでなく、他国の同世代にも目を凝らしていたという吉田。目の前で行われているあらゆる試合が刺激的だった。
「他の試合を見ていても、日本じゃいない選手だったり、日本ではないシュートやドリブル、日本ではないものがいっぱい見られた期間だった」。印象に残った選手・チームとしては、対戦していないブラジルのFWを挙げ、「ゴール前の駆け引きも上手かったし、ミドルシュートの部分でFWがペナ外からどんどんシュートを決めていたのでびっくりしたし、衝撃だった」。今大会5得点のFWデルを筆頭に強力な攻撃陣が並ぶ王国の姿は、特に心に深く刻まれた様子だった。
すなわち吉田にとってこの大会で味わったものは、世界基準による挫折ではなく、乗り越えていくべき相手からの刺激だった。「W杯では思ったような結果も出なかったし、自分のプレーが良かったとは思っていない。でもこの先、サッカー人生が続いていく中でU-20W杯、A代表に関わっていくような選手になれれば」。目指すべき場所は変わらない。そのためにもまずは鹿島ユースでの日常に戻り、努力を続けていく構えだ。
チームは今月、吉田、DF元砂晏翔仁ウデンバ、MF平島大悟の3選手をU-17W杯に輩出しながらもJユースカップを制し、さらにプレミアリーグEASTでも3試合を残して優勝が決定。夏にはクラブユース選手権も制したため、12月中旬に控えるプレミアリーグファイナルで勝利すれば高校3冠の“完全制覇”となる。
「自分はW杯もそうだったけど、出る大会で全部優勝したいと思っている。プレミアでは自分たちがいない中でもみんなが勝ってくれた。自分たちも代表選手として頑張って優勝できたら」。そうして培う勝者のメンタリティーは、いずれ必ず、日の丸を背負う舞台でも活きてくるはずだ。
(取材・文 竹内達也)
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全6試合の出場で残した数字は1ゴール。3-4-2-1のシャドーとして3試合先発、3試合ジョーカー起用でゴールを狙い続けたが、なかなか得点には届かなかった。敗れた準々決勝のオーストリア戦(●0-1)では、試合終盤を中学時代に本職だったボランチでプレー。「久しぶりという感覚がありながらも点を取ることだけを考えてプレーしていた」というなかでも、チームを勝たせるには至らなかった。
世界から集まった選手たちが国を背負い、ゴール前では必死の形相で体を投げ出しながら守ってくるW杯の舞台。日本ではそうした局面の駆け引きでも気迫を見せ、異質な勝負強さを示してきた吉田だが、ある種のカルチャーショックを受ける大会となったようだ。
「正直に言えばプレミアでは自分がやりたいプレーが今年になってできるようになってきて、W杯前の試合でも連続でゴールを取れたり、それ以外でのプレーもやりたいプレーが多く出せていたので自信を持ってW杯に行ったけど、実際に試合をしてみたらやりたいプレーがあまり出せなかった」
ただ、その衝撃を振り返る口ぶりは力強く、大会が終わってもなお燃え続ける野心が込められていた。大会期間中には対戦相手の分析だけでなく、他国の同世代にも目を凝らしていたという吉田。目の前で行われているあらゆる試合が刺激的だった。
「他の試合を見ていても、日本じゃいない選手だったり、日本ではないシュートやドリブル、日本ではないものがいっぱい見られた期間だった」。印象に残った選手・チームとしては、対戦していないブラジルのFWを挙げ、「ゴール前の駆け引きも上手かったし、ミドルシュートの部分でFWがペナ外からどんどんシュートを決めていたのでびっくりしたし、衝撃だった」。今大会5得点のFWデルを筆頭に強力な攻撃陣が並ぶ王国の姿は、特に心に深く刻まれた様子だった。
すなわち吉田にとってこの大会で味わったものは、世界基準による挫折ではなく、乗り越えていくべき相手からの刺激だった。「W杯では思ったような結果も出なかったし、自分のプレーが良かったとは思っていない。でもこの先、サッカー人生が続いていく中でU-20W杯、A代表に関わっていくような選手になれれば」。目指すべき場所は変わらない。そのためにもまずは鹿島ユースでの日常に戻り、努力を続けていく構えだ。
チームは今月、吉田、DF元砂晏翔仁ウデンバ、MF平島大悟の3選手をU-17W杯に輩出しながらもJユースカップを制し、さらにプレミアリーグEASTでも3試合を残して優勝が決定。夏にはクラブユース選手権も制したため、12月中旬に控えるプレミアリーグファイナルで勝利すれば高校3冠の“完全制覇”となる。
「自分はW杯もそうだったけど、出る大会で全部優勝したいと思っている。プレミアでは自分たちがいない中でもみんなが勝ってくれた。自分たちも代表選手として頑張って優勝できたら」。そうして培う勝者のメンタリティーは、いずれ必ず、日の丸を背負う舞台でも活きてくるはずだ。
(取材・文 竹内達也)
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