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「選ばれる準備はしてきた」U23アジア杯メンバー抜擢の小泉佳絃(明治大)、青森山田で頂点取ったCBはSB挑戦3か月目でアジアの舞台へ

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DF小泉佳絃

 年の瀬に思わぬ一報が届いた。U-21日本代表は昨年12月28日、今月7日からサウジアラビアで開催されるAFC U23アジアカップに参加するメンバーを発表。その前日の午後6時ごろにDF小泉佳絃(明治大2年)はメンバー入りを知った。「アジア杯はテレビで見てきた世界」と驚きながらも、今はアジアの舞台を見据えている。

 “ロス五輪世代”のU-21日本代表は、U23アジア杯直前の活動として、昨年12月24日から27日まで茨城で遠征を行った。今回のU23アジア杯メンバーは、23人中22人が茨城遠征メンバー。11月のイングランド遠征で初めて日の丸を着けた小泉のみが、U23アジア杯からの参加となった。

 メンバー発表会見で、大岩剛監督は小泉の抜擢について言及している。「率直に言えばチーム事情で少し厚みを持たせたいポジションではある。そのなかで彼のイングランド遠征でのパフォーマンスやその後のインカレでのプレーぶり、そこを把握したうえで、われわれの意向と評価が招集につながったと言っていい。このグループに必要な人材」と述べていた。

 明治大でのポジションであるSBや、もともと本職だったCBなど、小泉はDFラインでポリバレント性を発揮できる。茨城遠征まで怪我の復調に努めていた右SB梅木怜(今治)やCB市原吏音(大宮)に加え、メンバー発表日前日にアルメレ・シティFC(オランダ2部)への移籍が決まった左SB高橋仁胡の不参加もあり、DFラインをフォローできる小泉が招集されることになった。

 小泉本人は「正直、茨城の遠征にも行ってなかったので……」と唐突な中東行きに驚きを示す。「でも、選ばれるかもしれないと思って準備はしてきた」。11月のイングランド遠征でチームのラージグループ入りは済んでいたこともあり、パスポート等の準備はクリア済み。年末の30日から日本を発った。

 もともとは190cmの高身長を誇るCBとして、青森山田高時代には高校選手権も制覇した。右SBにコンバートされたのは約3か月前、2025年9月の終わりごろだという。

「怪我が明けて、明治大のトップチームに入ったときに紅白戦をした。そのときボードにあった自分のマグネットが右SBのところに置いてあって。最初は間違っているのかと思ったけど、そのまま初めての右SB。でもその紅白戦がよくて、その次の試合から右SBで起用された」

 小泉自身、右SBへのコンバートに手応えを感じていた。もともと運動量には自信があったこともあり、右SBではスプリント数と敵陣への進入が持ち味となった。「上下動やスプリントの多さ、スピードは試合のなかでも手応えは本当にあった。そこを代表のスタッフの方が見てくれていた」。コンバートから約1か月、11月にイングランド遠征を行う大岩監督体制の世代別代表メンバーに初めて招集された。

 初めての日の丸では、レベルの差を痛感した。「判断のスピードや上手さは、確実にレベルが高い」。ただ、今すぐに追いつけない部分もあれば、今すぐ取り組めることもある。「代表では自分ができることをやると強く思っていて。上手さという部分ではなく、スプリントを1本多く走ることや、上下動を多くすること、そのがむしゃらさは誰よりもやっていこうと思って入った」。必死に食らいつき、ひとつのアピールには成功してみせた。

 明大ではインカレでの劣勢時にFWや右サイドハーフを務めるなど、高身長かつ豊富な運動量ゆえに起用法は多岐にわたる。本職もCBからSBに完全移行するつもりもなく、「まだどちらで勝負するか、本当に自分の中では決まっていない」と可能性を模索中。「SBを始めてまだ全然経っていないので。もっと面白さを追求していければ」と今はSBの開拓を楽しんでいるようだ。

 代表活動中には、高校選手権で母校の青森山田が2回戦敗退。小泉が3年生のときの1年生の代であり、「勝ってほしいという気持ちはあったけど、全力を尽くしたなかで負けてしまったので、それぞれの道でがんばってほしい」と労をねぎらった。自らは優勝で高校サッカーを終えたが、現状の成長に結果は関係ないと強調する。「優勝してもしていなくても、どちらを取ってもプラスになったとは思っている。負けたとしても、その次をどうするかが本当に大事。後輩たちにもがんばってほしい」とエールを送った。

 一歩ずつ成長し、背負った日の丸。小泉は選ばれた自覚を強めている。「もう見られ方としては日本代表だよと言われている。この世代別だけじゃなくて、もっと上のA代表を目指さなきゃいけない立場になったと大岩監督も言っている。常にそこを意識してやっていきたい」。まずは初めてのアジアの舞台で、自らの実力を確かめていく。

(取材・文 石川祐介)

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石川祐介
Text by 石川祐介

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