異例の慶應大→欧州挑戦から2年弱…W杯争いに食い込んだ初招集20歳FW塩貝健人「3月に呼ばれなかったら終わりだなと」
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北中米W杯3か月前という“最終局面”での初招集——。20歳の日本代表FW塩貝健人(ボルフスブルク)は本気でW杯メンバー入りを掴み取るために、スコットランドの地へと乗り込んできた。アピールポイントは「得点。ゴールを奪うこと」の一点のみ。目覚ましいステップアップを遂げた欧州での日々と同様、ストライカーとしての仕事でキャリアを切り拓いていくつもりだ。
前例のない決断が大きな転機となった。2005年生まれの塩貝は慶應義塾大2年時の24年夏、オランダのNECナイメヘンに電撃加入。大学卒業後は横浜F・マリノスへの加入が内定しており、特別指定選手としてJ1リーグ戦にも出場していた中での重いキャリア選択だった。
この異例の挑戦がキャリアを大きく前に進めた。エールディビジではジョーカー起用が中心ではあったものの、昨季後半戦の4ゴールで着実に実績を重ねると、今季は前半戦だけで12試合7ゴールの大ブレイク。時間あたりの得点率では得点ランキングトップのFW上田綺世を上回るハイペースで量産を続けた。
そして今年1月にはドイツ・ボルフスブルクに完全移籍。W杯メンバー入りを考えればオランダで結果を残し続ける道もあったなか、あえて厳しい舞台に挑む決断だった。その結果、W杯前最後の活動となるイギリス遠征で待望の初招集。ブンデスリーガでは8試合1ゴールという実績だったが、森保一監督からは「より高みを目指してチャレンジをしているところ、舞台を変えてステップアップしているところ」も高く評価された。
まさにギリギリで滑り込んだW杯のメンバー争い。「3月に呼ばれなかったら終わりだなと思っていた。1週間前の試合(第26節ホッフェンハイム戦)に出られなくてヤバいかなと思ったけど、今までの結果で呼んでくれたのでその期待に応えるだけ」。代表入り後も熾烈なサバイバルが続いていくが、失うものはない立場。「呼んでくれたのでチャンスがないわけではない。自分のできることを精一杯やってメンバー発表を待つだけ」と強気に挑もうとしている。
W杯という短期決戦を見据えるにあたり、途中出場で結果を残してきた実績は大きな武器だ。「自分が出る時はゲームを変えないといけない時。そういう意味では自分が出たら変えられる自信がある」。現時点では「スタメンで出た時に90分間走り切れる走力はまだ自分の課題。そこは成長していかないといけない」との感覚もあり、限られた時間を活かすことへの意識は強い。
それでも、単なるジョーカーに甘んじているつもりもない。「ストライカーとして一番手を取りに行くのが一番。最初からサブでW杯に出ようなんか思っていない。自分ならできるとずっと思っているので、そこでどれだけ自分がアピールできるかだと思う」。限られた時間でも磨き上げてきた得点力を示し、上田がリードしているスタメン争いにも割って入る覚悟だ。
2022年末のカタール大会当時は全国高校選手権を間近に控えた國學院久我山高の3年生。メンバー争いに食い込むことすら想像できないところからここまでのし上がってきた。「4年前の前回のW杯はちょうど高校3年生の選手権で、その時は自分が次のW杯に出るとは思っていなかったし、そこはまだわからないけど、そもそもそこ(メンバー争い)に入れるかもしれないとも思っていなかった」。次は自分がその舞台に立ち、未来の代表戦士に背中を見せつける番だ。
「この4年間で自分でも驚くくらいに環境が変わって、初めて日本代表に呼ばれて、チャンスがないわけではない。もちろん前回のW杯は見ていたし、日本代表でプレーしている選手が格好良かった。今度は自分が夢を見せる側になれれば」。アメリカの地に立つための最初で最後のビッグチャンス。20歳の運命を左右する8日間が始まった。
(取材・文 竹内達也)
●2026ワールドカップ(W杯)北中米大会特集
●2026ワールドカップ(W杯)大会日程・テレビ放送
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前例のない決断が大きな転機となった。2005年生まれの塩貝は慶應義塾大2年時の24年夏、オランダのNECナイメヘンに電撃加入。大学卒業後は横浜F・マリノスへの加入が内定しており、特別指定選手としてJ1リーグ戦にも出場していた中での重いキャリア選択だった。
この異例の挑戦がキャリアを大きく前に進めた。エールディビジではジョーカー起用が中心ではあったものの、昨季後半戦の4ゴールで着実に実績を重ねると、今季は前半戦だけで12試合7ゴールの大ブレイク。時間あたりの得点率では得点ランキングトップのFW上田綺世を上回るハイペースで量産を続けた。
そして今年1月にはドイツ・ボルフスブルクに完全移籍。W杯メンバー入りを考えればオランダで結果を残し続ける道もあったなか、あえて厳しい舞台に挑む決断だった。その結果、W杯前最後の活動となるイギリス遠征で待望の初招集。ブンデスリーガでは8試合1ゴールという実績だったが、森保一監督からは「より高みを目指してチャレンジをしているところ、舞台を変えてステップアップしているところ」も高く評価された。
まさにギリギリで滑り込んだW杯のメンバー争い。「3月に呼ばれなかったら終わりだなと思っていた。1週間前の試合(第26節ホッフェンハイム戦)に出られなくてヤバいかなと思ったけど、今までの結果で呼んでくれたのでその期待に応えるだけ」。代表入り後も熾烈なサバイバルが続いていくが、失うものはない立場。「呼んでくれたのでチャンスがないわけではない。自分のできることを精一杯やってメンバー発表を待つだけ」と強気に挑もうとしている。
W杯という短期決戦を見据えるにあたり、途中出場で結果を残してきた実績は大きな武器だ。「自分が出る時はゲームを変えないといけない時。そういう意味では自分が出たら変えられる自信がある」。現時点では「スタメンで出た時に90分間走り切れる走力はまだ自分の課題。そこは成長していかないといけない」との感覚もあり、限られた時間を活かすことへの意識は強い。
それでも、単なるジョーカーに甘んじているつもりもない。「ストライカーとして一番手を取りに行くのが一番。最初からサブでW杯に出ようなんか思っていない。自分ならできるとずっと思っているので、そこでどれだけ自分がアピールできるかだと思う」。限られた時間でも磨き上げてきた得点力を示し、上田がリードしているスタメン争いにも割って入る覚悟だ。
2022年末のカタール大会当時は全国高校選手権を間近に控えた國學院久我山高の3年生。メンバー争いに食い込むことすら想像できないところからここまでのし上がってきた。「4年前の前回のW杯はちょうど高校3年生の選手権で、その時は自分が次のW杯に出るとは思っていなかったし、そこはまだわからないけど、そもそもそこ(メンバー争い)に入れるかもしれないとも思っていなかった」。次は自分がその舞台に立ち、未来の代表戦士に背中を見せつける番だ。
「この4年間で自分でも驚くくらいに環境が変わって、初めて日本代表に呼ばれて、チャンスがないわけではない。もちろん前回のW杯は見ていたし、日本代表でプレーしている選手が格好良かった。今度は自分が夢を見せる側になれれば」。アメリカの地に立つための最初で最後のビッグチャンス。20歳の運命を左右する8日間が始まった。
(取材・文 竹内達也)
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