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荒木主審&三原副審が“国内組”としてW杯へ!! トップ基準への適応「我々も常に課題感」Jリーグ、アジア、世界の違い

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荒木友輔主審、三原純副審

 6月11日開幕の北中米ワールドカップには荒木友輔主審(40)、三原純副審(44)の2人が担当審判員に選出され、日本人審判員として8大会連続の参加が決まった。2人はいずれもJリーグに登録されている審判員。日本代表の選手の大半は“海外組”が占めるようになったものの、審判員は自国リーグを担当することが世界的にも通例となっており、いわば“国内組”として本大会に臨む形となる。

 国際大会を担当するにあたって重要になるのは世界基準への適応だ。2人はいずれも2017年から国際審判員を務めており、今年が節目の10年目。これまでAFCチャンピオンズリーグやW杯アジア予選などのビッグマッチを裁いた経験は豊富だが、原則的には同大陸内の国際試合を担当するのが世界的な慣習となっているため、他大陸の強豪国が集まるW杯は未知の領域だ。

 荒木主審は次のように展望を口にする。「我々も常に課題感として持っている部分である。先日、ACLエリートでサウジアラビアに行ってきたが、戻ってきてからのJリーグはまた違うものだったし、そういう観点からしてもW杯に向けてはまた自分のチューニングを変えていかないといけないと思っている」。同じアジア圏内でもJリーグと中東勢のスタイルは大きく異なり、むしろJリーグを担当する際に適応を迫られるのだという。

「ACLと日本を比較するという点では、日本で担当するときはボールが動くスピードがとてつもなく速いと感じた。ACLでは一人の選手がボールを持つ時間が長く感じるし、プレーのスピードも常に速い状態ではない。振り返るとスピード感の違いは感じた」。またボールのないところでの駆け引き、タックルの激しさにも「大きな違いはある」と明かす。

 そうした違いへの適応はW杯でも不可欠。荒木主審は「やはりプレーの強度は絶対的に違うと思う」と述べ、「Jリーグと比較しても“普通と思う感覚”が違うというか、フィジカルチャレンジを一つ取っても、『このくらいの強さでぶつかるよね』という普通のレベルが違う。自分も海外で笛を吹くこともあるが、『おいファウルだろ』と思っている感覚が日本と違うのは常に感じているし、そういう部分でW杯でも新しい発見ができるんじゃないかと思っている」と基準の違いに向き合う構えだ。

 その際、基準への適応は「選手のできるレベルに合わせる」「その大会が求めているものに我々もアジャストしていくような形」で行っていくのだという。そこで重要なのは「ファウルじゃないものをファウルにするというのではない」という点。あくまでも「大会に合った判定」という意識が大事なようだ。

 こうした基準に日本の審判員が適応していくにあたり、日本サッカー協会(JFA)審判委員会も積極的なサポートを行ってきた。荒木主審は今季、Jリーグ百年構想リーグの担当は3試合にとどめ、アジア各地で行われるACLエリートなどの国際試合を積極的に担当。昨年はポーランドやカタール、一昨年はAFCアジア杯の他にアメリカへの派遣も行ってきた。

 三原副審によると、こうした取り組みは国際試合で大いに役立っている様子。「世界のいろんなサッカーを知っていて、W杯仕様に合わせていくにあたって、経験の幅がよりあったほうが有利だと思っている。これまで長期的な期間での海外派遣はないが、JFAさんのご支援で審判交流プログラムを設定していただいて、我々もアメリカやポーランド、アジアの国、(23年には)U-20W杯にも参加させていただいたので、そういう経験から引き出しを広げることができている。W杯で担当する試合があれば、その試合でどういった引き出しを使うかを考えていきたい」と感謝を口にした。

 最後はW杯直前の現地キャンプで最終仕上げを行い、適応を進めていく構えだ。荒木主審は「期間も限られてきているので、何ができるかというとそれほどないとは思うが、ここからそれぞれの国のレフェリーがW杯仕様にチューニングすることになるのはポジティブに捉えられる。大会約10日前に現地に入ってコースを行うが、他の国々のレフェリーもその視点で取り組むと思うのでイコールだと思って、その期間の中でW杯仕様に頭を切り替えて取り組みたい」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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