キャプテン離脱の危機に16年前を思い返した長友佑都「このショックを機にチームが一丸となる」
DF
あまりにも大きな衝撃だった。北中米ワールドカップの初戦を3日後に控えた日本代表に激震が走った。2月に受けた左足リスフラン靱帯の手術から蘇り、5月31日のアイスランド戦で再び負傷箇所を痛めた後も必死に這い上がろうとしていたキャプテンのMF遠藤航(リバプール)が最後の最後にチームを離脱。その事実を聞いたDF長友佑都(FC東京)は、率直な胸の内を隠さなかった。
「ショックだし、残念で無念です」。報道陣の前に立った長友の表情は険しかった。遠藤とは18年ロシアW杯前からともに日の丸を背負い続けてきた戦友。長年にわたって日本代表を支えてきた仲間の無念を思うと、簡単には気持ちを整理できなかった。
「聞いた時はすぐには心の整理ができなかった。残念で、航の気持ちを思うとつらかったですね」
カタールW杯以降、森保ジャパンの主将としてチームをけん引してきたのが遠藤。ピッチ上での存在感はもちろん、その責任感やリーダーシップは誰もが認めるところだ。
「本当に代えの利かない存在だったというのは間違いない。代表チームとしても痛い。彼の選手としてもそうだし、パーソナリティーの部分も含めて非常に痛い」
沈痛な面持ちのまま語る長友は、遠藤が背負ってきた重圧にも思いを巡らせた。「日の丸を背負うことの重圧は僕自身も分かる。それプラス、チームを引っ張らなきゃいけない。やった人間しか分からないと思うけど、その重圧は計り知れない」。自身はキャプテン経験こそないものの、日本代表最年長として数々の修羅場をくぐり抜けてきた。だからこそ、遠藤の苦悩や責任感の大きさを想像できるのだ。
一方で長友は、この逆境こそがチームの真価を問う機会になるとも強調した。「こういうことがW杯には起きる。選手の離脱だけじゃなくて、いろんなことが起こる中でチームを前に向かせるエネルギーだったり、そういった役目は自分がいる存在価値でもある」
そう言いながら思い返した大会がある。自身初のW杯だった10年南アフリカ大会。当時の岡田武史監督は大会直前にキャプテンを中澤佑二から長谷部誠へと交代させることを決断。選手たちは心が揺れる状況の中でも結束を深め、日本はベスト16進出という結果を残した。
「その経験があるので、このショックを機にチームが一丸となるようなことはできるんじゃないかなと思う」
カタールW杯以降の森保ジャパンは順調に成長を遂げてきた。だからこそ、今回の出来事はチームにとって大きな試練となる。しかし長友は、それを結束の契機に変えるべきだと力を込める。「このショックをみんなで支え合って、一丸となるきっかけにしていかなきゃいけない」。
そして最後は、力強い言葉で覚悟を示した。「誰も何も言い訳できない。ただただ泥臭く日の丸を背負って闘う。みんな本当に信念を持ってやるだけです。覚悟はもう決まっています」。この日の練習でも誰よりも大きな声を張り上げていた長友。その姿は言葉以上に決意を物語っていた。
「どんなに辛い時でも俺らははい上がっていく。リバウンドメンタリティーを見せる。底力をお見せします。一緒に戦いましょう」。39歳のベテランは逆境を力に変えるべく、再びチームの先頭に立つ覚悟を見せた。
(取材・文 矢内由美子)
●2026ワールドカップ(W杯)北中米大会特集
●2026ワールドカップ(W杯)大会日程・テレビ放送
▶日本代表の最新情報や取材裏話は『ゲキスタ』で配信中
「ショックだし、残念で無念です」。報道陣の前に立った長友の表情は険しかった。遠藤とは18年ロシアW杯前からともに日の丸を背負い続けてきた戦友。長年にわたって日本代表を支えてきた仲間の無念を思うと、簡単には気持ちを整理できなかった。
「聞いた時はすぐには心の整理ができなかった。残念で、航の気持ちを思うとつらかったですね」
カタールW杯以降、森保ジャパンの主将としてチームをけん引してきたのが遠藤。ピッチ上での存在感はもちろん、その責任感やリーダーシップは誰もが認めるところだ。
「本当に代えの利かない存在だったというのは間違いない。代表チームとしても痛い。彼の選手としてもそうだし、パーソナリティーの部分も含めて非常に痛い」
沈痛な面持ちのまま語る長友は、遠藤が背負ってきた重圧にも思いを巡らせた。「日の丸を背負うことの重圧は僕自身も分かる。それプラス、チームを引っ張らなきゃいけない。やった人間しか分からないと思うけど、その重圧は計り知れない」。自身はキャプテン経験こそないものの、日本代表最年長として数々の修羅場をくぐり抜けてきた。だからこそ、遠藤の苦悩や責任感の大きさを想像できるのだ。
一方で長友は、この逆境こそがチームの真価を問う機会になるとも強調した。「こういうことがW杯には起きる。選手の離脱だけじゃなくて、いろんなことが起こる中でチームを前に向かせるエネルギーだったり、そういった役目は自分がいる存在価値でもある」
そう言いながら思い返した大会がある。自身初のW杯だった10年南アフリカ大会。当時の岡田武史監督は大会直前にキャプテンを中澤佑二から長谷部誠へと交代させることを決断。選手たちは心が揺れる状況の中でも結束を深め、日本はベスト16進出という結果を残した。
「その経験があるので、このショックを機にチームが一丸となるようなことはできるんじゃないかなと思う」
カタールW杯以降の森保ジャパンは順調に成長を遂げてきた。だからこそ、今回の出来事はチームにとって大きな試練となる。しかし長友は、それを結束の契機に変えるべきだと力を込める。「このショックをみんなで支え合って、一丸となるきっかけにしていかなきゃいけない」。
そして最後は、力強い言葉で覚悟を示した。「誰も何も言い訳できない。ただただ泥臭く日の丸を背負って闘う。みんな本当に信念を持ってやるだけです。覚悟はもう決まっています」。この日の練習でも誰よりも大きな声を張り上げていた長友。その姿は言葉以上に決意を物語っていた。
「どんなに辛い時でも俺らははい上がっていく。リバウンドメンタリティーを見せる。底力をお見せします。一緒に戦いましょう」。39歳のベテランは逆境を力に変えるべく、再びチームの先頭に立つ覚悟を見せた。
(取材・文 矢内由美子)
●2026ワールドカップ(W杯)北中米大会特集
●2026ワールドカップ(W杯)大会日程・テレビ放送
▶日本代表の最新情報や取材裏話は『ゲキスタ』で配信中


