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職人GKは動じない…“緊急登板”の大久保択生、清水をPO決勝に導くファインセーブ連発

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ファインセーブを連発したGK大久保択生

[11.25 J1昇格PO準決勝 清水 0-0 山形 アイスタ]

 もしも序盤のピンチでモンテディオ山形に決められていたら、試合展開は大きく変わっていたはずだ。清水エスパルスで今季リーグ戦全42試合に出場していたGK権田修一が欠場となり、秋葉忠宏監督からスタメンに抜擢されたのはGK大久保択生。チームを失点の危機から救い続け、年間順位の優位性を生かした0-0の引き分けによるJ1昇格プレーオフ決勝進出に貢献した。

 大久保は今季の公式戦でルヴァン杯6試合、天皇杯1試合に出場していたが、リーグ戦での出番は1度もない。それでも、この1年間どんな状態でも一番早く練習場に来てトレーニングを重ねており、「本当にメンタル的にもパフォーマンス的にもプロフェッショナルな選手」と送り出した秋葉監督に不安はなかった。

 大久保自身も「プロとしてやるべきことをやり続ける。その中で自分にチャンスが来たら自分のプレーを出すっていうのは、ずっとやり続けていること」と自身の仕事に集中。指揮官が「職人肌」と称する34歳の守護神は、立ち上がりに訪れたピンチにも慌てることはなかった。

 前半6分、FWチアゴ・アウベスのクロスからFWイサカ・ゼインにヘディングでゴールを強襲されるが、パンチングで弾き出す。すぐに体勢を立て直し、こぼれ球に詰めたDF山田拓巳のシュートも止めてみせた。同19分に元同僚のMF後藤優介に抜け出されたシーンでも冷静に相手の動きを見て右足でストップ。後半3分には至近距離からFW藤本佳希の強烈なシュートを浴びたが、頭上を打ち抜くように飛んできたボールを鋭い反応で防いだ。

「(最初のピンチについて、味方の)山原(怜音)のポジションが見えていて、山原よりゴールから遠いところからのヘディングだったんで、しっかり見てから反応しようと思っていました。なるべく外に弾くのも意識したんですけど、弾いたところに相手がいて。多分ちょっとニアが空いていたと思うんですけど、僕も把握できていたので『蹴ってくるだろうな』と反応できました」

 高い集中力と的確な判断でクリーンシートを達成した大久保。その見事なパフォーマンスもあり、試合中はトレードマークのオールバックがひときわ威圧感を放っていた。

 大一番でのスタメン起用を受け、いつもより多めにポマードを塗ったか冗談交じりに質問されると、「いつもと一緒です(笑)。いつもと変わらず(笑)」。プレーオフ決勝で再び大役を任されたとしても、浮足立つことなく、チームのために自分ができることを全うする。

(取材・文 阿部哲也)
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ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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