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ショックを乗り越えJ1復帰に王手! 清水・秋葉忠宏監督「本当に勇敢なゲームができた」あの話題にも自ら触れる

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清水を率いる秋葉忠宏監督

[11.25 J1昇格PO準決勝 清水 0-0 山形 アイスタ]

「座禅が良かったんじゃないですかね(笑)」。報道陣に聞かれる前に自ら切り出し、周囲の笑いを誘った。失意の一戦となったJ2最終節の水戸ホーリーホック戦後、メンタル面の脆弱さを指摘していた清水エスパルス秋葉忠宏監督。先週、選手たちを連れて座禅に取り組んだことが大きな話題を呼んだ。

 水戸戦では勝てば文句なしでJ1自動昇格という状況だったが、相手の勢いに押されて前半をシュート0本で終えると、後半にミスから失点。その後の反撃で1-1と同点に追いつきながらも、逆転には至らなかった。この結果、ライバルのジュビロ磐田に2位の座を明け渡し、東京ヴェルディにも抜かれて4位に後退。J1昇格プレーオフに回ることになった。

「正直言うと(水戸戦後の)オフ明けから何日間かは、こんなにもやっぱり(精神的な)ダメージが残っているんだっていう状態でした」。指揮官は選手たちをショックから立ち直らせるため、寺での座禅を実施。異例とも言えるカンフル剤の投入により、チームは徐々に戦うマインドを取り戻していった。

「座禅したことで、より選手たちの自分と向き合う力だとか、もう一度精神統一するという素晴らしい時間を過ごせた」

 メンタルを回復していく過程には、トレーニング場まで駆けつけてチームを鼓舞する12番目の選手の存在もあったという。

「サポーターが練習場まで来て、横断幕を何枚も貼ってくれたとか、いろんな出来事が重なった中で選手たちがもう一度心を奮い立たせて、ファイティングポーズを取るのを、先週の段階から最後の方は次のプレーオフに向けて、最高の準備に入っていました。そういった準備の良さ、メンタルのたくましさ、タフさみたいなものが今日のゲームに結びついたと思います」

 プレーオフは引き分けの場合、年間順位の上位チームが勝ち上がるレギュレーション。しかし、4位の清水は5位のモンテディオ山形に対し、勝利を奪いにいくようにアグレッシブな姿勢を見せ続けた。その中で迎えた守勢の時間帯では、今季リーグ戦未出場ながら好セーブを連発したGK大久保択生を中心にゴールを許さず。0-0でゲームを締め、J1復帰に王手をかけた。

「この難しい難しいゲームを本当に選手がよくコントロールしました。辛抱強く、我慢強くゲームをコントロールしてマネジメントするっていう、本当にレギュレーションでアドバンテージがある分、刻一刻と状況が変わる難しい状況の中で、しっかりと点を奪いに行くところ、最後ゲームをクローズするところ、そういったものをしっかりと使い分けながら、最後の最後までアドバンテージを有効に使う忍耐強さ、したたかさでゲーム運びの狡猾さを含めて、素晴らしかったなというふうに思っています」

「でもそれを全部支えてくれたのは、やはり1万6000人近いサポーター・ファミリーが来てくれましたし、横断幕に俺らがいるから常に見ろっていう、スタンドを見ろっていうああいうメッセージが、もう一度我々に勇気をくれましたし、心を奮い立たせてくれて、本当に勇敢なゲームができたなと思っています」

 自動昇格を逃したショックを乗り越え、息を吹き返したオレンジ軍団。3位の東京Vと4位のジェフユナイテッド千葉のどちらが決勝に勝ち上がってきても、秋葉監督にとっては「これだけの大サポーター・ファミリーがいる中で、腰が引けるとか守備的なこと、そういう考えは僕には一切ない」。

「この清水エスパルスを愛するサポーター・ファミリーとともに、山形さんの思いも背負って、しっかりと最後もう1試合必ず勝ち上がって、我々が戻るべき場所、J1昇格できるようにまたやりたいなと思います」と力強く語る熱血漢の下、チームは「超攻撃的」「超アグレッシブ」を貫く。

(取材・文 阿部哲也)
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ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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