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反転攻勢への強烈“メッセージ”…清水MF乾貴士「流れを変えたいと」PO決勝は「基本的にはヴェルディとやると思っている」

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清水の攻撃を牽引したMF乾貴士

[11.25 J1昇格PO準決勝 清水 0-0 山形 アイスタ]

 青いユニフォームの選手たちが前から襲いかかり、次々とゴールを脅かしてくる。出鼻をくじかれて1-1のドローに終わり、J1自動昇格を逃したJ2最終節の水戸ホーリーホック戦が脳裏をよぎる立ち上がりとなった。

 5連勝でJ1昇格プレーオフに滑り込んだ年間順位5位・モンテディオ山形に押され、序盤に肝を冷やすシーンが続いた同4位・清水エスパルス。難しい時間帯をGK大久保択生のビッグセーブなどでしのぐと、その守備陣の奮闘に応えたのはMF乾貴士だった。

「(年間順位の優位性により)引き分けでもいいっていうアドバンテージもありましたし、気持ちの余裕みたいなものはちょっとこっちの方がありましたけど、でもやっぱり難しい試合にはなったので、特に前半の入りのところは相手に押し込まれるシーンもかなりあって、でもそこを守備陣と特に(大久保)択生が救ってくれたのが大きかったかなと思います」

 清水の“切り込み隊長”は前半12分、左サイドのハーフウェーライン手前でパスを受けると、中央へ斜めに運ぶドリブルから右足を全力で振り抜く。

「シュートもあの時間帯なかったですし、ちょっと流れを変えたいっていう意味でもちょっと遠かったですけど、打っていこうかなっていう意識はありました」

 枠を捉えた強烈なミドルシュートはGK後藤雅明に弾き出されたが、チームへの明確なメッセージとなった。前半22分にはMFホナウドのキャノン砲がクロスバーのわずか上を通過。MF中山克広とMF岸本武流の両ワイドも躍動し始め、先に点が欲しい山形の勢いを削いだ。

 ハーフタイムを挟み、終盤は清水がいつゴールを奪ってもおかしくない展開となったが、結果はスコアレスドロー。レギュレーションにより、決勝進出を果たした。これでJ1復帰に再び王手。乾は1週間後の決戦に向け、チームの課題を語る。

「入りの部分だったりとか、そこがね、まだ今日もそうですけど、水戸戦もそうですけど、やっぱり相手のペースになっていることが多いので、その辺はもうちょっと自分たちがあと1週間で考え直さないといけないところですし、逆に自分たちが入りのところで、もっといい入りをするっていうところを意識していかないと」

 決勝の相手は、26日に対戦する年間順位3位・東京ヴェルディと同6位・ジェフユナイテッド千葉の勝者。東京Vが勝ち上がった場合、清水は国立競技場で勝利必須の一戦に臨み、千葉なら今回の山形戦と同じく、ホームで引き分けでもOKの条件となる。

「次の試合もどっちになるか分かんないですけど、基本的にはヴェルディとやる、と思っているので、点を取らないと、勝たないといけない試合にはなると思っているので、やっぱり今日もそうですけど、自分を含め、全員が決め切れなかったというところは反省点なので、しっかりそこを1週間でどうにかしたいなと思います」

 より困難なシチュエーションをあえて想定し、その上で必ず勝ってJ1の舞台に戻る。乾は決意をにじませたコメントを残し、スタジアムを後にした。

(取材・文 阿部哲也)
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ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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