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先発復帰は「楽しみ50不安50だった」東京V山田楓喜、五輪メンバー発表直前も冷静「もちろん行きたいけど…」

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MF山田楓喜 ※写真は過去のもの

[6.29 J1第21節 横浜FM 1-2 東京V 日産ス]

 約1か月ぶりの先発となった。東京ヴェルディMF山田楓喜は後半10分までプレー。「前の3人は前半で変わる気でやれと言われていた。前半でほぼ出し切ったかなと」と清々しい笑みを浮かべた。

 U-23日本代表として5月上旬までU23アジアカップを戦ったが、公式戦では5月22日のルヴァンカップ3回戦・サンフレッチェ広島戦後からチームを離脱していた。しばらくの休養を経て前々節に途中出場で復帰。前節も試合に出て、今節から先発入りを果たした。

 ひさびさの先発に不安もあった。「正直、試合前も楽しみ50、不安50だった」。しかし、山田の心を奮い立たせたのはサポーターの声。「あんなに大きな声援だったので、こみ上げてくるものがあった。久しぶりでできなかったとか、そんな言ってられないくらいの熱量だった」。そしてピッチにともに立つ仲間にも支えられた。「自分がそういう感情だと悟って、みんな声をかけてくれた。周りに助けられたというのもある」と感謝を表した。

 前半11分の右CKで、山田は持ち味の左足キックを放つ。ゴール前に落ちたボールは、横浜F・マリノスに跳ね返されるが、PA手前から山見大登のミドルがゴールに突き刺さる。山田のセットプレーが起点となり、先制点が入った。「自分の左足からのコーナーだった。止まっている状況のボールだけではあったが、脅威になった」。直後には山田が相手の最終ライン3選手間のボールを追いかけ続けるシーンもあった。「ハードワークという部分でも一番前の3人が頑張ったからこそ、こういう結果になった」と手応えを語った。

 今節のプレーは山田にとって価値のあるものになったようだ。

「苦しい時間が続いていた。休んでいる間も苦しい気持ちでありながら、久しぶりにピッチに立って楽しさを味わえた。しかもそれを勝利で終えられたというのはすごくよかった。いろんな人に支えられながら楽しめているということが勝つことによって感じられた。周りの人には感謝しかない」

 自身の活躍で掴んだパリオリンピックは来月に開幕する。メンバー発表前最後の試合を終え、あとは発表日である7月3日を待つのみとなった。山田は休養中だった6月のアメリカ遠征はメンバー外ということもあり、自身の立ち位置に冷静だ。

「もうオリンピックのことは一切何も考えていない。もちろん選ばれたらそこに向けて準備はしていく。もちろん行きたいけど、行かない勇気、目指さない勇気というか、そこを目指さないその角度の勇気というのは、休んでいる間もいい方向で取れた」。自分にできることはプレーのみ。メンバー発表後に控えるセレッソ大阪戦に向けて「そこでは(メンバーが)決まっていると思うが、入っていても入っていなくても関係なく、自分のできることをしっかりやろうと思う」と腹をくくっていた。

(取材・文 石川祐介)

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石川祐介
Text by 石川祐介

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