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アドバンテージ判定も話題に…JFA審判委は外国人レフェリー積極招聘に意欲「今年以上にもうひとつ、ふたつ国を増やしていければ」

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ダレン・イングランド主審のアドバンテージが話題になった

 日本サッカー協会(JFA)審判委員会は24日、都内でメディア向けレフェリーブリーフィングを開催した。佐藤隆治JFA審判マネジャーと扇谷健司審判委員長は今季の審判員交流プログラムを総括しながら、「来年もこれ以上にもう少し多く呼ぼうということを考えております」とさらなる積極招聘に意欲を示した。

 今季は2月のアメリカ人トリオから外国人審判員の招聘が始まり、6か国13人(うち1人はWEリーグ)が来日した。ワールドカップ担当主審から若手レフェリー、高身長のレフェリーから小柄なレフェリー、イングランドやメキシコ、カタールなどと審判員のタイプも多様だった。

 小柄ながらカタールW杯で笛を吹いたセサル・ラモス主審は9月の来日時、日本の若手審判員に「僕は身体は大きくないけれど、カードの見せ方とかシグナルの仕方をすごく研究する。それこそ鏡を見て(カードを)出す練習を若い頃からしていた」と話したほか、フィットネス能力だけでなく見た目の印象を含めて筋力トレーニングの重要性などを伝えたという。実際のレフェリングのみならず日常の取り組みなどでも学ぶ部分が多かったようだ。

 今季のJリーグで最も話題になった判定の一つが、プレミアリーグ主審のダレン・イングランド氏がJ1第19節・東京ヴェルディ対名古屋グランパスで見せたアドバンテージの適用だ。後半7分、東京VのFW木村勇大が右サイドでMF山中亮輔に後方から倒されたが、イングランド主審は笛を我慢。MF翁長聖がこぼれ球を拾ったのを見てアドバンテージを適用すると、翁長はそのままゴール前まで持ち込んで鮮やかなループシュートを決めた。

 イングランド主審はこのシーンについて「褒められるべきはこのシュートだ」と謙遜したものの、各媒体でアドバンテージの判断が称賛された。ファンや各メディアから日本人レフェリーはすぐに試合を止める傾向があるという指摘も飛び、学ぶべきだという意見も出ていた。

 佐藤マネジャーは以降のリーグ戦で日本人主審の適切なアドバンテージからゴールに繋がった場面(横浜FM対FC東京、柏対横浜FM)を紹介しつつ、「明らかに流すべきだよねというシーンがあったにも関わらず笛が鳴っているシーンがいくつかあった」と現状を認識。「流すのか止めるのかという判断の精度の高さはやっぱり素直に学ぶべきだと思う」と述べ、「海外のレフェリーが笛を吹くことによって、DAZNやスタジアムで見ている人たちが生でそういった光景を見て『ゲームを流すレフェリーがいいんだ』とそこに価値を見出している。それを日本のレフェリーがきちっとやれるようにしていきたい」と改善を誓った。

 扇谷審判委員長も審判員交流プログラムを「我々もそうですが、現場の審判員にとっても非常に大きな学びになる」と述べると、Jリーグと協力しながら「なんとか今年以上にもうひとつ、ふたつ国を増やしていければ」と積極的な招聘に向けて交渉中であることを明かした。外国人審判員にとってもJリーグや日本の文化を体験することは貴重な機会になっているようで、扇谷氏がドイツを訪問した際には「今度は僕が行きたい」と複数のレフェリーから“逆オファー”があった模様。双方にとって有意義な活動になっている。

 交流プログラムという名前の通り、日本人レフェリーを海外に派遣する機会も複数あった。荒木友輔主審と飯田淳平主審は欧州各リーグのプレシーズン期間に渡英。チェルシー対インテルの第4審判員やサウサンプトン対ヘタフェの主審など、ビッグクラブの試合を担当した。また笠原寛貴主審はカタールリーグを担当して現地で高い評価を得たという。さらに32歳の長峯滉希主審と30歳の大橋侑祐主審は廣瀬格JFA審判マネジャーとともにサウジアラビアの審判研修会に参加。佐藤マネジャーは「来てもらうだけでなく外へ行ってというサイクルをしていくと、海外を経験したレフェリーがどんどん力をつけていくという意味では来年以降も交流プログラムを続けていきたい」と前向きな姿勢を示した。

(取材・文 加藤直岐)

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加藤直岐
Text by 加藤直岐

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