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国立に舞った町田194cm長身FWオ・セフン、気迫満点で“中東アウェー2連戦”へ「気を抜ける瞬間は一瞬たりともない」

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FWオ・セフン

[11.9 J1第36節 町田 3-0 FC東京 国立]

 韓国代表でも急速に存在感を高めるFC町田ゼルビアFWオ・セフンが、合流前最後のJ1リーグ戦で圧倒的なパフォーマンスを見せつけた。「良い状況で入れるのは間違いない。でも行ってからまた競争をして、いいプレーを見せなければならないことが続いていくので、気を抜ける瞬間は一瞬たりともない」。10月シリーズではA代表初ゴールも記録していた中、今月の“中東アウェー2連戦”に大きく弾みをつけた。

 まずは0-0で迎えた前半14分、GK谷晃生からのロングキックにハイジャンプで反応。194cmの上背を活かして競り勝つと、そこからFWエリキが裏に抜け出し、MF白崎凌兵のゴールにつながった。「あれが我々が主導権を握るパターン。ゴールにつながってよかったし、もっとパターンを増やせるようにもっと脅威になると思う」。国立に舞った長身ストライカーが町田らしいロングボール戦術を一手に担うビッグプレーだった。

 さらに1-0で迎えた後半4分、今度はMF相馬勇紀からのクロスが送られると、ファーサイドで白崎が折り返したボールに反応。冷静にボレーシュートで突き刺し、得点も記録した。「僕が点を決めたけど、白崎選手のように最後まで詰める、ああいうプレーが我々のストロングだと思う」。そう謙虚に語ったオ・セフンだったが、高さで相手を圧倒するだけでなく、ゴール前のセンスも光った2か月ぶりの復活弾となった。

 チームは後半34分にも1点を追加し、3-0で勝利。直近5試合連続勝ちなしと苦しみの最中にあった中、ようやく白星を掴んだ。また新国立競技場では昨季から6試合目で待望の初勝利。「前回の国立では得点を決めたけど勝つことができなかった。今回は得点を決めて勝つという、攻撃陣にとってこれ以上のことはないことができた」と喜びを口にした。

 またオ・セフンは「自信を持って代表活動に行けるのはいい状況だと思う」とも言葉を続け、現在3勝1分で首位に立つW杯最終予選に意気込みを示した。オ・セフンが6月から4回連続で選出されている韓国代表は今月、クウェート、パレスチナとアウェーで対戦。パレスチナ戦は中立地のヨルダン・アンマンで行われる予定だが、中東での厳しい2連戦となる。

 10月のイラク戦(◯3-2)では通算4試合目で初ゴールを記録したものの、「1点決めたからといって次の試合でゴールを決められる保証もないし、いいプレーをできる保証もない。目の前の一戦一戦に全てを注ぎ込むくらいでないといけない」と慢心はない。

 プレミアリーグで圧倒的な実績を誇るFWソン・フンミン(トッテナム)、2019年のU-20W杯準優勝を共に成し遂げたFWイ・ガンイン(パリSG)ら世界的スター選手たちにも刺激を受けつつ、「本当に間違いなくいい経験になっている。でもいい経験で終わるのではなく、もっともっと成長していかないといけないと思えている」とさらに飛躍を遂げていくつもりだ。

 韓国代表のストライカーは現在、絶対的なエースの不在が叫ばれているものの、34歳のベテランながら今年3月にデビューを飾ったばかりの遅咲きFWチョ・ミンギュ(蔚山現代)、23歳の若さで今季ベルギー・リーグ11試合3得点のFWオ・ヒョンギュ(ゲンク)を擁しており、個性豊かな競争が進行中。オ・セフンは「ここでしっかり勝って自信を持っていけるので、それを糧に責任感を持ったプレーをしっかりとしていきたい」と気迫を示し、国立競技場を後にした。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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