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「あとは自分がやるだけ」。静岡学園の逸材右SB野田裕人主将が川崎F入り!ブレイク中のFW神田奏真と再びホットライン

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静岡学園高DF野田裕人主将が川崎フロンターレ入り

 逸材サイドバックが川崎F入り! 川崎フロンターレは5日、来季の新戦力として静岡学園高DF野田裕人(3年)の加入が内定したことを発表した。野田は名門・静岡学園で2年時からレギュラーを務め、1年前の選手権や今年のインターハイで活躍している世代トップクラスの攻撃的右サイドバック(SB)。昨年のFW神田奏真に続き、2年連続で静岡学園の逸材が川崎Fへ加入することになった。

 野田は「めっちゃ信じられない気持ちで、びっくりしたっていうのが正直な感想で。何で自分が選んでもらったのかなっていうのは凄いびっくりしました」と心境を明かす。高校進学後にアタッカーからSBへ転向した野田は、昨年度の選手権初戦(対明徳義塾高)で1ゴール2アシストの大活躍。前半に神田のスルーパスから右足シュートを決めると、後半にはいずれも絶妙な右クロスで神田の2ゴールをアシストしている。

 他の公式戦でも世代屈指のFW神田に質の高いボールを配給。その姿が評価を高める一因になったことは間違いない「神田君じゃないと(クロスを)上げられないみたいじゃなくて、誰でも上げられるように頑張ります」と微笑むが、高卒ルーキーながらAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)の直近2試合で1ゴール1アシストの活躍を見せている神田とのホットラインが川崎Fでも構築されるか注目だ。

 野田はこの1年間、怪我に苦しんだ選手でもある。選手権後に股関節の負傷で長期離脱。当初は「めちゃくちゃしんどかったです」。チームもプレミアリーグWESTで開幕5連敗。野田不在の影響が大きく出ていた。

 それでも、主将は「怪我したからこそ見える景色だったり、できることがあったんで、前向きに捉えて良かった期間かなって」。ピッチ内外でできることに人一倍の姿勢で取り組み、6月末に復帰。インターハイでは出場した2試合で存在感を示して8強入りに貢献した。そのプレーを目の当たりにした複数のJ1クラブが関心を寄せる中、川崎Fは8月にオファー。対人プレーの強さに加え、上下動できることやボールの置きどころの良さ、そして一際多く得点に絡めることへの評価は高かった。

 野田はインターハイで感覚が戻ってきていたものの、ベストパフォーマンスではなく、自身のプレーに満足していた訳では無い。不安もあったというが、「Jリーグの中でもしっかりパスを繋いで前進していくっていう点で、静学のスタイルと似てるなって思いましたし、やっぱり見ていて面白いし、自分の特長がここなら出せるかなと思ったんで選びました」と川崎F入りを決断。8月に今度は甲を負傷して再び長期離脱を強いられているが、施設を見学し、あとは「自分がやるだけ」と闘志を燃やしている。

「(川崎Fの施設は)想像の何倍も凄くて。本当に施設の環境で言ったら、もうJリーグでもトップクラスだと思うんで、あとはもう本当に自分の戦い。あとは自分がやるだけなんで。その覚悟決めてフロンターレ行くこと決めたんで、頑張っていきたいです」。静岡学園の大先輩、MF大島僚太とチームメートになることについては「一緒にやれるっていうんなら、もう本当に夢のような感じで。今、実感はまだないです」と微笑んだ。

 今後、守備で絶対に負けない、そして攻撃にどんどん係わり、得点に絡んでいくSBを目指していく。川崎Fサポーターに向けては、「まずは試合に出て、信頼を掴むと言いますか、認めてもらえるような存在になるために努力したいですし、その上でやっぱり自分の特長を最大限発揮して、チームに貢献できるようにしたいなと思います」とコメント。そして、「やっぱ1年目はまだ自分は本当に戦えるレベルではないと思ってるんで、色々な先輩だったりとか、ベテラン選手だったりとか、もう本当にたくさんのことを吸収して、1日でも早く試合に出たいなっていう思いはあります」と掲げた。

 静岡学園でいずれも1学年上の神田やGK中村圭佑(現東京V)、MF高田優(現徳島)とともにプレーできたことは大きかったという。「ほんとに身近な存在なので。先輩方よりモチベーション高くやんないと自分も追いつけないなと思ってたんで、そこはほんとに刺激になりました」。先輩以上を目指して努力。今年は自分の武器を磨くことに加え、よりチーム全体を見渡せるようになったほか、状況、時間帯に応じたプレーもできるようになった。

 そして、自身も勝ち取ったプロ入り。間もなく復帰予定の野田にとって、今月末からの選手権は川崎Fサポーターにもアピールするチャンスだ。「(アピールしようと考えるよりも、)自分の今持ってるものを全て出すっていうことに1番フォーカスしていて。それでやっぱり出せた時はこう認めてもらえるんで。自分の力を出すことで認めてもらえると思っています」。自分の力を出し切り、切磋琢磨してきた仲間たちと輝く大会に。そして、自信をつけ、「本当にフロンターレって凄い選手ばっかなんで、一緒にプレーすることができるのが凄い楽しみであります」という川崎Fで、日本を代表するSBへの進化を遂げる。


(取材・文 吉田太郎)


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