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[MOM4574]静岡学園DF野田裕人(2年)_将来性豊かな右SBが指揮官称賛のゴールに加え、2アシストも

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静岡学園高の2年生右SB野田裕人(F.C.DIVINE出身)は1ゴール2アシストの活躍

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.29 選手権1回戦 静岡学園高 6-0 明徳義塾高 駒場]

 6-0で勝ったものの、静岡学園高の川口修監督は全体的にミスが多く、DFの対応が遅れていたシーンもあった試合内容について全く満足していなかった。その中で高く評価していたのが、先発唯一の2年生、右SB野田裕人(F.C.DIVINE出身)のプレーについてだ。

「今日は彼が1番目立ってましたね。運動量、アシスト力を発揮して、チャンスでゴールを決めた。本当、一人挙げるとしたら、やっぱ野田ですね、今日は」と川口監督。前半16分には左サイドで味方が打開したと見るや、逆サイドを一気に駆け上がった。

 当初は相手SBを引き付けることを考えていたというが、「相手が付いて来なかったんで」判断を変更してゴール方向へ。中央のFW神田奏真(3年)からのラストパスで抜け出し、そのまま右足シュートを左隅へ流し込んだ。

 川口監督は「チャンスの時には顔を出して、点取り行って良いんだよって日頃から言ってるんで。彼はあそこでチャンスだと思って中に入って行って、ぐっとシュートを打てるとこに入っていったと思うんですね。自分の判断で。ああいう判断を我々は凄く大事にしてるので、非常にナイスプレーだったと思います」と称賛した。

 その野田は、後半にも2アシストの活躍。10分、右ハイサイドで味方をサポートすると、「イメージ通りに上げれた」というピンポイントの右足クロスを神田の頭に通した。直後の13分には、右タッチライン際を高速ドリブルで攻略。「練習通り」に再び右足クロスを神田の頭に合わせた。

 ポジショニング良く、また慌てることなくパスワークに係わっていた。指揮官も高く評価するパフォーマンスだったが、本人は入りのところでミスがあったりしたことを反省する。加えて、ゴールを決めるまでは緊張していたことを明かしていたが、それでも修正して快勝に貢献。2年生の選手権はスカウトたちへのアピールチャンスでもあるが、インパクトのある初戦だった。

 元々はスピードを武器とするSHだったが、SBへコンバート。その理由について指揮官は「まず攻撃力がある。守備もできるし、キックの精度も結構高い。サイドバックで活動量があるから、前に置いとくだけじゃなくて、後ろから上がって行って、守備も貢献できるっていうことで、 1番適切なポジションかなと思った」と説明し、「使ってたら、やっぱり良くて。どんどん、どんどん、今、成長してる段階です」とその進化を認めていた。

 4年前の19年度大会では、同じ2年生の右SB田邉秀斗(現川崎F)が日本一に貢献。守備面での貢献度の高かった田邉と野田とではタイプは異なるが、アップダウンする力や攻撃力は先輩を超えるような能力を持つ。野田は今回の選手権について、「ほんとにいろんな人が見てると思うので、(プロのスカウトに見られることを)気にしてはないんですけど、自分のプレーをいかに1試合通して出せるかっていうとこと、自分はサイドバックなので、何回アシストできるかっていうとこは意識してます」と語った。

 まずは攻撃参加やドリブル、クロスという特長を最大限出し切ることに集中。将来性豊かな2年生右SBは、「守備は本当に、カイル・ウォーカーが好きなんですけど、絶対負けたくないなっていうのが強いです」という守備面と、得意の攻撃面でも静岡学園の勝利に貢献し続ける。

(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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