静岡学園高のDF野田裕人主将(3年=FC DIVINE出身)が、25年シーズンから川崎フロンターレに加入することが内定した。5日にクラブが公式発表。野田はこの日、「より責任も生まれてくるだろうし、生活の部分からもう一度身を引き締めて、自覚を持ってやっていきたいと思います」と引き締めた。

　昨年度の選手権でゴール、アシストの活躍。だが、今年は怪我が続いたために、活躍した期間は限られる。それでも、プレミアリーグWESTやインターハイに出場した際には自信を持つ対人の強さや抜群のスピードと精度、決定的なチャンスを創出する力で周囲との差を示してきた。

　ピッチ外でも、できることに全力。「(離脱した期間が長かったが)色々な別の角度からサッカーを見ることができて、また違う知識が入ったのも良かった。全て繋がって、こういう(川崎F加入という)成果になっていると思います」。FWリオネル・メッシやFWネイマール、MF三笘薫についての書籍を読むなど、名手たちの考え方や取り組みについても学ぼうとし、成長に結びつけてきた。

　この日、内定が発表されたことによって、今後は川崎Fの名前も背負っていくことになった。ただし、そのために「良いプレーをしよう」や、「相応しいプレーをしよう」という考えは毛頭ない。これまでも常に「自分の今、持ってるものを全て出すっていうこと」にフォーカスし、自然と評価を高めてきた。その姿勢を変えることなく、自分の持っているものを全て出すことに集中する。

「本当にここから世間の自分の見る目も変わってきますし、より期待されて悪かったらそれなりの目で見られると思うけれど、そういうのを気にせずに自分の持っているものを毎試合出すだけかなと思っています」。一芸大会などでは、真っ先に名乗りを上げて笑いを取りに行くという“はっちゃけた”性格。だが、オンとオフを切り替えてサッカーと向き合ってきたDFは、残りの高校生活、そしてプロでも周囲の目を気にせずに自分のやるべきことを貫いていく。

　8月に負った怪我によって離脱してきたが、12月1日のプレミアリーグWEST第21節・広島ユース戦でベンチ入り。現在は同最終節(12月8日)の神村学園高戦での復帰を目指している。プロ内定が発表されても、変わらない姿勢で練習から挑戦。チームメート以上のプレーで先発の座を取り戻し、日本一が目標の選手権(12月28日開幕)でも一戦一戦自分の全てを出し切って勝つ。
　
(取材・文　吉田太郎)

---

★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
●2024シーズンJリーグ特集
●第103回全国高校サッカー選手権特集