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「タフになれた」韓国・済州島での半年間を経て…覚悟のJ2山形加入決めたMF吉尾海夏「自分を必要としてくれるチームでもう一度這い上がりたい」

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MF吉尾海夏

[2.15 J2第1節 大宮 2-1 山形 NACK]

 26歳のMF吉尾海夏は今季、小学生時代から過ごした横浜F・マリノスを離れ、J2のモンテディオ山形に完全移籍する決断をした。「自分を必要としてくれるチームでもう一度這い上がりたい。その強い覚悟を持ってきました」。期限付き移籍先の韓国・済州島で過ごしたタフな半年間も糧にし、かつて一度花開いたJ2の舞台から再起を遂げるつもりだ。

 吉尾は今月15日に行われたJ2開幕節の大宮戦、後半22分からの投入で新天地デビューを果たした。1-1の状況で4枚替えの一人として出番を与えられると、同33分には自慢の左足シュートも披露。だが、これが相手MFにブロックされると、チームは試合終了間際に決勝点を与え、初陣を悔しい黒星で終えた。

 試合後、吉尾は自身のシュートチャンスについて「ああいう展開で投入されて、自分の得意な形が来た中で、決め切れる選手にならないといけない。そこで自分がこのクラブに来た意味、ピッチで自分の価値を証明しないといけない」と反省。「山形からたくさんのサポーターが来てくれたにもかかわらず、勝ちを届けられなかったのは悔しい」と肩を落とした。

 それでも吉尾はゆっくりと言葉を続けた。「でも一選手としては韓国での半年があって、このような素晴らしい雰囲気で試合をするのは結構久々だったので、すごく心が震えたというか……、このチームのサポーターのために戦いたいと改めて思いました」。その胸中には雪深い地元を離れ、敵地NACK5スタジアムで大声援を送った山形サポーターへの感謝があった。

 吉尾は昨夏、ハリー・キューウェル監督(当時)が就任していた横浜FMで出番を得られず、2018年の仙台、19〜20年の町田に続いて3度目の期限付き移籍を決断した。移籍先には初の海外となる韓国・済州ユナイテッドFCを選んだが、朝鮮半島南方の済州島をホームタウンとする同クラブのホームゲームは平均観客6000人程度。1万3千人以上が詰めかけたJ2開幕戦の空気は感慨深いものだったようだ。

 もっとも、その環境は長いサッカー人生において一つの転機となった。

 アウェーゲームのたびに長距離移動を強いられる環境に加え、当時の済州はKリーグ1で残留争いの最中。「チームが残留争いをしている中で助っ人という形で加わったので、自分の力でチームを残留に導かないといけない責任感を持って戦っていました」。横浜FMとは「スタイルも真逆」というサッカーを経験し、18試合出場で残留にも導いたことで、「タフになれたと思うし、日々新しいことを学べて刺激的な経験を送ることができた」と振り返る。

 とはいえ、この経験を現時点で「正解」と言い切るつもりもないようだ。「半年という短い期間だったけど、その経験を活かすも殺すも自分次第。自分のサッカー人生、何よりこのチームのために活かしていきたいです」。

 山形ではMF土居聖真を筆頭に質の高い2列目の選手が並ぶが、ハイレベルな競争は「マリノスでも競争はどのポジションでもあったし、全員が競い合えるチームが強いチーム。そこは気にしないし、むしろそれを求めてきたところもある」と織り込み済み。開幕サブという立場からも、J2というカテゴリからも、たくましく“這い上がる”1年が始まった。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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