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高1で別れた元同期との「CBコンビ結成」で湧き出てきたさらなる成長欲。長崎DF田所莉旺が青山敏弘コーチから学んだ「本物の選手」へのススメ

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旧友との再会にも刺激を受けた田所莉旺(長崎)

[5.13 ポストユースマッチ U-22 Jリーグ選抜 2-2(PK4-5) 関西学生選抜 J-GREEN堺]

 久しぶりに会った同年代の仲間たちから、大きな刺激を得たことは間違いない。彼らの成長を感じたからこそ、自分ももっと成長して、彼らに同じぐらいか、それ以上の刺激を与えたい。そのためにも、まだまだたくさんのやるべきことと向き合って、このシビアな世界で必ずのし上がってやる。

「プロの世界に飛び込んで、難しいこともある環境でやっている中でも、成長を感じられる部分もありますし、『まだまだだな』と実感する部分も多いですけど、もっと個人としての実力を上げながら、もっとガツガツと自分を出していけるようなメンタリティも鍛えていきたいと思います」。

 187センチの恵まれたサイズに、フロンターレ仕込みの技術を兼ね備えた、将来性豊かなセンターバック。DF田所莉旺(長崎)は旧友と一緒に戦った貴重な経験を糧に、大きく羽ばたくための準備を着々と整えていく。


 15年ぶりの全国出場を果たした帝京高の主力選手として、今冬の高校選手権で好パフォーマンスを披露。大会後にはV・ファーレン長崎への加入が発表され、プロサッカー選手としての道を歩み出した田所は、ポストユース世代の育成・強化を目的に始まった日本サッカー協会(JFA)とJリーグによる新施策『ポストユースマッチ』の第2回目に当たる今回の活動に臨む、U-22 Jリーグ選抜のメンバーに選ばれる。

「1回目は東の選手が多いと聞いていたので、今回は(名和田)我空は来るだろうなと思っていたんですけど、前回はACLの関係で入れなかった(土屋)櫂大も来ましたし、(松本)遥翔とか由井(航太)とか昔から知っているような選手が数多くいたというのは、自分の中でやりやすかったですね」。

 今回の活動は2日間。初日のトレーニングでは旧知の選手たちと一緒に汗を流す中で、Jリーグ選抜のスタッフを務める青山敏弘コーチから送られた言葉が、とりわけ印象に残ったという。

「青山さんともちょっとお話させてもらう時間があって、青山さんもJリーグのレジェンドとしてプレーされていた方ですけど、その中で『本物の選手』という言葉が印象に残りましたね。長崎で言うと(山口)蛍くんが、その『本物の選手』として身近でプレーしている中で、蛍くんはいつも一番最初に練習に来ていますし、ああいう選手がああやって行動していることを近くで見れているのは、凄いことなんだなって。あとは、『もっと自分を出してやるぐらいの気持ちを持って、ガツガツやった方がいい』と青山さんから言ってもらえたので、ありがたかったです」。

 2日目の活動は関西学生選抜とのトレーニングマッチ。後半から4バックの右センターバックとして出場することになったが、横に並んだのは土屋櫂大(川崎F)。高校1年生の冬までフロンターレのアカデミーでプレーしていた田所にとっては、U-15時代からの4年間を同じグラウンドで過ごしてきた“元チームメイト”とタッグを組むことになる。

「櫂大とはフロンターレを退団してから初めて会いました。LINEではやり取りしていたんですけど、実際に会ったら『久しぶり』というところから、結構話も盛り上がりましたね(笑)。ここに来てからも『櫂大と組むだろうな』とは思っていましたし、実際に一緒に組めたのは嬉しかったです」。

 時間にして45分間。U-18からトップチームへと昇格し、既にJ1やACLデビューも果たしている旧友と同じピッチに立ったことで、田所の中には新たな感情が芽生えたようだ。

「櫂大はフロンターレでACLも体験してきていて、経験値は僕よりも当然あると思いますし、高校1年生で一緒にやっていたころよりレベルアップしていましたね。向こうが今日の自分に対してどう思っていたかはわからないですけど、櫂大もそう思ってくれていたら嬉しいなというところと、こっちも刺激をもらっているので、自分ももっと刺激を与えられる存在になって、お互い切磋琢磨していけたらいいなと思います」。

 同い年で、同じセンターバック。18歳で飛び込んだプロの世界で、お互いの存在を意識しながら、それぞれの場所で進化し続ける。その先で今度は日の丸の縫い付けられたユニフォームを纏って、同じピッチに立つ日が来たら、それはきっと彼らを見守ってきた人たちにとっても、間違いなく最高だ。



 ここまで15節を消化したJ2リーグの試合では、まだベンチ入りも果たせていない。公式戦で出場機会を得たのは、ルヴァンカップ1回戦・群馬戦の数分間のみ。「ケガ人も多くて、連戦という中で、紅白戦には入れているんですけど、今はベンチに入る一歩手前ぐらいの感じで、まだ燻ぶっていますね」と自身の立ち位置は十分に自覚している。

 ただ、必要以上に焦るつもりもない。今はこの世界の入口に立ったばかり。今回のU-22 Jリーグ選抜で味わったさまざまな経験も自分の中で消化して、一歩ずつ、一歩ずつ、前へと進んでいくだけだ。

「自分の中ではまだほかの選手と大きな差があるなと感じますし、たぶんスタッフの方や先輩たちもそう感じているんだろうなって。その中で成長するためには、もっと全力で毎日毎日頑張るしかないんだなということは感じていますし、そういう意識のところは今日からスタートできることでもあると思うので、帰ってからはもっと意識的に練習へ取り組みます」。

「今回はこういう形で試合の機会を設けてもらったんですけど、こういうところに来なくても試合に出られるような選手になれるように、本当のJリーグの舞台で活躍して、本番のバチバチした戦いができるように、長崎に帰ってからも、もっとガツガツとポジションを取りに行くぐらいの気持ちで頑張りたいなと思います」。

 フロンターレのエッセンスと、カナリア軍団のマインドを自身の核に刻み込む、エレガントな立ち姿も印象的な現代型センターバック。『本物の選手』へと続く階段を駆け上がるべく、田所莉旺はこれからも自分の信じた道を、ただひたすらに突き進む。



(取材・文 土屋雅史)

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土屋雅史
Text by 土屋雅史

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