“ロス世代”キャプテン・大宮DF市原吏音と17歳逸材・熊本FW神代慶人の邂逅、激しいマッチアップも「また!」試合後に交わした“約束”
[8.23 J2第27節 大宮 1-0 熊本 NACK]
2028年ロサンゼルス五輪を目指す逸材たちが、ピッチで激しく戦った。“ロス五輪世代”U-20日本代表のキャプテンを担うRB大宮アルディージャの20歳DF市原吏音と、“飛び級”招集にも期待が懸かるロアッソ熊本の17歳FW神代慶人は、試合後に「また!」と再会を誓った。
ともにチームで主力として君臨する存在だ。市原は2シーズン前から2種登録ながら18歳で台頭し、スタメンに定着。昨シーズンに正式にトップ昇格を果たすと、チームの副キャプテンとしてJ3優勝とJ2昇格に貢献した。世代別代表でも持ち前のキャプテンシーを発揮。2月のU20アジアカップではU-20日本代表のキャプテンとしてチームをまとめ上げ、来月のU-20ワールドカップ出場権を掴んだ。
17歳の神代も市原同様に、若くして著しい成長を遂げてきた。高校2年生だった昨シーズンにプロ契約を締結。24年3月にはJ2リーグ史上最年少記録となるプロ初ゴールを決め、J2リーグ戦19試合5得点と結果を残した。同年9月に右膝外側半月板損傷で長期離脱を余儀なくされたが、今春に復帰。その後はチームの攻撃陣とともに調子を上げ、ここまでで昨季と同様の5ゴールを挙げた。昨年まではU-18日本代表で活動していたが、今年7月には大岩剛監督が“ロス五輪世代”のU-20年代で構成したU-22日本代表に飛び級で初招集された。
“ロス五輪世代”として期待される2人だが、まだ同じ代表チームでともに戦ったことはない。勝ち点3を争うクラブの主力として、NACK5スタジアムで相まみえた。
「想像していたとおりの強さだった」。そう大宮の印象を語る神代は、熊本の最前線で起点作りに奔走した。一方、マッチアップした市原は熊本の持ち味であるパスワークに警戒しながら、起点となる神代に仕事をさせない。「コンビネーションがうまい印象はあった。最後に背後に出すところ、そしてゴール前は危ないということは試合前から話していたので」(市原)。20歳のディフェンスリーダーは冷静に対処し続けた。
均衡は後半40分に崩れ、大宮がFW杉本健勇のゴールで勝利した。熊本はスコアを動かすことができず、足が攣りそうになるほど消耗した神代は後半21分に途中交代。試合後には「球際や守備の強度、ゴール前の仕事の部分も、課題はいろいろあった。そういうところをしっかり磨いていきたい」と悔しさをにじませる。市原は「自分たちがやるべきことを今日出せたことが勝ちにつながった」と胸を張った。
2人の間で試合前、試合中、試合後にそれぞれやりとりがあった。
「(市原が)U20アジア杯に出ているところを見ていたので。もしも自分が代表に選ばれたとき、仲良くやっていけるように」。神代は試合前、市原へのリスペクトを忘れず「お願いします」と伝えた。
もちろん、試合中は互いに本気で勝利を求めた。前半終了間際、決定機を迎えた神代は敵陣PA内でシュート体勢に入ると、カバーに入った市原と激しく交錯した。足を痛めて倒れ込む市原に対し、対戦相手の神代は律儀にもその場で動向を見守る。ピッチから一時的に出ようとした市原に謝罪を伝えた。回復した市原はその後ピッチへ戻った。今度は市原が神代に自身の無事を伝え、再び両者は激しく戦った。
試合後、市原が報道陣の取材を受けていると、神代が声をかけた。市原は優しく「また!がんばってね。またね!」とピッチでの再会を約束していた。
“ロス五輪世代”は2チームに分かれ、9月に2つの大事な大会を迎える。9月上旬、大岩監督体制のU-22日本代表は、来年1月の本大会出場を懸けたU23アジア杯予選に参戦。7月の活動を踏まえ、U-20年代が中心になると予想される。また9月下旬、これまで市原がキャプテンを務めてきた船越優蔵監督体制のU-20日本代表が、世代別代表の最高峰のひとつであるU-20W杯に臨む。
神代は大岩監督体制のU-22日本代表に、7月に初めて呼ばれた。しかし活動初日の国内練習で負傷。無念の離脱となり、アピールすることはできなかった。それでも復帰後には熊本で好調を維持。得点に絡む活躍をコンスタントに見せ、クラブでアピールを続ける。
「(大岩)監督からもしっかり治して、チームで結果を残して、また代表で会おうと言われた。チームで結果を残してから代表だと思う。今は言われたとおり、自分のできることをしっかりやっていきたい」(神代)。17歳の逸材は再び日の丸を着けるために、今は目の前の戦いで全力を尽くす。
(取材・文 石川祐介)
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ともにチームで主力として君臨する存在だ。市原は2シーズン前から2種登録ながら18歳で台頭し、スタメンに定着。昨シーズンに正式にトップ昇格を果たすと、チームの副キャプテンとしてJ3優勝とJ2昇格に貢献した。世代別代表でも持ち前のキャプテンシーを発揮。2月のU20アジアカップではU-20日本代表のキャプテンとしてチームをまとめ上げ、来月のU-20ワールドカップ出場権を掴んだ。
17歳の神代も市原同様に、若くして著しい成長を遂げてきた。高校2年生だった昨シーズンにプロ契約を締結。24年3月にはJ2リーグ史上最年少記録となるプロ初ゴールを決め、J2リーグ戦19試合5得点と結果を残した。同年9月に右膝外側半月板損傷で長期離脱を余儀なくされたが、今春に復帰。その後はチームの攻撃陣とともに調子を上げ、ここまでで昨季と同様の5ゴールを挙げた。昨年まではU-18日本代表で活動していたが、今年7月には大岩剛監督が“ロス五輪世代”のU-20年代で構成したU-22日本代表に飛び級で初招集された。
“ロス五輪世代”として期待される2人だが、まだ同じ代表チームでともに戦ったことはない。勝ち点3を争うクラブの主力として、NACK5スタジアムで相まみえた。
「想像していたとおりの強さだった」。そう大宮の印象を語る神代は、熊本の最前線で起点作りに奔走した。一方、マッチアップした市原は熊本の持ち味であるパスワークに警戒しながら、起点となる神代に仕事をさせない。「コンビネーションがうまい印象はあった。最後に背後に出すところ、そしてゴール前は危ないということは試合前から話していたので」(市原)。20歳のディフェンスリーダーは冷静に対処し続けた。
均衡は後半40分に崩れ、大宮がFW杉本健勇のゴールで勝利した。熊本はスコアを動かすことができず、足が攣りそうになるほど消耗した神代は後半21分に途中交代。試合後には「球際や守備の強度、ゴール前の仕事の部分も、課題はいろいろあった。そういうところをしっかり磨いていきたい」と悔しさをにじませる。市原は「自分たちがやるべきことを今日出せたことが勝ちにつながった」と胸を張った。
2人の間で試合前、試合中、試合後にそれぞれやりとりがあった。
「(市原が)U20アジア杯に出ているところを見ていたので。もしも自分が代表に選ばれたとき、仲良くやっていけるように」。神代は試合前、市原へのリスペクトを忘れず「お願いします」と伝えた。
もちろん、試合中は互いに本気で勝利を求めた。前半終了間際、決定機を迎えた神代は敵陣PA内でシュート体勢に入ると、カバーに入った市原と激しく交錯した。足を痛めて倒れ込む市原に対し、対戦相手の神代は律儀にもその場で動向を見守る。ピッチから一時的に出ようとした市原に謝罪を伝えた。回復した市原はその後ピッチへ戻った。今度は市原が神代に自身の無事を伝え、再び両者は激しく戦った。
試合後、市原が報道陣の取材を受けていると、神代が声をかけた。市原は優しく「また!がんばってね。またね!」とピッチでの再会を約束していた。
“ロス五輪世代”は2チームに分かれ、9月に2つの大事な大会を迎える。9月上旬、大岩監督体制のU-22日本代表は、来年1月の本大会出場を懸けたU23アジア杯予選に参戦。7月の活動を踏まえ、U-20年代が中心になると予想される。また9月下旬、これまで市原がキャプテンを務めてきた船越優蔵監督体制のU-20日本代表が、世代別代表の最高峰のひとつであるU-20W杯に臨む。
神代は大岩監督体制のU-22日本代表に、7月に初めて呼ばれた。しかし活動初日の国内練習で負傷。無念の離脱となり、アピールすることはできなかった。それでも復帰後には熊本で好調を維持。得点に絡む活躍をコンスタントに見せ、クラブでアピールを続ける。
「(大岩)監督からもしっかり治して、チームで結果を残して、また代表で会おうと言われた。チームで結果を残してから代表だと思う。今は言われたとおり、自分のできることをしっかりやっていきたい」(神代)。17歳の逸材は再び日の丸を着けるために、今は目の前の戦いで全力を尽くす。
(取材・文 石川祐介)
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