「投げてみたら意外と飛んだ」新武器ロングスロー、C大阪DF奥田勇斗がルヴァン杯で掴んだ収穫と課題
[6.9 ルヴァン杯POラウンド第2戦 町田 2-2 C大阪 Gスタ]
ルヴァンカップは敗退したが、激戦を経て得たものはあったようだ。セレッソ大阪の大卒ルーキーDF奥田勇斗はこの試合で初めてロングスローを披露。結果には結びつかなかったが、C大阪の新たな武器となった。「これから開発していけば、あれも武器になると思う」と手応えを語った。
第1戦を落としたことで後がなかったが、第2戦では前半5分、21分と立て続けに失点した。立ち上がりの危険な時間帯、かつセットプレーというピンチに集中して臨んだ。だがFC町田ゼルビアにトリックプレーで先制を許すと、流れを奪われた。「相手も(セットプレーが)ストロングだった。最初の2点がすごくもったいなかった」(奥田)。それでもC大阪は食らいついた。
「全体的に落ち込んだ部分もあるが、すぐみんな開き直って攻撃的なサッカーができた」。前半26分にオウンゴールで1点を返すと、36分には奥田がPA手前で起点を作る。左右にパスを散らして相手の注意を引き付け、パスを受けたMFヴィトール・ブエノがダイレクトでPA右に浮き球パス。MF上門知樹が決め切り、2-2と追いついた。
第2戦は2-2で終了。第1戦(●1-3)の点差により、C大阪は準々決勝進出とはならなかった。奥田は「ホームゲームで3失点してしまったことが、ここに来てすごく響いた」と悔しさをにじませた。
この試合で奥田がロングスローを投げた。スタンドがどよめくなか「今回初めて」と語る新武器は敵陣PAまで飛び、チャンスの形を作った。町田のスカウティングから、チームの軽い思い付きで始まったという。「勇斗投げてみたら?みたいな感じの練習から。それで自分が投げてみた結果、意外と飛んでこれだったら試合で使える」と自信が芽生えた。「ゴール前での守備で(ロングスローを)やられるとすごく嫌。逆にこっちがあれでチャンスを掴めることが今回証明できた。それはよかった」と力を込めた。
両SBに負傷者を抱えていたこともあり、両サイドでプレーできる奥田は今大会で左右どちらのポジションも務めた。左SBでやることが多かったが今回は右SB。そのなかでわかったことは「やっぱり右のほうが攻撃的に行ける」ということ。「右でやって証明できたとは思う」。そのポジションには日本代表DF毎熊晟矢が控えるが、奥田も「負けじとがんばっていきたい」と意気込んでいた。
ひとつのタイトルレースが終わり、天皇杯とJリーグの戦いに集中していく。リーグ戦では一時首位まで上がったが現在は9位。奥田は「でも上との差は自分たちの力で盛り返せる点差だとは思う」と勝ち点10差の町田を見据える。「一個一個大事にしながら勝ち点を積み上げていけたら、リーグ優勝もまだ掴める」。気持ちを切り替えて、リーグタイトルに気を向けていた。
(取材・文 石川祐介)
●ルヴァン杯2024特集
ルヴァンカップは敗退したが、激戦を経て得たものはあったようだ。セレッソ大阪の大卒ルーキーDF奥田勇斗はこの試合で初めてロングスローを披露。結果には結びつかなかったが、C大阪の新たな武器となった。「これから開発していけば、あれも武器になると思う」と手応えを語った。
第1戦を落としたことで後がなかったが、第2戦では前半5分、21分と立て続けに失点した。立ち上がりの危険な時間帯、かつセットプレーというピンチに集中して臨んだ。だがFC町田ゼルビアにトリックプレーで先制を許すと、流れを奪われた。「相手も(セットプレーが)ストロングだった。最初の2点がすごくもったいなかった」(奥田)。それでもC大阪は食らいついた。
「全体的に落ち込んだ部分もあるが、すぐみんな開き直って攻撃的なサッカーができた」。前半26分にオウンゴールで1点を返すと、36分には奥田がPA手前で起点を作る。左右にパスを散らして相手の注意を引き付け、パスを受けたMFヴィトール・ブエノがダイレクトでPA右に浮き球パス。MF上門知樹が決め切り、2-2と追いついた。
第2戦は2-2で終了。第1戦(●1-3)の点差により、C大阪は準々決勝進出とはならなかった。奥田は「ホームゲームで3失点してしまったことが、ここに来てすごく響いた」と悔しさをにじませた。
この試合で奥田がロングスローを投げた。スタンドがどよめくなか「今回初めて」と語る新武器は敵陣PAまで飛び、チャンスの形を作った。町田のスカウティングから、チームの軽い思い付きで始まったという。「勇斗投げてみたら?みたいな感じの練習から。それで自分が投げてみた結果、意外と飛んでこれだったら試合で使える」と自信が芽生えた。「ゴール前での守備で(ロングスローを)やられるとすごく嫌。逆にこっちがあれでチャンスを掴めることが今回証明できた。それはよかった」と力を込めた。
両SBに負傷者を抱えていたこともあり、両サイドでプレーできる奥田は今大会で左右どちらのポジションも務めた。左SBでやることが多かったが今回は右SB。そのなかでわかったことは「やっぱり右のほうが攻撃的に行ける」ということ。「右でやって証明できたとは思う」。そのポジションには日本代表DF毎熊晟矢が控えるが、奥田も「負けじとがんばっていきたい」と意気込んでいた。
ひとつのタイトルレースが終わり、天皇杯とJリーグの戦いに集中していく。リーグ戦では一時首位まで上がったが現在は9位。奥田は「でも上との差は自分たちの力で盛り返せる点差だとは思う」と勝ち点10差の町田を見据える。「一個一個大事にしながら勝ち点を積み上げていけたら、リーグ優勝もまだ掴める」。気持ちを切り替えて、リーグタイトルに気を向けていた。
(取材・文 石川祐介)
●ルヴァン杯2024特集