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「エンブレムを背負えるのは最後だから…」特別な想い胸に戦う横浜FM JrユースFW松尾健吾、逆転勝利導く同点弾

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FW松尾健吾(9)が同点ゴール

[12.21 高円宮杯準々決勝 横浜FM Jrユース 3-1 ソレッソ熊本 J-GREEN堺S2]

 ユースには昇格できなかったという。横浜F・マリノスジュニアユースのFW松尾健吾(3年)は笑顔で新天地に向かうべく、高円宮杯に特別な想いで臨んでいる。

 松尾は夏の全国大会予選でハットトリックを記録するなどしたが、途中出場が中心のシーズンを送った。そうした中で横浜FMユースには昇格できないことが決定。「高校で(活躍)できるように準備しつつチームを勝たせられるように今やっている」。当然悔しい気持ちも大きいが、横浜FMアカデミーの一員として戦える最後の大会・高円宮杯に向けて決意を新たにした。

「多分ユース昇格組よりも最後だからということでやる気というか(は強い)。もうマリノスというビッグクラブのエンブレムを背負えるのは最後だから、名に恥じないように最後までできたらという想いでやっています」

 そうして迎えた高円宮杯は1回戦と2回戦で途中出場し、準々決勝は1点ビハインドの状況で後半19分からピッチに入った。追いかける展開のまま終盤を迎えたものの同33分、右サイドからFW藤澤斗亜(3年)が折り返したボールを松尾が合わせて値千金の同点弾。松尾は「藤澤が良い感じで自分をフリーにしてくれたので流し込むだけ」と謙虚に振り返るように、得点直後も冷静な表情を一時浮かべていたが「すごく嬉しかった。気持ちよかった」とすぐに感情を爆発させて喜びを示していた。

 横浜FM Jrユースは松尾のゴールで勢いづくと、藤澤がアディショナルタイムに2得点を奪う劇的な活躍を見せて準々決勝を突破。準決勝進出は1997年大会以来で、日本一まであと2勝に迫った。

 松尾は劇的な勝利を喜びつつ、次戦も難しい試合になることを覚悟する。その上でたとえベンチスタートでも試合開始から声でチームを支えていき、出番が訪れた際にはプレーで活躍していく構え。「自分は試合の状況を変えられるし出たら活躍するというのを見せられた」と述べ、この日のゴールを自信に勝利に貢献する意気込みだ。

 今季は途中出場が多かったことで短時間でも結果を残す力がついたという。また、前線からのプレスを特長とする中で「最近はボールを取れるようになってそのまま攻撃に繋げられたり、背後へのアクションの質が上がった」。松尾はそのように成長を重ねた横浜FM Jrユースでの日々を「日本一を取って最後に笑って終われるようにしたい」と力を込め、有終の美を飾る考えだ。

(取材・文 加藤直岐)

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加藤直岐
Text by 加藤直岐

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