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フィールドでセレクション落ちもGK転向で下部組織入り…大宮U15の190cm守護神・新村和史が2年前の悔しさ知る西が丘へ

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GK新村和史

[12.21 高円宮杯準々決勝 大宮U15 1-0 福岡U-15 J-GREEN堺]

 登録190cmの長身が一際目を引く。RB大宮アルディージャU15のGK新村和史(3年)は今大会初の無失点勝利を喜びながら、残り2試合も完封して日本一に輝く構えだ。

 大宮U15で守護神を張る新村だが、当初はフィールドプレーヤーとしてアカデミーに加入したかったという。しかし小学生で受けたU12チームのセレクションは不合格。それでも当時から身長が大きかったといい、GKの素質を見出されて「キーパーをやらないか」と声をかけられてポジションを変える形で加入が実現した。

 下部組織に入ってから始めたGKでは「止めるのがすごく楽しくて、味方と協力しながらゴールを守ったり無失点で終える気持ち良さだったりがすごく好き」と醍醐味を感じており、着実に成長を遂げながら身長も190cmの大台に到達した。今季はU-15 Jリーグ選抜に選出され、10本のシュートを受けたリバプールU15戦では好セーブを連発して完封勝利に貢献。ところが選抜活動後に臨んだ日本クラブユース選手権では自身のパスミスから失点する場面もあり、3戦未勝利でグループリーグ敗退と浮き沈みのあるシーズン前半戦になった。

 もっとも新村は積極的にコーチとコミュニケーションを取るようになったといい、「試合ごとの振り返りをしてミスを繰り返さないことを徹底している」。高円宮杯2回戦では失点に繋がるミスをしてしまったものの、PK戦でミスを挽回する活躍を見せて8強入り。続く準々決勝は無失点と失敗から立ち直る姿を見せ、「そういう(夏の)経験があったからこそ今の結果になっていると思う」と1年間を通しての成長を示した。

 今大会は控えに回っているGK藤森陸真(3年)の存在も大きい。中谷優介監督によると新村が2回戦でミスしてしまった直後、藤森が一番にピッチ脇まで飛び出して「大丈夫だよ。取り返せるよ」と鼓舞。ベンチから見届ける悔しさを押し殺して新村を支えたという。そうした仲間の存在に新村は「今回は自分が出たけれどどっちが出るか分からない状況で切磋琢磨しながらやっている。陸真のサポートもあってここまで来れている」と感謝を口にし、ピッチに立つ責任も感じながらゴールを守っている。

 準決勝、そして決勝の会場となる西が丘は2年前、大宮U15が準優勝に終わった会場だ。当時1年生の新村はスタンドから応援し、「悔しい結果に終わったけれどいつか自分もこの舞台に立ちたい」と志したという。そうした舞台で決勝進出を懸けて対戦するのは、U-15 Jリーグ選抜で主将だったDF竹内悠三(3年)が主軸を張る名古屋グランパスU-15。新村は「まずはレベルが高い相手とやることを楽しんで、絶対に勝って優勝をしたい」と力を込め、サイズを生かしたセービングで勝利に貢献することを誓った。

(取材・文 加藤直岐)

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加藤直岐
Text by 加藤直岐

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