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課題が散見も勝ち切った徳島市立!! 準決勝で徳島北を延長戦の末に下し、11連覇に王手!!

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徳島市立高が11連覇に王手をかけた!!

[6.1 インターハイ徳島県予選準決勝 徳島市立高 2-1 徳島北高 ワークスタッフ陸上競技場]

 令和7年度全国高校総体(インターハイ)男子サッカー競技徳島県予選準決勝が1日に行われ、徳島市立高徳島北高が対戦。DF伏田珂偉(3年)とMF牛尾律貴(3年)のゴールによって徳島市立が2-1で勝利した。

 昨年の選手権でスタメンとしてピッチに立っていた選手はGK李ハソン(3年)と牛尾のみ。ベンチや大会の登録メンバーに入っていた選手はいるとはいえ、今年の徳島市立はAチームでの試合経験が少ない選手が多く、1からのチーム作りを強いられた。

 経験不足による影響はプリンスリーグ四国での戦いにも表れている。決定力不足と我慢すべき場面での失点が響き、取りこぼしが多い。「いつも自分たちで自分たちを苦しめている」と口にするのは河野博幸監督で、この日もそうした課題が出た試合になった。

 徳島北が前から奪いに来なかったこともあり、試合序盤から徳島市立がボールを持つ時間帯が続いた。「自分たちがやりたいのは相手を動かすサッカー」。そう話すのは牛尾で、DF柏木優一朗(3年)と川村康生(2年)のCBコンビに、MF山本崇斗(3年)が絡みながら相手DFの背後やサイドのスペースにパスを配給し、見せ場を作った。

 前半9分には左サイドでのボール奪取から縦に入れて、MF芳田翠(2年)が突破。ゴール前にクロスを送ったが、中の選手と合わない。10分には伏田が対角に入れたロングフィードから、牛尾が放った左足シュートも左ポストに阻まれた。

 14分には芳田の右クロスをFW藤村優太(3年)が頭で合わせたが、シュートはGK天野裕陽(2年)の正面。以降もチャンスを作りながら前半を無得点で終え、河野監督は「ゴール前でチャンスが多かったのではなく、決定的な場面が多かった。決めないといけない。前半で1点取っていたらまた違った結果になっていた」と口にした。

 後半5分にCKの攻め残りから川村が左クロスを上げるなど見せ場を作りながらも1点が遠い展開となったが、15分には左中間でボールを持った山本がサイドチェンジ。そこからMF東海林蓮(2年)、MF逢坂翔雅(3年)と繋ぐと最後は伏田がミドルシュートを決めて、徳島市立が均衡を崩した。

 試合はそのまま1点リードで進んだが、徳島北も諦めていなかった。後半35+2分にはカウンターからFW鎌田亮太郎(2年)が左サイドを突破し、CKを獲得。GKをゴール前に上げたパワープレーに出ると、クロスを競ったこぼれ球をDF阿部慶音(3年)が押し込み、延長戦に持ち込んだ。

「今年のチームは選手が揃っていないと言われていた。そこを補うため、練習ではこれまで以上に走りのメニューが増えて、走れるチームになって強いチームに勝とうとやってきた。試合終盤でも走れていたから、ゴールが奪えた」。そう振り返るのはMF泉瑛太(3年)だ。

 迎えた延長戦は再び徳島市立が見せ場を作り、延長前半8分にはロングスローのこぼれ球に反応した牛尾のトラップが相手のハンドを誘発し、PKを獲得。このチャンスを決めて、徳島市立が2-1で勝利した。

 改めて今シーズンの課題が散見する試合内容となったが、収穫があったことも確か。「1試合1試合良くはなっている。初戦は初戦の緊張もあって、自分たちが前に行ける場面でも受け身になってしまい、行けなかった。ただ、次の試合からは行けるようになってきた」。そう話すのは川村で、試合を通じて18本のシュートを放つなどチャンスを作れているのはプラス材料だ。

 2日の決勝では11連覇をかけて徳島商高と対戦する。「歴代の先輩たちは厳しい戦いの中でも勝ち上がってきた。プレッシャーはあるけど、自分たちも勝ちたい」と意気込むのは川村。先輩たちが築いてきた伝統を絶やさないためにも次戦こそはゴールラッシュを披露するつもりだ。

(取材・文 森田将義)

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森田将義
Text by 森田将義

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