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U-16全国、“裏選手権”優勝の世代が日本一に挑戦。鹿島学園は雨中で手堅く戦い、4発勝利で茨城決勝進出

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前半15分、鹿島学園高がCB中川光星(3番)の先制ゴールを喜ぶ

[6.10インターハイ茨城県予選準決勝 鹿島学園高 4-1 水戸啓明高 水戸信用金庫スタジアム]

 10日、令和7年度全国高校総体(インターハイ)男子サッカー競技(福島)・茨城県予選準決勝が那珂市の水戸信用金庫スタジアムで行われ、2連覇を狙う鹿島学園高水戸啓明高に4-1で快勝。鹿島学園は15日の決勝(K'sデンキスタジアム)で明秀日立高と戦う。

 鹿島学園は現3年生が2年前のU-16全国大会優勝世代。今年は裏選手権(ニューバランスカップ)、県新人戦で優勝し、プリンスリーグ関東1部では5位につけている。今大会は5回戦から登場し、2試合連続3ゴールで勝利。準決勝の先発はGK小松崎悠仁(2年)、右SB秋山龍詠(3年)、CB中川光星(3年)、CB齊藤空人主将(3年/U-17日本高校選抜)、左SB清水朔玖(3年)、ダブルボランチが木下永愛(3年/24年U-16日本代表)と西川大翔(3年)、右SH松本金太朗(3年)、左SH伊藤蒼空(3年)、そしてワーズィージェイヴェン勝(2年)と内海心太郎(2年)が2トップを組んだ。齊藤、清水、木下は2023年の国体日本一メンバーでもある。

鹿島学園は2連覇に挑戦

 一方の水戸啓明は今大会で4回戦から登場し、3試合で10得点。関東大会予選に続く4強入りだ。準決勝の先発はGK大久保将弘(3年)、右SB深川智寬(1年)、CB中山大河(2年)、CB小鳥翔(3年)、左SB田中琉騎(1年)、中盤の底に高島龍飛(3年)、インサイドが宮本浪王(2年)と山崎幸之輔(1年)、そして、右SH馬場惺也(3年)、左SH菊池遼生(1年)、1トップの蓮沼楓海(2年)の11人だった。

水戸啓明は2013年以来のインターハイ出場を目指した

 雨中の戦いとなった準決勝は、天然芝でスリッピーなピッチ。ボールが伸び、互いにタッチが乱れる部分があった。その中で鹿島学園はともにパワフルなワーズィーと内海が前線で迫力のある動き。長身ドリブラーの伊藤、10番MF松本の両ワイドが崩しに係わり、ボランチの木下、西川がフィニッシュシーンに顔を出す。

水戸啓明は局面に人数をかけた守備で対抗

 水戸啓明は8分、カウンターから右サイドへ飛び出した菊池がDFと入れ替わってクロス。守備時はスライドを徹底し、相手の突破を馬場、山崎、高島の3人がかりで止めるシーンもあった。だが、14分に鹿島学園が先制点を挙げる。清水の右CKからワーズィーがヘッド。相手GK大久保が弾いたボールを右の中川が右足でニアのネットへ押し込んだ。

前半15分、鹿島学園FWワーズィー・ジェイヴェン勝がヘディングシュート

こぼれ球を189cmCB中川光星が右足で蹴り込み、先制

189cmの3年生CBがスコアを動かした

 幸先よく先制した鹿島学園は、スピーディーなパスワークから左の伊藤のドリブルや左SB清水のサイドチェンジをアクセントにした攻撃。ただし、選手たちは攻守で前から呑み込みに行くことよりもバランスを重視してゲームを進めていく。鈴木雅人監督が「(一発トーナメントで選手たちは)手堅く、手堅くっていう感じはしますね」と印象を語っていたように、齊藤が中心となって状況に応じた戦い方で試合をコントロールしようとしていた。

 一方、水戸啓明は高島や宮本を軸に、相手の様子を見ながら丁寧にボールを繋ぐ形で反撃。中山が縦パスを差し込もうとしたほか、小島や深川がボールを運ぶことにチャレンジする。DF裏を繰り返し狙う蓮沼にボールが通るシーンもあったが、鹿島学園は注目CB齊藤やGK小松崎が対応してシュートを打たせない。

水戸啓明はMF宮本浪王らが中心になってボールを動かす

 また、鹿島学園はともに経験値豊富な木下、西川の両ボランチが取りどころに。26分には清水のサイドチェンジから右の秋山がクロスを上げ、ワーズィーの折り返しを内海が頭で狙う。36分には左サイドで相手と入れ替わったワーズィーが右足シュートを放ち、40分には前から圧力を掛けて相手ビルドアップのミスを誘った。複数の選手でボールを奪い取り、松本が右中間、PAすぐ外の位置でFKを獲得。このFKをキッカーの清水が右足で鮮やかに左隅へ決めて2-0とした。

鹿島学園MF木下永愛は西川とともに奪い返しで貢献

前半40分、鹿島学園の左SB清水朔玖が右足FKを直接決める

高精度キッカー・清水のゴールで2-0

 水戸啓明は後半開始から馬場とMF渡邊一輝(2年)を交代。直後に1年生アタッカーがゴールを奪い返す。2分、宮本の展開から左の菊池がわずかに中へ持ち込み、右足を振り抜く。鮮やかな一撃がファーサイドのネットに決まり、再び1点差となった。

後半2分、水戸啓明FW菊池遼生が鮮やかなカットインシュートを決めて1点差

1年生FWは突破力も発揮

 勢いに乗った水戸啓明は、9分にも自陣右サイドでの奪い返しから宮本、田中を経由して左ハイサイドへボールを動かす。タッチライン際ギリギリで菊池がボールを残し、PAでパスを受けた渡邊がDF2人に対応されながらも右足シュート。さらに16分にも、菊池が左サイドでDFをかわしてクロスへ持ち込む。

 鹿島学園は直後にワーズィーと右SH大川寛翔(2年)を交代。その大川や中央へ移った松本がシュートを狙う。水戸啓明も21分に山崎とMF黒澤幸之朗(3年)をチェンジ。強敵に食らいついて見せるが、鹿島学園が次の1点を奪う。25分、敵陣でボールを奪うと、大川のパスを松本が1タッチで右オープンスペースへ配球。これに秋山が走り込んで鋭いクロスを上げると、GKが濡れたボールを処理しきれずに3-1となった。

鹿島学園は後半26分、右SB秋山龍詠(右から2人目)の右クロスが相手オウンゴールを誘い、3-1

 鹿島学園は1点差の難しい時間帯が続いたが、要所を締めながらセットプレー、サイド攻撃で追加点を狙い続けてゴールをこじ開けた。鈴木監督は「ああいう時間帯で一回締めながら追加点を取れたのは良かったかなと思います」。この後、鹿島学園はMF三浦春人(3年)とFW堀樹矢(3年)を同時投入。水戸啓明はMF星川凉我(3年)、FW園力良(2年)を相次いでピッチへ送り出した。

 鹿島学園は中川のクロスバー直撃のヘッドや、左ゴールライン付近から仕掛けた堀の右足シュートで4点目を目指す。そして32分、清水の右足FKがポストを叩き、さらに押し込もうとした中川の右足シュートはブロックされたが、波状攻撃。右サイドの堀がマークを外してクロスを上げると、齊藤が頭でゴール左隅へ決めて4-1とした。鹿島学園はこの後、MF力石隼之介(1年)とMF中原瀬那(2年)をピッチへ送り出し、3点差を維持して決勝進出。2連覇に王手をかけた。

後半33分、鹿島学園はU-17日本高校選抜のCB齊藤空人主将がヘディングシュートを決め、4-1

手堅く戦いながらセットプレー、サイド攻撃の強みを発揮した

 今年の県大会は例年以上に追われる立場での戦い。それでも、鹿島学園は自力を示して決勝へ駒を進めた。鈴木監督は「いい意味でちょっとリスペクトされると、これが逆にやりづらいなっていうことを凄く感じるし、そういうことを感じながら、ちょっと成長していけたらと思いますし、今日も1失点は、決勝に向けてはいい薬になったんじゃないかなと思います」とコメント。齊藤も「しっかり得点を決めれて勝てたことは1番ですけど、失点っていうのは日曜日(決勝)に向けてもっともっと見つめ直してやっていかないといけないなと思いました」と指摘した。

 中川が「全国出るだけじゃなくて、優勝っていうのをチームで目標にしているんで、一戦一戦頑張っていきたいです」と語るようにチームの目標は日本一だ。プリンスリーグやインターハイ予選で難しい試合を経験しながら成長していることは確か。だが、まずは宿敵・明秀日立と戦う県決勝を乗り越えなければならない。齊藤は「2連覇もかかっていますし、自分たちが全国に出てどれぐらいできるかっていうのも試されてると思うんで、しっかり日曜日全員で、AとBとか関係なく、鹿島ファミリー全員で勝って全国の舞台に行けるように、今週いい準備して挑みたいと思います」と誓った。県大会を勝ち抜き、全国大会で初の日本一に挑む。
 
(取材・文 吉田太郎)



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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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